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INTERVIEW

Japanese

THE BEACHES

 

THE BEACHES

Member:ヒサシthe KID(Vo&G)

Interviewer:杉浦 薫


-なるほど・・・。先程仰っていた、阿久悠先生的な昔の日本の歌謡曲と、今街で鳴っているJ-POPとの決定的な違いってなんだと思います?

うーん、一言で言うと難しいけど、“自分事”なのか、そうじゃないのかっていうことが一番大きいと思う。そういう曲でも好きなものはたくさんあるんだけど・・・。日々の生活の中で自分が感じたことを書くっていうかさ。それはそれでいいと思うんだけど、ちょっと安易過ぎるのが多いと思うんだよね。別に歌に乗せなくてもいいじゃん!電話して誰かに話せよみたいな(笑)。俺はそういうのはどうでもいいと思っちゃう。もうちょっと曲に乗って言葉が飛び込んで来た時に、いつもと違う感覚になれる言葉であってほしい。わかりやすい日々の些細なことを歌うにしても、本当にいい歌詞を書く人っていうのは、そういうことですら「これってこんなに面白かったっけ!?」って思わせてくれるんだよね。
この前RISING SUN ROCK FESTIVVALで吾妻光良 & THE SWINGING BOPPERS with 松竹谷 清のライヴを見たんだけど、歌詞がめちゃくちゃいいわけ。日々のちょっとしたことだったり、さっき言った、今しか書けない歌詞。例えば、福田総理がめちゃくちゃ好きだみたいな歌詞とかあって。棘もあるんだけど、面白おかしくて。笑えるんだけどちょっと泣けるところもあって。こういう歌詞を書く人って、昔はもっといたと思うんだよね。先輩が書いた面白い歌詞を聴いたりすると、ああ、俺も頑張らなきゃなって思う。

-これからもヒサシさんの書く歌詞を楽しみにしていますね。さて、THE BEACHESで三年間活動をしてきて、新たな出会いなどもあったと思うのですが。

うん。こういうバンドを始めたからこそ出会えた日本のいいバンドっていうのがたくさんある。昔だったら出会えなかった人たちと一緒にやれる機会がTHE BEACHESになってから増えたと思う。改めて、いいバンドってたくさんいるな~と思った。メンバーは同じでも違うバンドにしただけで、そういう出会いが増えて凄く励みになった。いいバンドはたくさんいるんだけど、今まで隣のライヴハウスに行けば出会えたかもしれないのに出会えなかったバンドがたくさんいるの。一つ壁を壊しただけで世界って凄く広がるなって思った。

-ヒサシさんはTHE BEACHESの活動を始めた当初は、「日本ではTHE BEACHESが受け入れられる土壌がない」と仰っていましたが。

土壌にはあんまり変化はないかな(笑)。全然と言ったら嘘になるけど。でも、もっとTHE BEACHESに売れてほしいね。俺を売ったら滅茶苦茶面白いことするよって(笑)。そこはもっと頑張りたい。

-何故THE BEACHESはこういうルーツを辿っていくビートを取り入れようと思ったのでしょうか?単純に面白いからというのが根底にあるとは思うのですが。

身近にあったからだと思うんだよね。今までだったら探すのに苦労してきた音楽も、今はネットですぐ聴けるし。日本に関してもこういうビートを出しているバンドはいっぱいいる。
ただ、いるんだけど、みんなポップスには向かっていかないんだよね。あまりにも大きいシーンに対するファックな気持ちが大きくて。俺達にもその気持ちが多少はあるにせよ、俺達はもっと欲張りなんだ。
なんかよくあるんだよ。こういうバンドと一緒にやってたらダサイとかさ、逆にかっこいいとか。俺はそんなのどうでもいいんだよね。

-THE BEACHESに対してちょっと小難しいイメージを持っている人が多いじゃないかなって感じるんですよ。ちょっと取っ付きにくいイメージを持たれちゃっているというか。多分メディアで紹介される時に一般のリスナーに馴染みのない言葉が並んでいるからだと思うのですが。バンド側は凄く面白いことをやっていますが、初めて聴くというリスナー側は小難しく考えて入る必要はないと思うんです。というわけで、初めてTHE BEACHESを聴く人のために何かメッセージをお願いします。

まぁ、『Hi Heel』を買ってみて、1曲目を聴いたらビビるかもしれないけど(笑)。ライヴに遊びに行っても大丈夫なのかな?みたいな(笑)。その一歩が大きかったりするんだけど。THE BEACHESは全然敷居も高くないし、来てくれたら絶対楽しめるライヴをしていると思う。そこの壁を壊すには、もうライヴやっていくしかない。みんなにも是非遊びに来てもらいたいです。