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INTERVIEW

Japanese

BUZZ THE BEARS

2013年06月号掲載

BUZZ THE BEARS

Member:越智 健太 (Gt/Vo) 池田 大介 (Ba/Cho) 桑原 智 (Dr/Vo)

Interviewer:沖 さやこ


-“声”は想いや言葉を伝えるにはとても身近なものだと思います。そして歌にも声が不可欠です。BUZZ THE BEARSにとって“声”と“歌”はどのようなものでしょうか?

越智:昔は楽器でかっこよくなれば何となくかっこいいのかなって思ってたんですけど、最近はライヴをやっていてもCDを聴いていても、かっこいいと思う音楽は声が1番重要なのかなという気がしています。自分たちの歌をより良く聴かせられるために、良い声を出したいと思うようになってきました。やっぱり曲によって、のっている声とのっていない声だけでも印象が変わったりもするし、その曲をどれだけ良い状態で届けるかを考えながらやっているので、ライヴでもそういったことは気にかけてます。

-Track.2の「シグナル」は90年代後半から00年代初頭にかけて日本に溢れていた様々なジャンルのサウンドが凝縮されて、BUZZ THE BEARSの音になっていると思いましたが、いかがでしょうか?

桑原:ほんとうにその辺は何も意識はしていなかったんですが、その当時に聴いたものが出てしまったのかもしれないです(笑)。自然にいいやん、いいやんっていう流れでポンポンポンという続きで付けていった感じなので、体から聴いたものが出てきた感じですね。

越智:ギターの上モノとかも歌謡曲みたいなのつけましたね。

桑原:そういう意味では聴いてきたものがうまく出たのかもしれないですね。

-これは“信号機”視点の歌ですが、こういう歌を作る理由になった出来事はありますか?

越智:最近事故や事件が多いので、そういうのが危ないから、もう少し気をつけられないかなっていうことを書こうと思っていて。この曲を聴いて1番最初に思い浮かんだのが“シグナル”っていう言葉で、これには“信号”という意味以外にも自分にとって“警告”というようなイメージもあって。そこから膨らませて作っていった歌詞です。

-“疾走感がある楽曲は英語詞にする”と前作のインタビューで拝見しましたが、この曲を英語詞にした理由は他にもありますか?

越智:この曲は最初聴いて“日本語をのせようかな”と試してみたんですけど、どうしても日本語が自分の中でうまくのらなかったというか、自分の中で嘘っぽく聴こえてしまう気がして。1回日本語で書いたけど、これは英語かなと思って英語にしました。

-「シンデレラキッズ」も笑顔にならずにいられない抜けの良い曲です。これは学生バンドマンの歌なのでしょうか?

越智:それもありますし、ライヴハウスに遊びに来てくれる人の歌でもあります。遊びに来てくれる人もわりとバンドしている人も結構多かったりするので、そういう歌です。

-BUZZ THE BEARSの楽曲はとても鮮やかで包容力があると思っています。皆さんはご自身の音楽や演奏をどう感じていらっしゃいますか?

池田:CDは聴きやすいように、みんながすっと聴けるような作りにしようとしていて、ライヴはわりと汗をたくさんかくライヴをしています。普段みんなが心の奥底にくすぶっているようなものをぶわっと出してあげられるような、そういう感じのライヴをしたいと思っていますね。

-「シンデレラキッズ」は英語と日本語がブレンドされていて、韻もたくさん踏まれていますね。こういう詞になった背景は何でしょうか?

越智:これもメロディを聴いて、すごくリズミカルなメロディだったので、同じような言葉を繰り返すようなことが合うのかなと思って試してみたんですが、やってみたらなんか違くて。韻を踏めればけっこう気持ちよくはまるんじゃないかなと思って韻を踏みました。この曲は割と聴こえ方を重視したというか、内容も自分の中ではきっちりあるんですが、聴こえて気持ちいい、歌っていて気持ちいい、ということを重視して作りました。

-詞の中にある“LIVECAGE”はBUZZ THE BEARSライヴのタイトルにも入っている“LIVECAGE”ですよね。この言葉の意味と、込められた思いを教えていただけると幸いです。

越智:“cage”は檻という意味があります。僕達BUZZ THE BEARSは“熊”という単語が入っているので、動物園に熊を観に行くような感じで、ライヴハウスにライヴを観に来てほしいなという思いを込めています。

-7月にはワンマン・ライヴが東京と大阪で開催されますね。様々なイベントへの出演の後なので、一段とスケールを増したBUZZ THE BEARSが見られるのでしょうか。

桑原:ワンマン・ライヴは今まで何回かやらせてもらったことがあるんですが、僕らだけを観に来てくれるお客さんの前で当たり前のように僕らができることをやらなあかん状況というのは、いい意味で普通のライヴにない独特の緊張があります。でもそれ以上に最近、ワンマンをするごとに楽しみが強くなってきて。だから楽しみの方が大きいのは大きいのですが、その中で前のワンマンよりはさらに1枚2枚うわての楽しいライヴができたらな、と。というか、そういうライヴをします!

越智:僕は最近ライヴをやっていて、演奏や自分たちの気持ちの中とか、変わってきてるなと思う瞬間が多くあるんです。今までのワンマンとはもっともっと違う感じのものができるんちゃうかなと思って自分でも楽しみにしています。

池田:いつものライヴもすごいお客さんがあったかくて助けられるんですけど、ワンマンの雰囲気は家族的なすごいあったかいものを感じますね。そのみんなで汗かいたり飛び跳ねたり笑ったり泣いたり、そういうことをみんなで共有できる空間がそういう感情がすごく激しく動いてる気がします。普段の短い時間の中ではできないような曲も色々できるので、僕らもすごい楽しいです。その分、体力的にはしんどかったりするんですけど(笑)、それもやってる時はあんまり感じないくらい楽しんでるんで、今回もすごく楽しみです。

-今作でシングルとしては2作目になりますが、シングルを制作する中で見つけた新たな発見や、アルバムへの繋げ方の構想などがありましたら教えて頂きたいです。

越智:今回は自分たちの中で今までやったことに挑戦してみました。例えば3曲目のアレンジは“あーまだまだやれる新しいことっていっぱいあって、やってたら楽しいとか聴こえ方が気持ち良かったりとか、自分たちの新しい色になっていきそうやな、と思うこととかまだまだあんねんな”と感じました。それでいて、今回の「声」は全曲通して聴いていて聴き応えもあるような、あっという間に終わってしまうような1枚にできたのが嬉しかったです。今回のシングルもそうなんですが、自分たちのことを歌った歌でもあったりして。“もっと自分たちのやっている音楽を多くの人に聴いてもらえないかな”というところから始めた部分があるので、これからも地道に活動をしていきたいと思います。