プリメケロン

INTERVIEW

Japanese

プリメケロン

2017年03月号掲載

Member：阿部さとみ（Vo/Key）古谷隆祐（Ba/Cho）長谷美沙紀（Dr/Cho）

Interviewer：蜂須賀ちなみ

－「かかと先生！」～「受胎夜曲」（Track.3）の流れからは、ひとりの女性の物語が生々しく描かれています。このように女性目線の人生観を歌うことはヴォーカリストとしての阿部さんのひとつのテーマのようなものなのでしょうか。

阿部：自分が女性だからか女性の気持ちがわかるし、わかってあげたいし、同じ女性として応援したいし、という気持ちはたしかに、音楽じゃない場面でも日ごろからあります。

－「熱は沖に」（Track.4）でたびたび登場する"大好きよ／愛してるよって"、"それが歌いたかったの"というフレーズが気になりました。逆に今までは、自分の気持ちを素直な言葉で歌えなかったということでしょうか。

阿部：昔は今よりも捻くれた性格だったので（笑）、作曲者として認められたくて、"好き"とか"愛している"っていうストレートな言葉を使わずにラヴ・ソングが書けるかってところにこだわって作ってきたんです。でも、"愛してる"とひと言入れてしまうだけでラヴ・ソングになってしまうし、本当にその気持ちを伝えるってことに重点を置くなら、余計な比喩表現はもはやいらないんじゃないかなと思って、そういうものを全部取っ払って、ストレートなものを1曲書いて歌ってみようという気持ちになりました。

－「テイマー暮らしの秘密」（Track.7）～「お前たち」（Track.8）の流れには"酸いも甘いも音楽に変えて生きていくんだ"というバンドの覚悟がとりわけ強く投影されているように思えます。

阿部：人の人生に寄り添える曲を演奏できるバンドになりたいので、"生きてて楽しいことばっかりじゃないよね"ってことを歌にしたいなと日ごろから思ってます。音楽でワクワクさせるにしても、音楽を作る側の我々も聴いてくれる側の人もそうですけど、毎日一生懸命に生活してる人に悩みがないわけがないってことを、認めなきゃいけないなと。

－音源を聴いてみて、プリメケロンは求めるより求められたい、尽くされるより尽くしたい、愛されるよりも愛したいと思っている人たちの集まりなのかなと思いました。

阿部：当てはまってると思います。"尽くしたい"とか"愛したい"みたいな、自分が持ってる主張がそのまま歌詞になってたり、音楽に勢いを乗せているような気がします。

古谷：まさに自分は"求められたい！尽くしたい！愛したい！"ですね（笑）。

長谷：私も求められたいと思っているところはあるかもしれないですね。

－そのように相手のことを強く求めてしまうのはなぜなのか、という部分のお話をうかがいたいです。

阿部：自分の今までの人生が、いろんな人と関わり合って影響され合って成り立ってるから、強く求めようとするんだと思います。言われた言葉で傷ついたり、言われた言葉で何か新しいことが始められるようになったり、良い意味でも悪い意味でも、人との関わり合いというか言葉のやりとりが、必ず自分に影響して人生が濃くなっていると思うからこそ、強く求めるんだと思います。

古谷：過去に自分が人に嫌われていた時期があり、もうあのころに戻りたくないという気持ちから求めているのかなと思います。

長谷：まさに、人にストレートに感情を伝えるのが苦手で、もっと自分の気持ちに素直になれればなぁ、と常日頃思っていますね。かなり捻くれ者なんですよね、きっと（笑）。

－今後のバンド活動に対する意気込みを聞かせてください。

阿部：世に出て発信したいものがいっぱいあるので、"あんな曲調もあるんだ"とか"こんな世界観があるんだ"と思ってもらえるように、たくさんいろんなものを吸収したバンドになりたいと思ってます。

古谷：今後はもっと多くの人にプリメケロンを届けたいと思います。最初の方で言ったとおりに、多くの方の渡世をお手伝いしたいです！あとは、大きなライヴハウスやフェスなどで、見てくれている人も僕たちもみんなが一体になって揺れているような、そんな心地よい空間を作れるようなバンドになりたいです。

長谷：これからもっともっとたくさんの人たちに"プリメケロンってかっこいいんだぞ、面白いんだぞ！"と伝えられるように、今回のリリースをワンステップにしていろんなことを曝け出して、もっともっと飛躍していきたいです！