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INTERVIEW

Japanese

Quint

2016年12月号掲載

Quint

Member:小田内 志徳(Vo/Gt) 中村 隆宏(Gt/Cho) 山口 茜(Key/Cho) 平野 俊輔(Ba/Cho) 額賀 康孝(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

RIDDLEの平野俊輔とNON'SHEEPの額賀康孝を中心に結成された、5ピース・バンド Quint。エモやメロディック・シーンを主戦場に活動してきたメンバーがスタートさせたこのバンドが奏でるのは、晴れやかに駆け抜けるピアノ・サウンドによる、爽快で美しいポップスだ。繊細でドラマチックな物語からは、季節の香りや風景、街の音が立ち上り、小田内志徳のソフトでハイトーンなヴォーカルが切なく、そして甘い風を吹かせていく。そんな日常にすっと馴染む楽曲のルーツとなっているのはJ-POP。誰もがふとした瞬間に感じる思いや感情を音楽として洗練させたのが、1stフル・アルバム『lovers』だ。

-結成は2014年6月ということですが、そもそもQuintを立ち上げたのはどなたなんですか。

額賀:このふたり(額賀、平野)です。もう10年来の付き合いなんですけど、最初は知り合いの誕生日パーティーがきっかけで、一緒にバンドをやろうかという話になって。

平野:もうそれが4年くらい前だよね。

額賀:そこからなかなかメンバーが集まらなかったんですけど、小田内が歌えるよって話が出てから、メンバーがどんどん集まっていったんです。

-小田内さんも当時、他にもバンドをやっていたんですか。

小田内:ギタリストとしてやっていたバンドがあったんですけど、活動休止して、バンドがなくなって。それで、もともとギター・ヴォーカルとしてバンドをやっていたのもあって、またバンドでヴォーカルをやりたいなと思っていたところに声を掛けてもらったので、"ぜひやりましょう"と。

-額賀さんと平野さんの間で、どういうバンドをやろうというイメージは具体的にあったんですか。

額賀:J-POPが好きなので、歌メロがきれいなバンドをやりたいねというのはありましたね。彼(平野)がやってるRIDDLEもそうなんですけど、僕も結構ゴリゴリのバンド・シーンでやっているので、もう少し一般受けしやすい音楽を始められたらなと思っていたんです。もともと小田内はギタリストのときに出会っているので、こういう歌声だというのは知らなかったんですよね。それで蓋を開けてみたら、びっくりしたっていう。

小田内:僕の11年ほどの音楽人生のなかで、ギタリストだった期間は2年くらいなんですけど、その2年間に出会った人が多いんですよ。だから、ギタリストとしての僕を知ってる人ばかりなんですよね。

-そういう人からすると、"あ、歌えるんだ?"っていう。

小田内:という人が多いですね。昔を知ってる人は、やっと歌に戻ってきたんだねという感じなんですけど。

-小田内さんのルーツは、どういう音楽なんでしょう。

小田内:昔からいろんなジャンルの音楽を聴いてきたんですけど、最初はJ-POPでしたね。家族がみんなJ-POP好きだったので、歌モノを聴いて育って、カラオケでもよく歌っていて。当時はバンドをやるつもりはなかったんですけど、親もバンドをやっていたので家にギターがあって。それで友人から"バンドをやるんだけど、ヴォーカルがいないから"って誘われたんですよね。だから、バンドが好きでとか、このミュージシャンに憧れてっていう入り口ではなかったんです。

-平野さんはRIDDLEとして、エモやハードコア・シーンで長く活動していますが、J-POPも親しんできたんですか。

平野:もちろん。僕が小学生のころはシャ乱QとTM NETWORKがとにかく大好きだったので。ルーツは間違いなくJ-POPにあるんです。

-Quintではそういった自分たちのルーツを思い切り出そうと。

平野:自分がやっているRIDDLEでもそういう影響は出せていると思うんですけど、Quintをやろうと話していた時点でRIDDLEはもう9、10年目になっていたんです。RIDDLEはツイン・ギターのバンド・サウンドで鳴らす面白さみたいなことを追求していくバンドだし、そうすべきだと思っていて。自分の中には、そうじゃない音楽も作ってみたい気持ちは常にあったけど、それを表現する場はRIDDLEじゃないなと思ったとき、表現する場が欲しいなと。それで、額賀さんともうひとつバンドをやりたいねという話をしたのかな。それならRIDDLEではできないピアノ・サウンドを入れた曲もやりたいし、もっと割り切ってポップなもの、おしゃれなものをやりたいなっていう気持ちがあって。そういう場として始めたのがQuintだったんです。

-中村さんと山口さんはどのようにしてQuintに?

中村:僕は以前、スタジオに勤めていた時期があって。そのときに、小田内がよく遊びに来たり、スタジオを使ったりするようになって、ギターを弾いてくれる人を探してるんだって話をしていたんですよね。その時点では、小田内がどんなヴォーカリストで、どんな声をしているのかも僕は知らなかったし、逆に小田内は僕がどういうプレイをするのか知らなかったけど、"いいよ"みたいな(笑)。

山口:私はもともとバンドはやっていなくて、サポートをやっていたんです。で、額賀さんと共通の知人から、ピアノが弾ける人を探してると聞いて、やってみたいなと思って。

-いざ、初めてバンドとして活動してみてどうですか。

山口:楽しいですね。

額賀:でも四苦八苦してたよね。バンド畑の人間って、"じゃあここはこうやって"、"ここからやってみよう"っていうふうに、現場でどんどん作っていっちゃうんですけど。彼女はピアノの先生もやっているので、譜面が当たり前の世界なんです。だからバンドでの制作のやり方についていけないというか。

山口:クラシック出身なのでよくわからないんですよね。つい頭で考えちゃうんです。毎回、譜面がないとわからない感じで。

-じゃあ、毎回曲はちゃんと譜面に起こしているんですね。

山口:はい、ちゃんと起こします。