Japanese
ギャーギャーズ
2019年06月号掲載
Member:蛭田マサヤ(Vo/Gt) ワクワクさん(Gt) ゲッテ(Ba) ピッサン(Dr)
Interviewer:荒金 良介
東大阪発の4人組、ギャーギャーズが2ndミニ・アルバム『Rebuild』を完成! 今作は表題にも刻まれている通り従来のバンド像をぶっ壊し、再構築するべく挑んだ意欲作に仕上がっている。飾らないメンバーの人間味を前面に出しながらも、その奥には捻くれ精神が宿り、ストレートだけど一筋縄ではいかない音楽に絡め取られてしまう。一度聴いたら病みつきになること必至だろう。今回は、バンドの成り立ちから今作に辿り着くまでの心境の変化などを語ってもらった。メンバーのぶっちゃけたやりとりも、彼らの人懐っこい音楽の魅力を伝えてくれているようだ。
-結成は2007年に遡りますが、これまでの活動を振り返っていかがですか?
蛭田:最初から今まであまり変わらないかな(笑)。去年までマイペースにやっていて、良くも悪くも自分たちの行動範囲内で活動してました。で、今年に入り、今回のアルバム(『Rebuild』)を出すに至るまでに一番変わった気がしますね。レーベル"elevatormusic"から出すのは2枚目になるんですけど......。
-レーベルに移籍したことが大きいと?
蛭田:それが大きいっすね。意識が変わったというか、今までは"おもろいわー"という気持ちだけでやってましたから。代表の江口君がやる気のある人で、それに引っ張られた部分が大きくて。30歳を超えたし、楽しいだけじゃなく、ちゃんとせなあかんなと。今回のアルバム名も江口君が付けたいと強く言ってきたんですよ。
-そうだったんですね。
蛭田:アルバムは好きに作らせてくれるけど、"アルバム名は決めさせてください"と言うから、"何にするの?"と聞いたら"Rebuild"という。これまで自由すぎて歌詞も楽曲もレコーディング当日に作ってて、いつもそんな感じなんですよ。
ゲッテ:レコーディング2週間前でも何もなくて。
蛭田:だから、レーベルとしては不安なんでしょうね。どんな曲でどんな歌詞が来るのかわからないから。売り方を考える時間も必要だと思うし。以前のレーベルは放任主義だったからこうなってるんですけど、たしかに一緒に売ることを考えたらちゃんとせなあかんなって、今回のレコーディングで感じました。そう考えると、アルバム名ぐらいは付けさせてもいいかなって。
一同:ははははは(笑)。
ワクワクさん:ちゃんと背中を押してくれる人ができたという。
-結成時にやりたかった音楽というと?
蛭田:僕らはみんな初心者やったんですよ。ひとり(ワクワクさん)だけ軽音でギターを弾いていたんですけど。
ワクワクさん:一応、かじる程度ですけどね。
蛭田:できることも少ないから、バンドのテーマは"客をノらせない"みたいな。
-どういうことですか?
ゲッテ:普通はみんな客をノらせて、楽しませたいと思うだろうけど。
蛭田:そっちで勝負したら負けるんで、突き放そうと。だから、今考えるとプログレみたいなことをやってました。10数分あるような曲をやってみるとか。
-初期はそんな感じだったんですね。
蛭田:最初の3年はわかりにくいことをやってましたね。
-楽器初心者だと、プログレのような難しい演奏はできないですよね?
蛭田:だからノイズを響かせたり、ドラムを転調させたりして。
ゲッテ:誰かのコピーもできなかったですからね(笑)。
蛭田:曲の作り方もわからないまま作ってました。最初はストレス発散に近い感覚で音楽をやってましたね。メンバーみんな正社員で仕事してて、"仕事おもんないから生活を面白くせなあかん!"って。
-楽器経験があるワクワクさんは、バンドをどういうふうに見てました?
