Japanese
爽
2018年10月号掲載
Interviewer:蜂須賀 ちなみ
-"FEARLESS"というタイトルには"現代社会を独り生き抜き、強く進んでいくために背中を押せるような作品にしたい"という想いが込められているそうですが、どういう経緯でそのようなテーマに落ち着いたのでしょうか。
今回女性目線の曲が多いんですけど、やっぱり私も女だから同性の子と語り合うことが多くて。一見普通の人生を歩んでいそうな明るい子でも、いろいろ葛藤を抱えてるんですよね、見えないとこで孤独と戦ったりしていて。ただ単純に誰かに愛されたい、たったひとりに大事にされたいって思っていても簡単には叶わないんですよね。たくさん痛みを知ってるから、複雑で、これ以上傷つかないように必死に守ることしかできなかったり。嘘みたいな言葉で"大丈夫だよ"と無責任なことを歌いたくはないんです。同じ時代を生きる同じ女性として、一緒に頑張っていこうって寄り添えるものにしたくて、祈りを込めた"FEARLESS"というタイトルに決めました。男性ももちろんですが、女性こそ本当に強くなったときに幸せの選択肢は無限に広がるはずと思っていて。恐れずに、勇敢であれ、と。
-前作『pray』(2017年に会場/店舗限定でリリースしたミニ・アルバム)がピアノと歌のみだったことを踏まえると、今回の打ち込み×生楽器のサウンドはかなり大胆な変化かと思います。このような方向性に踏み切った経緯を教えてください。
『pray』は自主で作ったこともあり、当時の自分がひとりで完結できる範囲内という感じだったので、作り手としてはむず痒さを感じてました。脳内では大ホールの中、フル・オーケストラで鳴っているイメージをいつも持っているので、自分の技術と予算や環境で弾き語りしかできないのはストレスもありました。だから逆に今回、その縛りから抜けられてエネルギッシュになったと思います(笑)。特に3曲目「375-7」、5曲目「never last...」などは今まで音源にできなかったけど、自分のやりたい音楽として初めて打ち込み色の強い制作をしましたね。
-これはブログを読んだうえでの推測ですが、"歌もピアノも特別上手くないし、ビジュアルが特別抜きん出てるわけでもない"という自己評価を持つ爽さんが、それらコンプレックスを補うように音楽に向かっていった結果、こういう方向性に辿り着いたのかなとも思いました。それが結果的に、他の女性SSWとの差別化という意味でも有効な一手になっているように思ったのですが、そのあたりに関してどのようにお考えでしょうか。
突出した存在にならないといけないなと強く思っていて。もちろん地球上の自分の知らないところに、自分と似た人はいるとは思うけど、そこに当てにいくことは絶対にしたくないって常々思ってます。それこそ自分の一番の長所を理解してて、"これが武器だ!"って信じられるのもとてもすごいことだけど、それってすごく難しいんですよね。学校とかに通っていても自然と"自分はどのポジションだろう"とか探ると思うけど、クラスが変わったり進学したり、違う場所に行けば自分の居場所だと思ってた場所が違う人の場所になってしまったりするし。普通の人間が自分だけの何かを掴むためには、自分らしさというものを受け身で待っててはいけない。とにかく考えて考えて工夫して、試行錯誤してようやくなんとなくの形ができあがるんです。だから私は何かひとつだけを伸ばそうとするのではなく、作曲、アレンジ、声、イメージすべてにおいてどうなりたいかということを何回も何回も考えてきました。"誰かの曲が好きだ"、"ああなりたい"と考えたその時点で、その誰かには負けちゃうわけじゃないですか。自分の考えの範囲すらも信用しないで、尖り続けなきゃって走ってたらこんな感じになりました。R&Bが大好きだけどR&Bシンガーにはなりたくない、SSWだけど弾き語りが普通とは思われたくない、バンド以上にロックでありたい、新しさを求めて変わったことをやっても日本語の美しさは汚したくない......とか、全部のこだわりをなんとかひとつの"爽"という名前に当てはめたいんです。捻くれてるんだと思います。
-リスナーにどう受け取られるかどうかという点に関して、不安はありませんか?
