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INTERVIEW

Japanese

フィロソフィーのダンス×ピエール中野(凛として時雨)

2019年04月号掲載

フィロソフィーのダンス×ピエール中野(凛として時雨)

フィロソフィーのダンス:十束 おとは 日向 ハル 奥津 マリリ 佐藤 まりあ
凛として時雨:ピエール中野(Dr)
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 上溝恭香

-先ほど話に出ましたが、アイドル方向なのかアーティスト方向なのかっていうのは、ご本人たちとして目指してるのはどちらですか?

奥津:私たちとしては、完全アイドルです。アーティストって言われても本籍はアイドルなので。

佐藤:"本籍はアイドルでも現住所はいろんなところにあっていい"っていうのが加茂さんの決まり文句みたいなもので。だから絶対的にアイドル。見る人によって解釈があってもいいのかなとは思います。

十束:逆に、絶対アイドルとか、絶対アーティストみたいな見られ方をしたら、私はちょっとブレているんじゃないかなと思っていて。どっちにも取ることができるのが私たちの面白さだと思うので、そこはあんまり崩したくないですね。"どっちなんだ!?"っていうのが私たちの姿勢なのかなって思って活動してます。

日向:目指すべきは国民的アイドルだと思ってるんです。私がグループ始動当初から言っているのが"嵐さんみたいな存在になりたい"っていうことで。嵐さんのことを"あぁ、アイドル・グループね"と思う人ってあんまりいなくて。嵐さんは嵐という存在なので、フィロソフィーのダンスもフィロソフィーのダンスとして、世の中に名前が通じるようになりたいなと思います。

中野:どういう活動をしていきたいとかあるんですか?

日向:テレビ番組とかに出たいです。グループの番組が欲しいですし、個人でキャラクターがあると思うので、個人の仕事ももっとやって、別の分野でも活動の域を広げていけたらなと考えています。

中野:今はYouTubeとかニコ生とかいろいろ手法はあるじゃないですか? そっちは興味ないんですか?

十束:私はネット大好き人間なので、テレビだけじゃなくネットの民にも受け入れられるような存在になりたいです。

中野:現場とテレビとネット、組み合わせが大事ですよね。

十束:どこにいってもフィロソフィーのダンスがいるような形にしたいと思っています。


これからはキャッチーさが音楽面にも欲しいんです(十束)


-さて、4月5日にフィロソフィーのダンスの3rdアルバム『エクセルシオール』がリリースされます。

中野:最初に話したとおり、音的にちゃんとしているなっていう印象でした。一貫性もあるし、やり続けていってるっていうのはすごいことだし。動員も伸び続けて、評価も上がり続けていますよね? この間のライヴも評判が良かったじゃないですか。さすがだなぁと思っていたので、この形で進んでいけばいいんじゃないかなと。何かのインタビューで加茂さんが平井 堅や星野 源、Little Glee Monsterの層を狙っていきたいって言っていたんですけど、あの層が売れた理由って音楽的な理由だけではないので、フィロソフィーのダンスがどういうふうにそこに持っていくのかっていうところが気になるんですけど、何か考えていることはあるんですか?

日向:もうちょっと若い層に届けたいなと思ってます。

中野:ですよね。星野 源ってあんなにポップに聴こえるんですけど、音楽好きの極みみたいなことをやり続けていて、分析していくと1曲2~3時間くらい平気で話せるくらい細かいことをしているんですよ。例えば僕が参加している「Crazy Crazy」っていう楽曲で言うと、ドラムがまったくシャッフルしていなくてピアノが思いっきりシャッフルして跳ねている、でベースがその間っていうリズム構築をしているんです。そういうのも言われないとわからなかったり、気づかなかったりもするけど、星野 源はめちゃくちゃこだわっているんですよ。

日向:それでキャッチーなのがすごいですよね。

中野:そう。キャッチーで、押しつけがましくないのがすごい。気づいてくれる人が気づけばOKっていうのがたぶんあって。で、そうじゃない人にはコントとか役者とか、あらゆる角度で届けていくっていうのをひとりで全部引き受けてあの地位にいる。ただ音楽的にすごいだけじゃないというのがあるんですよ。それは平井 堅やLittle Glee Monsterもそうで、じゃあフィロソフィーのダンスはどうするんだっていうところはどう考えている?

十束:まさに今みたいな話で、私たちはメンバーとしてのキャッチーさはあるんですけど、音楽面で言えばファンクが好きな人は好きで、初めて聴く人にはちょっと音楽偏差値が高めみたいな印象があって。これからはそういう層にも届くようなキャッチーさが音楽面にも欲しいんです。だから私は、電波ソングとファンクを組み合わせた曲を作ってほしいってずっと加茂さんに言っています(笑)。

中野:辿り着いたのはそこなんだ(笑)。

十束:もうちょっといろんな層が聴いて、軽い気持ちでいいと思ってほしいな、という願いはあります。

中野:ヒップホップとファンクの相性は良さそうなので、そことのコラボとか聴いてみたいなって新作を聴いて思いましたね。ほとんどラップでやってもらって、サビだけしか歌わない。だけど自分たちの作品っていうフィーチャリングの楽曲とか。

日向:いろんな方とコラボや、曲を作っていただけたらとは思っていて。一応グループとして方向性は決まっているので、そこから多くの人に知ってもらうためには"こういうアーティストとやっているんだ"と思ってもらえる形にできたらいいなと。

中野:そのための地固めは今回のアルバムでできたんじゃないですかね。その先のアイディアをどんどん盛り込んでいったら、今まで届かなかった層に届いていくんじゃないかなと思うし、これだけ実力があって音楽的にもしっかりしているグループであれば、"一緒に何かやれたら面白そう"って相手も思うだろうなと。そういう可能性があるってすごく大事で、それをうまいこと加茂さんにコントロールしてもらったらいいんじゃないですか。