ワクワクさん:メロディはキャッチーやし、ファズでノイズを作ってみたりしてて、面白かったですね。音楽1本で勝負するという気負いもなかったですから。
-話が少し戻りますが、ライヴで客を乗らせないって、考えが極端すぎませんか?
蛭田:当時大阪でゼロ世代のアングラ・シーンが盛り上がってて、よく遊びに行ってたんです。ノイズを流しながらお城のプラモデルを30分間作り続ける人とかいたんですよ。
ゲッテ:はははは(笑)、変わった人が多かったんですよね。
蛭田:アウトドアホームレスというバンドがいて、メンバーはオシリペンペンズのメンバー(中林キララ/Gt)とか豪華なんですけど、"あんなおっさん妖精としか思われへん"という歌詞を全員で大合唱しているんですよ。
ワクワクさん:楽器を弾いてない人もいたしな。
蛭田:あと、身体にセロハンテープつけた千円札を投げてくっつけたり、天狗のお面でただ睨んでいる人もいたりで......"あっ、これやったら俺もできる!"って。
-はははは(笑)、なるほど。
蛭田:同じ年頃の人たちはメロコアをやっていたんで、全然友達ができなかったことは覚えてますね。
-大阪と言えばGARLICBOYS、GOOD4NOTHING、locofrankとかパンク勢も盛んですよね。
蛭田:そのへんも通っていたけど、できなかったから。客を乗らせない方向にどんどん突っ走ってしまったという。
ゲッテ:捻くれてるから、楽しそうにお客さんを乗せているバンドを観ると"なんやねん!"って(笑)。
蛭田:劣等感の裏返しで、そういうふうになったんでしょうね。
ワクワクさん:周りと比べて何もできなかったけど、自分たちに意味のあることをやってたんかなって。
ピッサン:同世代もおらへんかったから。
蛭田:他に黒色青年の影響も受けてます。自分なりの一生懸命をやって、振り切れてましたからね。
-ちなみにみなさん大阪出身ですか?
蛭田:全員東大阪出身の幼馴染みなんですよ。ピッサンだけ高校で知り合ったんですけどね。今も東大阪に住んでます。
ワクワクさん:下町感というか、泥臭いってよく言われますね。
蛭田:ライヴをやるようになって東大阪を出ると、文化レベルが違うなって。
-そこまで違いますか?
蛭田:家が傾いてないし、東大阪はパッと見で傾いてる家とかありますからね。長屋がバーッと並んでて、狭い路地も多いし、そこを通るといろんな家からいろんな臭いがしてくるみたいな。この人(ゲッテ)が住んでいた家もボロボロでしたからね。
ゲッテ:お前んちと一緒やから!
蛭田:壁とかもたれかかれないですよ。オトンが塗ってるので、ボロボロと崩れますからね(笑)。僕の家もトイレは和式やし、シャワーもないから、彼女ができても家に連れて行きたくないんですよ。そういう雰囲気は歌詞や音楽にも出てるのかもしれませんね。こいつ(ゲッテ)の家の前なんて砂利ですから。
ゲッテ:お前の家の裏も砂利やからな! ウチはトイレも洋式やし。
蛭田:(ゲッテの)お父さんが借金作って、家を差し押さえされとったやないか!
ゲッテ:もう離婚したから、俺のお父さんやないわ!
-このへんにしておきましょう(笑)。
蛭田:僕の家はお好み焼き屋なんですけど、オトンが肺の病気でチューブをつけているんです。でも、鉄板の真横にチューブついてるおっさんがいるなんて危ないじゃないですか。それが成り立つのが東大阪なんです(笑)。
-そういう人間臭い土地柄が音楽にも表れているんですね。
蛭田:大阪の人間は動物に近いかもしれないですね。東京に来ると余計にそう思います。こっちの子供は敬語でちゃんと喋るじゃないですか。僕なんて地元の公園でケガをした子供を持ち上げたら顔に唾を吐かれましたからね(笑)。
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