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INTERVIEW

Japanese

THE PRIVATES

2014年10月号掲載

THE PRIVATES

Member:延原 達治 (Vo/Gt)

Interviewer:石角 友香

-Skream!の読者との接点で言うとむしろ洋楽のほうが大きいかもしれないですけど、去年、一昨年のJake BuggとかTHE STRYPESの登場とか。

うん。聴いたよ。THE STRYPES、いっちばん最初に出てきたとき、誰かが"ヤバイ子どもが出てきたよ"って言ってて。OKAMOTO'Sもこんな感じだったよな、最初は、とか言って。高校生のころとかね。

-その関係性って不思議な感じがするんですけど、親子とは言え、飽くまでも1バンドマン対1バンドマンなんですか?気持ちとしては。(※延原はオカモトレイジの実父)

そうねえ、うん。そうよ、割と。最初、中学生のときはね、あいつらがなんか音楽を始めたとか言って、俺のとこにみんな来だして。そのころはなんだろうね?なんか普通の友だちみたいな感じだったよ、みんな。音楽友だちみたいな。"教えて〜""これがいい"とか言うと、俺は逆に知らないから、おまえが知ってるのなんか教えろって言うと"こんなのいいって言ってんのかよ?こっちのほうがいいだろ"ってYouTubeとか見たりとか、そんな感じだった。

-普通に音楽オタクの会話(笑)。そして教えてくれなくても、どんどん自分で掘っていくようになる、と。

あいつ(オカモトレイジ)とかはこういうことになんのか?と思うのが、俺たちはTHE ROLLING STONESから始まって、その向こうにブルースの人がいるとか、カントリーの人がいるとか、レゲエの人がいるとか、そういうドアがあって、ドアを開けたら広がっててこうだ、っていうのが。だからなかなかここまで辿り着くまでにこういうハードルがあってねっていうのがあったんだけど、あいつらは、いきなり間を飛ばしていったりするから"おまえ、今、何好き?"とか聞いたら、"俺はね、結構ジャーマンが好きでね"とか言って。えらい早い段階からCANとかさ、AMON DUULがどうこうで。とか言ってたよ(笑)。

-自分の直感で好きなものを選んでると、ある日突然出会うってことなんでしょうね。

ね?でもたぶん、これからきっと10年20年とかかけて、おんなじような音楽図ができるような気はするけどね。だからやっぱり絵はひとつだけでさ。それを全部で完成させるために俺はここからスタートして(順番に)こうやって完成させてったけどね、お前はこのピースをここから入れていくんだ?みたいな。だけど、でもその横にはこれがいてさ、こういてさ、こうでっていうのがきっとわかるはずだなって思うけど。わかるっていうか、見えた景色をどう解釈するかはそれぞれの個性なわけで。という気はするんだけどね。

-ピースの埋め方はそれぞれだし、解釈もそれぞれだ、と。そして今回アルバム・タイトルが『Les beat hi-fi mono』と。非常にシンプルで。

まあね、ビートっていうのはバンドを作った時からのキーワードで。かっこいいビート・グループ、ビートが効いてないと!とか、必ず言うから。まあ......1番自分たちにとってもわかりやすいし、響きもいいしってとこで。

-"ビート"って言ったときにそれぞれどんなものを想像するか?っていうのが面白いところだと思うんですよね。

うん、そうね。人それぞれだもんね。俺たちなんかは1963~65年ぐらいのイギリスのグループかなぁ。そういうのが、ビートって感じするけど。

-そしてアルバムの中でもグッとくるフックになっているバラード「君が君に」。これは山口冨士夫さんとの共作曲ですね。

これはね、1990年の"ロックが生まれた日"ってイベントで冨士夫さんとやったときにふたりで作った曲で、その時のイベントでは大阪でも東京でも演奏してるんだけど、その後、冨士夫さんもTeardropsのときにひとりで演奏するときにやってて"ノブはノブでやってくれよ"って言われてて。で、清志郎さんとやるときもやったりとかしてて。で、今回、去年ああいう事件ていうか事故もあったから(※不慮の事故で他界)、こう、冨士夫さんとの思い出っていうか、やっぱりなんらかの形で、捧げたいなっていうのはバンドのメンバー全員にあったんだよね。で、今までこれ、俺ひとりで弾き語りするときはやったりしてるんだけど、特に録音したこととかもなかったから。今回は録音しようってことになって。

-バンドでやるとなって、すぐに共有できた感じですか?

うん。まあリハーサルしながら、ドラムとかベースのふたりにはこういうタッチでやってくれとか言ったけど、ショーネンは冨士夫さんとギター弾いたりする機会も何度もあったから、結構気持ち入ったと思う。これは自分を注ぎ込んでやる、みたいな気持ちはあったと思うね。それは会話の端々にあった。

-そして、今回はカバー・アルバムと最初から2枚組にしようと思ってたんですか?

最初はもうちょっとカヴァーのボリュームが小さくて、2、3曲カヴァーの曲も入るとうれしいな、から始まって。で、カバーの曲をやるんだったら別ディスクで、ボーナスみたいな感じでって話が出てきたときぐらいから、ムクムクっと"何?ディスク2枚に分かれるんだったらもっと充実さして、ガッチリ、で、ゲストとかも呼んで......"って話にもなってきたから、それだったらいろいろ......普段のときにね、あまりゲストを呼んでレコーディングとか、必要な、例えばパーカッションの人が来るとかさ、ホーン・セクションの人がゲストでとかそういうのはあるけど、純然たる"この人と演奏したいんだ"ってゲストの人が来ることとか、俺たち、ほとんどないから。じゃあまあ30周年の記念セッションで、30年間のあいだで出会った、俺たちの大事な尊敬できる、日本のロックンローラーの人に声をかけてっていう感じで。