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INTERVIEW

Overseas

DIGITALISM

2011年06月号掲載

DIGITALISM

Member:Jens "Jence" Moelle

Interviewer:沖 さやこ


-なるほど。人の熱量を感じるという意味で、挨拶的によく使われる“I Love You, Dude”という言葉は、この作品のタイトルとしてピッタリだと思うんです。凄く幸福に満ち溢れたフレーズで。だけどこのアルバムはハッピーな部分だけではないですよね。その辺のギャップやバランスも計算されたものなのかと思ったのですが。

それは深読みかもね。当初は『Tourism』ってタイトルにしようと随分前に決めてたんだ。僕たちがひたすら世界中を旅したことが色濃く反映されているアルバムだからね。

-『デジタル主義』リリースからの4年間が凝縮されているんですね。

そう。それで、去年の年末、日本に行く前にオーストラリアへDJツアーに行ったんだ。その時にオーストラリアの人々が “I Love You, Dude”っていうフレーズをよく使ってたのを聞いてさ。僕たち全員その言葉を気に入っちゃって、こっちをタイトルにすることにしたんだ。

-先程「世界中を旅したことが色濃く反映されてる」とおっしゃっていましたが、どんどん情景を変化させていくような音の作り方と曲の流れが非常に印象的で。長い時間を掛けてひたすらいろんな街を車で走って旅をしていくような気分に浸りました。そういう意味ではまさしく“Tourism”だと思います。

僕たちはデビューしたおかげで本当にいろいろなところに行けた。やっぱり行くところそれぞれに様々インスピレーションはあるものなんだ。そこが、今作とデビュー・アルバムを比べた時に一番成長したところだと思う。モントリオールやスカンジナビアやメルボルン、シンガポール、東京、どこだっていい。それぞれの場所にはそれぞれ独特なヴァイヴスが宿っているんだ。訪れるタイミングや体調、気分によっても変わってくるね。以前は若かった。制作手法は大して変わっていないのに、世界中を旅したおかげで一回りも二回りも成長出来たんだ。

-経験がもたらす影響は絶大ですからね。影響と言えば、「Forrest Gump」はEメールを使ってTHE STROKESのJulian Casablancasと共作なさったそうですね。どういうご縁でしょうか?

たまたま共通の知り合いがいてね。確か日本にいる間に出たアイディアだったような気がする、間違ってなければね。“折角だから誰かと一緒にトラックを制作するのもおもしろいね”って話になって。

-おふたりのカラーとJulianの個性が非常にバランス良く中和されていると思います。

ちょうど彼もソロ・アルバムのリリースとかがあって凄く忙しい時期だったみたいなんだけど、有り難いことに素材を幾つか送ったら何パターンかギター素材をのせて送り返してきてくれてさ。その中から一番僕たちのスタイルにフィットするものを選んだんだよ。