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INTERVIEW

Japanese

dummy-xD

2015年07月号掲載

dummy-xD

Member:アンクー(Vo/Gt) 市川 憲人(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

2月にシングル『magiqlogic』を発表したdummy-xDが、1曲入りのシングル『異』をリリースする。アンクー(Vo/Gt)による中性的で淡々としたヴォーカルと、ひりひりとした低温火傷的なギター・サウンドの中に、キラキラとしたポップ性も内包した「異」は、ソングライターのアンクーのアイデンティティを詰め込んだ曲だ。今回のインタビューでは、その曲にまつわる話を訊いた。また発売に際して、初のワンマンであるフリー・ライヴも開催が決定。バンドとしての新たな試みも動き出しているようだ。

-今回は「異」という1トラックのCDですが、この曲をシングルにしようというのは、どういったことからだったんですか。

アンクー:1曲にしようという話で、作りかけの曲がいくつかあってどれにしようかなと思っていたんですけど。最近つねづね思っていたのが、僕、小さいときからとにかく変わった人になりたいなと思っていて。とにかく人と一緒なのがイヤだったんです。何でも人と違うふうにやろうって思っていたんですけど。ここ最近は、大人になってきたというか......それなりに愛想もよくなってきたというか。

-うんうん(笑)。

アンクー:そういうところもあって(笑)。それはそれで、いいこともあるのかもしれないけど、変わった人になりたいとずっと思ってきて、それは僕にとっては正しいと思っていることなのに、その考えが変わるのは良くないなと思って。それで、"異!"と思って。この曲にしようかなという感じでした。

-小さいころっていうのは、幼稚園とか小学生とかの頃から?

アンクー:そうです。そのころから、人と違っていることが嬉しかったんです。僕当時、ハンパじゃないビン底メガネをかけていて。小学校2年生のとき、前の席のやつによくバカにされてたんです。バカにされる度にメガネはずしてたんですけど、授業始まったら、そのレンズで光を集めてそいつの背中燃やしたりして。そいつが振り向いたらまた知らん顔してメガネかけるみたいなこともしてましたね。で、バカにされていたんですけど、僕はそういう機能としても使えるメガネが気に入ってて。

-危ないけどね(笑)。

アンクー:あとは、小さい子が履く、キュッキュッって鳴る靴があるじゃないですか。子どものころから僕は小さかったから小学校の低学年になってもまだずっとキュッキュッってやつを履いてたんです。みんなが白いスニーカーとかを履いているときに。僕は、キュッキュッてほうがいいじゃんって思ってて(笑)。

-いじめられたり、何かを言われても縮こまってる子じゃなかったんですね。

アンクー:いじめられていると思ったことはないかもしれないです。どちらかというと逆だったかも。

-そうだったんですね。そういう変わった人になりたいっていうのと、音楽はどう結びついていくんですか。

アンクー:小学生のときに、ミュージックステーションか何かでhideを観たとき、僕の中でhideが変わり者の最たるものに思えて。こうなりたいと思って始めた感じですね。お父さんがクラシック・ギターを持っていたからそれを弾きだして。お母さんはエレクトーンの先生で、小さいころ習ってたっていうのもあったりして。

-そんなふうにずっと変わった人になりたいと思って生きてきて、でも今は、大人になって寛容さみたいなものが出てきてしまったことに抵抗感、違和感を持っていると。

アンクー:寛容だったらまだ救いがあると思うんですけど、僕はこの現象を怠け者なんだって自分で受け取ったから。だから、直そうと思ってるんです。

-怠け者、ですか。

アンクー:自分のこだわりを、そうじゃなくてもいいって許そうとしてるのは、僕からすれば努力が足りないっていう感覚だから。良くないなと思って。

-このまま突き抜けていきたいっていう思いが強いわけですね。

アンクー:できればもう、変わりものすぎて肌の色とか変わっちゃうくらいの感じがいいんです。

-その異なるものへの強烈な憧れみたいなものは何なんでしょう。

アンクー:あまり世の中を信用してないからじゃないですかね。どうしてそう思ったのかわからないんですけど、"この世界はそんなに素晴らしいものがいっぱいあるような場所じゃないんだろうな"っていうのは、うすうす小さいときから思っていたから。だから、自分がものすごく変わった存在にならないと、この世は楽しくならないぞっていう気がしたんです。じゃないと自分とそれ以外のすべてとの折り合いがつかないというか。

-ああ、そういう変わった人になろうっていう思考が芽生えたり、ある種の目標ができて、楽しさは増えたんですか。

アンクー:そこからは、物事に対する見方や感覚がわかりやすくなって、少し楽になったというか。この人、僕のことが好きなのかな嫌いなのかなとか、この人の言ってることは正しいのか正しくないのかとか、いろんな判断基準が世の中にはあると思うんですけど。僕は、変わってるとかぶっ飛んでるとかだけで、判断しようってそのときに思ったから。だから、"変なの"って言われるとすごい嬉しかったし。それは今も一緒なんですけどね。先生とかにも、"あの子は放っておきなさい"みたいになったときがあったけど、それも嬉しかったし。