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INTERVIEW

Japanese

Pulse Factory

2020年02月号掲載

Pulse Factory

メンバー:Nobu(Vo) Yussan(Gt/Prog) Masaki(Gt/Cho) Katsutoshi(Ba)

インタビュアー:吉羽 さおり

大阪の音楽専門学校で出会った4人で結成し、キャッチーなサウンドと攻撃的で熱いステージで、各地のライヴハウスを熱しているPulse Factoryが、1stアルバム『ULTRANOVA』をリリースする。ライヴハウスを揺らすような骨太なロック・チューンやグルーヴが肝の彼らだが、今作ではEDMやR&B、ヒップホップ、メロウでポップな曲など新たな領域に踏み込んで、それをPulse Factory節へと練り上げている。Supernova(恒星の大爆発現象)ならぬ、その上の"ULTRANOVA"と新たなワードも生み出してバンドの威力を突きつける内容で、意欲的、挑戦的なアルバムだ。その心の変遷、バンドの心境を語ってもらった。

-前回のミニ・アルバム(2018年リリースの『Cloud Options』)から1年少々というスパンですが、今回はアレンジ面がかなりブラッシュアップされて、サウンド的にもより踏み込んだものになっています。何か意識的な変化などが芽生えているんですか?

Nobu:今までやってきたことを残しつつ、新しいことにも手を出そうというのはありましたね。と言っても、そうしようという話があったわけではないんですけど。メンバーが曲を作っているなかで新しいことをしているなというのを受け取って、じゃあ自分もそれについていってみようという感じで、自然とそういう流れになった感じでしたね。

-作曲者としては、より広がりを持たせてみようという思いはありましたか?

Yussan:打ち込みもそうですけど、今まで使っていない音を入れようかなと思って、そこからでしたね。何か新しい音楽を作ろうと意気込んでいたというより、新しい自分らを出せたらなというので作っていったらこうなったという感じなんです。

-自分たちにとって新しい音や、そういうきっかけになった曲っていうのはあるんですか?

Yussan:バンド・サウンドというよりは、EDMとかそういう違ったジャンルの音楽を聴いていて、いろいろとインスピレーションが浮かんだというのが大きいですね。

-そういうこれまでにない質感の曲がデモとしてメンバーに渡るわけですよね。みなさんのリアクション的にはどうだったんですか?

Nobu:僕もバンドに限らず、いろんな音楽が好きなので、こういうことをしようとしているんだなっていう感じはめちゃくちゃわかったし、"Pulse Factoryはこれだ"、"バンドだからこれだ"っていう枠にとらわれずに、いい音楽ができたらいいなというのはありましたね。そういうところで歌詞も書いていました。

Katsutoshi:曲を貰って、いつもとガラッと違うなというのはすぐに感じたんですけど、こういうのもいいなって思いました。僕、音楽のジャンルでの好き嫌いがあまりないというか、どんなものもいいなと思ってしまうタイプなので(笑)、これ自分たちの曲になったら面白いやろうな、こういうのも作れるんやっていうのもあって。

Masaki:僕が作った曲が半分くらい入っているんですけど、今まで自分やバンドの中でNGにしていた部分をあまりNGにせずに出した感覚なんですよ。Yussanから貰った曲もそうですし、自分が完成させた曲もそうなんですけど、最初は"これ大丈夫かな?"っていうのはあったんです。でも、この"大丈夫かな"っていうのは慣れ親しんでないからなんですよね。そこに新しく一歩を踏み込まないと、言葉通り新しい形はないかなと思って、NGはできるだけ排除しました。これが結構難しかったんですけどね。

-一番はどんな難しさですか?

Masaki:やっぱり怖いじゃないですか。ただ、どういう評価が得られるかはわからないですけど、斬新で、自分的には聴いていて飽きない、いい作品になったなって思いますね。

-Masakiさんの曲で、アルバムのラスト2曲「Sky's the Limit」、「CHAPTER SONG」は、まさにいろんな枠を取り外すという曲ですね。ソウルやファンクっぽい匂いがしたり、熱いというより、明るいポップなテンションの曲だったり。こういうのってMasakiさんのルーツにもあるものなんですか?

