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INTERVIEW

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EBONY BONES!

EBONY BONES!

Member:EBONY BONES

Interviewer:榎山 朝彦  TRANSLATOR:原口 美穂


-基本的に、トラックはEBONYひとりの手によって制作されているようですね。アーティストからのトラック提供を受けて、そこにEBONYが歌を乗せるといったコラボレーションは、今後考えられますか?

うーん、多分ね。今回の作品も、別にプロデューサーを使うことを拒否してたってわけじゃないのよ。ただ最適の人を見つけられなかっただけ。そういう点では、音楽って他のアートと同じだと思うの。音楽もアートも、スピリチュアルなものが繋がり合うことによって出来上がるものでしょ。プロデューサーって、自分にちゃんと合った人を見つけないと、その音楽が自分の音楽ではなくなって、そのプロデューサーのサウンドになってしまうと思うのよね。たまにある音楽を聴いたら、あ、コレきっとあのプロデューサーが手がけたんだなって人々が気づくほど自分のカラーが強いプロデューサーもいるでしょ?それって、結局そのサウンドは、アーティストじゃなくてプロデューサーの作品ってことになってしまうわよね。でも私はやっぱり自分のサウンドを、私自身を映し出す鏡のようなものにしたいの。もしそれが保たれるなら、いつか是非プロデューサーを迎えてみたいと思ってるわ。でも任せっきりではなくて、自分もプロデュースに関わることは確かね。共同作業みたいにできればいいなと思ってるわ。

-楽器も自分で演奏して作ったんですか?

レコーディングの時は、自分で演奏したの。いくつかのトラックでは、バンドメンバーにギターやドラムをお願いしたけどね。でも彼らには主にライブ・ステージで演奏してもらうの。レコーディングはEBONY BONES!一人だけ、そしてライヴはEBONY BONES !&フレンズって感じかな。私にとって、音楽づくりはセラピーみたいなものなのよ。子供が何にも気にせず自由に演奏して遊べる音楽ブースにいるみたいな感じ。決められたルールの中で音楽を作るんじゃなくて、自分で色々なものを発見しながら作業を進めていくのって、すごくエキサイティングよ。

-ライヴは大編成で、まるでカーニバルのような空間を作り出していると言われています。中にはアマチュア・ミュージシャンも起用しているようですが、それはなぜですか?

そうなの。誰ひとりとしてプロのミュージシャンはいないわ。私たちは、ルールなんて気にせずにフィーリングに従って音楽をやってるの。それがホントのパンクでしょ?パンクって、今どきのラジオの音楽や、最近のお金儲けだけを目的にした業界にウンザリしてる人達の集まりなのよ。ギターなんかプレイできなくたって、どうにか鳴らせばいいの。人ってそういうものこそちゃんと聴いてくれるんだから。だってそういう音の方が、もっとパワフルだし気持ちがこもってるんだもの。バンドメンバーはみんな私の友達。楽器の演奏の仕方を全然知らなかったメンバーだっているわ。しかも私以外、ロンドン出身の子は一人もいないの。ギタリストは日本人だし、ドラマーはメキシコ出身、バックシンガーの一人はナイジェリア出身だし、もうひとりはバーミンガム生まれ。キーボードを担当してる子はヨークシャー出身よ。色んな国や地方の人たちがいて面白いでしょ。私たちはみんな同じ思いを持っていて、メディアが世界を十分に伝えきれてないと感じているの。ヨーロッパの映画やテレビでも、色々な人種や文化がもっと映し出されるべきだと思うわ。だってロンドンのような都市では、実際そういった色んな人々が一緒になって暮らしてるじゃない?こういう意見を持ってるのって、私だけじゃないはずよ。

-最後に、FUJI ROCK FESTIVALの出演が決定しましたね。ついにEBONYのカーニバル・ショウを日本で体験することができ、とても嬉しく思います。FUJI ROCK FESTIVALは知っていましたか?日本に対する印象も含め、教えてください。

もちろんよ!グラストンベリーと同じくらいビッグよね。日本には、10代の時に一人で行ったことがあるの。すごく楽しかった!友達もできたのよ。最高だったわ。ロンドンっていうか、アメリカなんかに比べると、日本人って自由に自分を表現してるなって思った。特にファッションやアートを通してね。人が何を言うかなんて気にせず、着たいものを着てるように見えたわ。もちろん全員がってわけではないんでしょうけど、私の行動範囲だった渋谷や新宿、原宿ではそういう人々を見かけたの。3つとも全然違う場所だったけどね。特に新宿は違ってた。日本での時間はすごく充実してたわね。孤独なんて最初の1分しか感じなかったわ。
FUJI ROCKFESTIVALでは、皆がショーを見に来てくれたら嬉しいわ。楽しみにしてるわね!