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INTERVIEW

Japanese

鶯籠

2020年03月号掲載

鶯籠

Member:PINOCO ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ からあげ 点点 駄好乙

Interviewer:宮﨑 大樹

東京 鶯谷発のライヴ・アイドル"鶯籠"(読み:とりかご)。年間200本以上ものライヴをこなし、着実にステップアップをしてきた彼女たちが、デビューからわずか2年足らずでメジャーへの切符を手にした。恵比寿LIQUIDROOMで行われた2ndワンマン・ライヴでは、競泳水着で客席にダイブするパフォーマンスで話題になり、撮影したMVはコンプライアンスNGでお蔵入りと、一見すると話題先行のように見えてしまうかもしれない彼女たちだが、それができるのは、音楽とダンスに確かなクオリティが存在しているからこそだ。


鶯籠の方向性とか、現時点でやっていることは変えたくない。だから急に曲の方向性が変わったりとか、振付が僕じゃなくなったりとかはないと思います


-鶯籠は、駄好乙さんがメンバー兼エグゼクティヴ・プロデューサーという立ち位置ですが、セルフ・プロデュースとは少しニュアンスが違うんですよね?

駄好乙:ちょっと異なりますね。グループ全体の世界観だったりコンセプト作りだったり、あと、振付はすべて僕が考えています。

-コンセプトで言うと、あえて具体的なものは定めていないのでは?

駄好乙:アイドルらしいライヴをしないっていうことぐらいですかね。あとは、縛られたくないなって思うので、いろんな曲をやったりして、幅広く活動しています。

-駄好乙さんによる鶯籠の振付は、どれもドラマチックでストーリー性があって、とても惹きつけられました。振付そのものに共通していることや、振付を考える際に意識していることはありますか?

駄好乙:共通していることは、歌詞に合わせて作っているということですね。振付は歌のその次にあるものだと思っているんです。歌をメインとして、それをより際立たせるというか、より伝えられる振付にしたいので、歌詞を読み解いて作るようにしています。

-つまり、振付にストーリー性を感じたのは、歌詞そのものにストーリーがあるから。

駄好乙:そうですね。でも1回観ただけじゃ理解しきれないと思うので、何度かライヴを観たら"なるほどな"ってなるかもしれません。

-2月7日には恵比寿LIQUIDROOMでワンマン・ライヴ("鶯籠 2nd ワンマンライブ「修羅場」in 恵比寿LIQUIDROOM")がありました。メジャー・デビューを控えるアイドルが、まさか競泳水着で客席にダイブするとは思いませんでしたよ(笑)。

駄好乙:競泳水着に関してはいろんな人からの賛否両論がありましたね。大前提でカッコいいライヴとか、惹きつけられるライヴを観たいじゃないですか? なので"なんで競泳水着?"って感じる人もいっぱいいるとは思うんです。だけど、それはひとつの作戦でもあり、ちょっとした面白い試みなんですよね。カッコいい衣装を着てライヴをしたら、それはカッコいいんですよ。でも、それで満足するのって現在進行形でライヴに来ている人たちで。新規の人たちをどれだけ惹きつけられるのかって思ったら、競泳水着はインパクトがあったんじゃないかなと。

PINOCO:恵比寿LIQUIDROOMの写真を見てライヴに来てくれた人もいるので、面白いことはできたのかなと思います。

点点:個人的には、もっとパフォーマンスできたなって後悔をしていることが多いんですけど、話題作りにはなりましたね。

からあげ:話題性としては良かったと思うんですけど、話題だけで終わりたくなくて。話題を知って来てくれた人たちが、曲を聴いたりして"いいな"って思ってくれるようなライヴをしていかないといけませんね。

ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:恵比寿LIQUIDROOMの前に初めて路上ライヴをやったんですよ。それを観てワンマンに来てくれた人がいて、すごく嬉しかったですね。このライヴでは初めてゲストを呼んだんですけど、"あ、こういうライヴのやり方があるんだな"って、自分の頭の中になかった演出の仕方とかが勉強になりました。

-鶯籠のライヴでは、どういうことを大事にしていますか?

駄好乙:無我夢中でやっているので、あまり意識したことはないんですよね。やれることを淡々とやっていくことが多かったので、今は自分たちにこだわりを持てるほどではないのかなって思っちゃいます。

-鶯籠って年間ですごい数のライヴをやってますよね。100本とかじゃ収まらないんじゃないですか?

駄好乙:収まらないですね。ファンの方が数えていたんですけど――

ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:たしか200は超えてた気がしました。

-かなり多いですね。

駄好乙:まだまだです。もうすぐ2周年っていうぐらいで、もっと頑張らないといけない1年だったと思うんですよ。去年は、1周年を迎えてさらなるステップアップということで、どんどん鶯籠の知名度を広げていこうとライヴ本数は多くしていました。修行ですね。

-今回のメジャー・デビュー後も、そのペースは落とさずにいくんですか?

駄好乙:しばらくは落とさずにいきたいですね。やっぱり、行きたいときにライヴがないと次に行くのがどんどん先になっちゃって、結果的に興味がなくなっちゃうのかなって思うんですよ。

-ところで、今回のメジャー・デビューで、環境は少なからず変わりました?

駄好乙:あまり変わってないんです。変わったことと言えば、リリイベ(リリース・イベント)にKING RECORDSの方が来てくれたり、手伝ってもらったりしているくらいですかね。

ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:こういう取材は全然やったことがなくて、そういうところとかも。

PINOCO:あとは「FLY HIGHER AGAIN」をテレビ東京系"ゴッドタン"(1~2月期エンディングテーマ)に使っていただいたので、そういうことも変化になるのかなと。

-逆に、メジャー・デビューをしても変えたくない部分もきっとありますよね。

駄好乙:それは鶯籠の方向性とか、現時点でやっていることとかですね。例えば、曲のジャンルにはとらわれたくないと思っているので、360°いろんな曲をやっていきたいという気持ちは変わらない。だから、急に曲の方向性が変わったりとか、振付が僕じゃなくなったりとか、そういうのはないと思います。

-PINOCOさんは、メジャー・デビュー発表時に"自分たちの夢を叶えるための手段としてメジャー・デビューという形を取らせていただきました"とコメントしてましたよね。メジャー・デビューをすることで叶えたいこととはなんですか?

PINOCO:自分たちでやっている曲とかを、より多くの人に知ってもらいたいというのが一番の目的なんです。その言葉は"メジャー・デビューはゴールじゃないんだよ"ということを伝えたくて出しました。

-もともと通過点としてのメジャー・デビューへの意識はあったんですか?

駄好乙:いずれはするものだと思っていたんですけど、ちょっと早かったなと(笑)。

ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:"あ、今なんだ"とは思ってました。

-まだ2周年を迎えてないタイミングですもんね。

駄好乙:早いですよね。他のアイドルさんと比べても早いから、自分たち的には焦る部分もあるんです。

点点:私は早めにメジャー・デビューすると予想していたんですけど、プレッシャーとかは大きくて......。怖い気持ちもあるんですけど、頑張りたいですね。