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INTERVIEW

Overseas

THE RADIO DEPT

 

THE RADIO DEPT

Member:Martin Carlberg(Gt) Johan Duncanson(Vo&Gt) Daniel Tjader(Key)

Interviewer:佐々木 健治


-じゃあ、去年の秋からまとめに入ってからの作業はスムーズに進んだんですね。

D:うん、そうだね。

-あなた方の歌詞は、啓蒙的なメッセージ性も強いですよね。そして、基本的に凄くパーソナルな視点でもある。歌詞を書く時のインスピレーション源は何でしょう?

J:確かにそうだね。それに、日本盤のボーナス・トラックに入っている「Teddy And The Trojan Horse」という曲は、スウェーデン政府を批判する曲でもある。だけど、バンドとして何か明確なメッセージを持っていてそれを伝えたいというわけではないんだ。自分の思った素直な気持ちを言葉にしているだけなんだ。

-とは言っても、「Heaven’s On Fire」冒頭のThurston Mooreのメッセージもそうだと思いますが、カウンター・カルチャーとしての側面を重視していますよね。あなた方の基本的なポリシーは、簡単に言うとどういうものになりますか?

J:そうだね。自分達の政治的なメッセージというものは持っているんだ。コマーシャリズムが強すぎるもの、つまりとにかく売ることが最優先になってしまうようなことは、絶対に自分達はやりたくない。自分達らしさをしっかりと持った音楽をやりたいと思っている。
その自分達のメッセージを楽曲に反映させたいとも思うけれど、だからと言って自分達の言葉が自分達の思った通りに伝わるものでもないし、そのまま理解されるとも思っていない。逆に、自分達の思いを代弁しているものがあるならば、それはそれでいいんじゃないかってことで、「Heaven’s On Fire」では、あのサンプリングを使ったんだ。それに、「Never Follow Suit」では、SKEMEというグラフィック・アーティストの声をサンプリングしているんだよ。どちらも、僕達のヴィジョンを反映することができるものだったからね。

-そのヴィジョンは、今回のアルバムで手作り感を持った作品ということに繋がっているということですよね。

J:僕達のメッセージを音に反映させるという意味では、その通りだとも言える。コマーシャリズムに対するアンチテーゼという意味でね。ただ、一つだけ言っておきたいのは、僕達もポリティカルな部分はあるし、しっかりとした意志を持っているけれど、そういうメッセージに固執してしまうと、ロックな音楽というか、攻撃的なものになってしまう。僕達は、どちらかというとそういう類のロックに反抗すると言うか、アンチ・ロックというスタンスでスタートしたバンドでもあるんだよね。そういうロック・バンドが陥るようなものとは反対にいたい。だからこそ、D.I.Yであることが重要なんだ。

-それでは、例えばNYのインディ・シーンなどにはシンパシーを感じますか?

M:うん。NYのインディ・シーンには確実に共感を覚えているよ。

J:それは間違いない。ただ、僕達はもっとUKのインディ・シーンにも凄く共感しているんだ。例えば、80年代のイギリスでのサッチャー体制に対する反抗勢力としてのバンドってたくさんいてさ、例えばSTEREOLABとか。STEREOLABは凄くいい例で、ロックではないアプローチで、知的に自分達の反抗的なメッセージをこめるというスタンスだったじゃない?

-そうですね。

J:そこに僕達は凄く共感しているし、評価されるべき姿勢だと思うんだ。

-なるほど。じゃあ、皆さんはロック・バンドではなく、ポップ・バンドだという意識が強いということですね。

J:その通り。D.I.Y主義のポップ・バンドだね。最初からそういうスタンスでやってきたし、今でもそれはぶれていないんだ。