むしろ、爽っていうアーティストを知ってくれてる人って今めちゃめちゃ少ないから、今しか音楽的な変化を試せる時期はないんじゃないかって思っています。もちろん今までの爽としてのピアノ感が強いJ-POPも大切にはしていきたいです。でも芸術家は自分の理想を追求しなくなった瞬間に芸術家じゃなくなると思う。紡ぎたいものが強く浮かぶうちはそれに従って、納得できるものをジャンルにとらわれず表現していきたいです。むしろ自分が好きなジャンルの音楽を、私の曲を通してみんなにも好きになってもらえるくらい頑張りたいって気持ちです。
-制作を行ううえで、特に大変だったポイントを教えてください。
前の質問でも書いたように、"これがやりたい"っていうことが頭にあるのに、自分自身に全然自信が持てなくって。でも今回周りのスタッフが寛容な方ばかりで、爽としてどうしたいのかを突っ込んで聞いてくれて、細かな部分に関しても納得いくまで修正を重ねました。ミックスの知識も全然ないけど全曲何回も聞いて意見したり。私が大変というか、私のこだわりに付き合わされる周りの人たちが大変だったと思います......。でもそれがあったからこそ、自信を持ってリスナーに届けられる作品になったと感じます。
-本作の編曲には3名の方が携わっていますが、アレンジに関して、爽さんからはどの程度注文をしたのでしょうか。
今までは他人との化学変化が楽しくって全任せにしてたのですが、今回はかなり細かく指示を出しました。時にはアレンジャーの家で一緒に(音源を)聴きながら"ここはこうしたい"、"これはどうかな"とアイディアを出し合ったりして。作り上げたい方向性ははっきりしてたので、違うものが上がってきたときには大幅にやり直してもらったこともありました。
-各曲の制作時期や制作方法、歌詞を書くときも心持ちなどに違いはあったのでしょうか。別れや終わりを描く曲が多い一方、「hymn」、「prayer」からは"その経験すらも表現に昇華しよう"という意志が垣間見えるのが気になりました。
今までは直感的で感覚で曲を作ることが多かったのですが、今回は半数の曲をサウンドから作りました。とにかく聴いてて高揚する展開、流れの心地よさを重視して。自分で作る仮アレンジなども今までで一番やり直しが多かったです。コード進行が決まらなくて、半年悩んだ曲もありました。歌詞に関しても、自分の伝えたいことを言い放す曲と、誰かの背中を押したいっていう気持ちで書いたものがあったのですが、「hymn」、「prayer」などは特定の人のためだけに書いていました。後悔は人生につきものなんですけど、やっぱりみんなには1ミリも後悔してほしくないんですよね。音楽で人生が変わるかはわからないけれど、今私の音楽を聴いてる人が悩んでいたとして、曲を聴くことで心が少しでもシャキッとして、人生のいい選択をできるようになったらって考えながら書いてました。直接的な効力はないけど、少しでも人の役に立てたらいいなと。
-最後に、今後の活動に対する意気込みを聞かせてください。
私、まだ全然夢が叶ってなくて、今まさに走ってる最中なんです。音楽ももっと頭の中そっくりそのままアウトプットして表現に限界を感じないようになりたいし、大きなフェスやアリーナ・ツアーもしたいし、爽を今知らない人たちにも知ってもらって、爽という音楽を愛してもらいたい。だからまだまだ走り続けたいし、やれることすべてに打ち込んでいきたいです。もしもこんな時代に生まれて悲しいことばかりって思ってる人がいるなら、それを塗り替えちゃうくらい楽しめる音楽を届けたい。無謀なのは知ってるけど、動けなくなる直前まで全力で足掻いて、爽の音楽に触れてくれた全員を幸せにします。まずは『FEARLESS』、受け止めてもらえたら嬉しいです。
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