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INTERVIEW

Japanese

ソライアオ

 

ソライアオ

Member:木部 数也 (Vo) 山田 恵子 (Ba)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-では、今回のアルバム『[c]onceple』についての話に移ります。"ライヴハウスにもCDショップにも足を運んでほしい"という想いを込めて、このアルバムと、ライヴ会場ですでに発売されている『con[c]eple』を2枚1対の作品にしたとのことですが、逆にいうと、実際今は両者(ライヴハウスとCDショップ)があまり繋がっていないという肌感覚があるということでしょうか?

木部:そうですね。僕もCDを持っているけどライヴを観たことないアーティストがいっぱいいて、振り返ってみればバンドを始めるまでライヴなんてサザンオールスターズを1回観に行ったくらいで。きっと、一般的にはそれが当たり前なんだと思うんですよ。でも、僕は"バンドを始めた"というきっかけで、ライヴハウスという存在がものすごく大きくなって、ライヴやフェスに行く人たちも何かきっかけがあってハマっていってると思うんです。その"きっかけ"を作りたくて今回のアルバム2枚を作りました。あとは、最近はパソコンで曲も聴けて、ライヴ映像も見られる時代で、そこだけで完結しちゃっている人も多いと思うんです。だから、そういう人たちにもライヴハウスに足を運んでもらいたくて、2曲を同時に流すと重なる楽曲をWEB限定配信しようと思いました(※バンドの公式YouTubeチャンネルにて"ソライアオ「アイロニー」同時再生"という動画を配信中)。

山田:家にいたって、ライヴ観れるんだもん、誰も外に出ませんよ。疲れるし、危険もたくさんある。道路渋滞はあたりまえだし、電車もバスも遅延するし。だけど、外に出ないとわからないこと、生でないと感じられないこと、たくさんあると思うんです。握手券入ってれば、タダなんだもん、少し億劫だけど握手しに行くでしょ? ついでにライヴ観て、"ライヴってなんかいいな"から"ライヴって楽しい! また行きたい!"ってなる可能性もあるんでないかと。だから、まぁ、木部の言う通り、ライヴに足を運ぶきっかけが必要だと思って。ソライアオは、握手券ではなく、2枚を揃えないと完成しない音源という方法で、会場限定盤を出させてもらいました。

-2枚1対というコンセプトを考えついたあとに曲を作っていったのでしょうか?

木部:『[b]luest』のツアー中にどんどん曲が浮かんできて、ツアーが終わってから一気に制作モードになりました。それと並行して今回のアルバムのタイトルやコンセプトをふたりで練っていって、内容が決まったら収録曲をピックアップして、足りない要素の楽曲は新たに作って、最終的にまとめた感じですね。コンセプトが決まってからいろいろ縛りがあったので、そこに向かってまとめていく作業が本当に大変でした。

-バンドでの曲作りは基本的にどのような形で行っていますか? 

木部:基本的に歌のメロディと楽曲のイメージが浮かぶので、それを僕が打ち込みで作ります。こだわっている部分は"これでいきたい!"みたいにメンバーに伝えて、それ以外の部分のアレンジは各パートに任せますね。メンバーにはいつも言うんですが、気持ち的には"ぶち壊してほしい"ぐらいなんですよ。だから、できるだけデモに寄せないでアレンジを考えてもらいたくて。そうすることによって、自分では思いつかなかったアレンジが生まれたりして、その化学反応みたいなところがすごく面白いんですよ。今回の作品で言うと、『[c]onceple』の「ベイビー」は、デモ段階と180度変わりましたね。1回デモをみんなに投げたら、ドラムのリズム・パターンが変わって、そしたら自然とベースも変わって、楽曲のイメージが変わったのでギターの音色やストロークも変わって、最終的にサビ以外のメロディも変わりました。最後の最後まで練り直しました。結果、ものすごく気に入ってます。

山田:木部が、基本のコード進行や歌メロを作ってきて、そこから肉づけすることが多いですね。基本、歌詞がないまま曲作りが進行するんですが、歌詞がついてから"あー、もっとこういうリズム、こういうラインにすればよかった!"と思うことも多々あって、どんどん変わってくし、コーラスの関係で変える事もよくあります。

-抽象的な表現で申し訳ないのですが、『[c]onceple』と『con[c]eple』は、現体制で再始動するためのアクセルを踏むためのアルバムというよりかは、ソライアオを(消極的な意味ではなく)守るためのアルバムなのかなと感じました。

木部:これは勝手な思い込みかもしれないんですが、少なからず"ソライアオ像"みたいなものがみんなにあると思うんです、音作りやテンポ感みたいなところで。体制がメンバーふたりになっても"ソライアオ"として活動していく以上、"ソライアオ"を守るという気持ちはあります。なので"みんなが思うソライアオってどんなだろうね?"っていうのはふたりで話しました。でも、それだけでは"前回からメンバーが減った"っていう印象で不安になるファンのかたも多いとおもうので、ちゃんと今のソライアオを提示したい部分もあって。"ふたりでもやれるぜ!"みたいなことをしっかり伝えたかったんです。だから収録曲を選ぶときに"ソライアオらしさ"と"今のソライアオにしかできないこと"を意識しました。2枚の曲を並べたときに、僕はイメージをバラけさせたつもりなんですが、山ちゃん(山田)の反応は違っていたので、結果的にこの2枚を聴いてみんながどんな印象を持つのか楽しみです。

山田:前作ができあがったときから、今作の構想を練っていました。そして、ふたりになってしまったけど、"もとからあるソライアオの印象を崩さぬように"とはやっぱり思って選曲しました。けど、「アイズ」や「ループ」のように、新しい一面も小出しにしていこうとも思って。だから、比重は、もとからあるソライアオ像のが重いけど、思惑通りになったかな。何にしろ、対にする曲作りをするというのは、面白い挑戦でした。みんなにはどう届くのか、とても楽しみですね! そして、ふたりになった今だからできること、いろいろあると思うから、"次回は、これまでのソライアオ像を壊してやろう!"とも話してます。