Masaki:そうですね。最後の「CHAPTER SONG」は、僕が最初に音楽っていいなと思ったのがJ-POPだったので。J-POPらしいメロディが自分の中では一番作りやすいものなんです。ただ、こういう曲調のものって俺らがやるとちょっとちゃうかなと思っていたんですよ。でも、今回はやってみようと思って。「Sky's the Limit」は、シンセがサビの曲がいいなと思って作っていったんです。作りながらこれはちゃうかなって思う瞬間もあったんですけど。いつも作りながらKatsutoshi君に曲を聴いてもらうんです。"これどう思う?"って聞いても、"ええやん"っていう薄いコメントしか返ってこないんですけどね(笑)。でも、"ええやん"って言われたら意欲が湧くんですよ。

Katsutoshi:そういう役目です。

Masaki:それで頑張って作れた感じでしたね。2曲共にサックスが入っているんですけど。

-サックスの音色が効いてますよね。華やかさやアッパーさがさらに加わった曲でもある。

Masaki:サックスを入れたいというのは、2曲共作る段階からあったんですけど、レコーディングで、生で吹いてもらってめちゃめちゃ良かったですね。こういうふうにサックスや他の楽器を入れることも、今までの俺らだったらやらなかったかなと思うんですけど、そういう枠を取り払ったところも挑戦した曲になったのかなと。

Katsutoshi:僕が作った曲ではないですけど、僕はどんな音が入っても、最終的に自分たちの音になるかなという自信はあったんですよね。

Masaki:その自信すごいな。

Nobu:はははは(笑)。

Masaki:でも、そうやねんな。こう言うとありきたりかもしれないですけど、どんなサウンドでも、Nobuが歌っとったらPulse Factoryになる。だから、大丈夫だっていう気持ちが曲作りの最後のほうはありました。

-Nobuさんの声はメロディアスな曲でもシンガロングの曲でも映えますね。曲の広がりがあるぶん歌の可能性みたいなものも広がった感触はありますか?

Nobu:曲って、音を貰って歌詞を書いて、歌って、MVを撮ったらほぼ完成形という感じじゃないですか。そこまでいっても、「Sky's the Limit」はどうなんやろうっていうのがまだあるというか。

Masaki:大丈夫かなって(笑)?

Nobu:いい意味でなんですけどね。この曲のゴールはたぶん自分たちが作ったところじゃなくて、聴いてもらった人がどう思ったかなのかなって考えているので。なかなか直接感想が聞けるわけじゃないですけど、そこまでいかないと自分もまだわからないなというところがありますね。曲自体はすごく好きなんです。でも、まだ客観的になれていないんです。ただ、それは悪いことではなくて、可能性を感じることだなってワクワクすることなんですよ。

-そういう曲にアルバムのリード曲を担ってもらおうというわけですね。

Nobu:この曲をMVにしたというのも、勝負かなって。今回はあえてこの曲を選んだことがどうなるかということですね。

Masaki:そうやねんな。

-それはバンドでの選択ですか。

Yussan:そうですね。

Nobu:バンド内でもどの曲にするかという話は結構しましたね。個人的には全曲MVを撮りたいくらいの曲が入っているんですけど(笑)。

-それくらい幅広いいろんな曲が入っていますね。Yussanさんの「希」(読み:ヒカリ)もまたドラマチックな曲ですね。

Yussan:この曲を作ったのがちょうど岡山にヴォーカル録りに行くときだったんですけど、足を怪我して僕だけ留守番していたんです。そのときに作った曲で。この曲がたぶん一番今までの俺らみたいな感じの曲ではあるんですけど、家にひとりでいて寂しいなっていう感じで──

Nobu:そのフラストレーションが(笑)。

Yussan:この曲に関してはありますね(笑)。1日でパッとできた曲でした。

Nobu:そういう力強さは音にありますよね。

-このバンドのメロディ・ラインって一辺倒じゃないというか、うねりやドラマがあって、わかりやすいメロディック・チューンでも、ひとひねりあるものになっています。この「希」もそうですが、ひとひねりせずにはいられない感じもあるんですか?

Yussan:考え方がひねくれているのかわからないですけど、ちょっと違うことをしたいなっていうのはあるんです。ストレートにいけば聴きやすいけど、もう1個何か欲しいなっていうのはあって、デモができあがった時点から結構変えることも多いんですよ。それでどんどん変わっていくんだと思います。