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CNBLUE

 

CNBLUE

Writer :山本 真由

今や世界のポップ・ミュージック市場を席巻しているK-POP。そのイメージから、"韓国と言えばダンス・ヴォーカル・グループ"という印象が強い。しかしながら、そんな韓国にもロック・ミュージックを主軸とした本格的なバンド・スタイルで活躍するアーティストがいる。それがこのCNBLUEだ。もともと、"バンド文化が根付いている日本で経験を積みたい"、という思いがあって日本のマーケットを意識した活動をしていた彼等。2011年に日本デビューし、その後まもなくLINKIN PARKの来日公演でオープニング・アクトとして出演している。そして、さらには"COUNTDOWN JAPAN"フェスにも出演。ハードなオルタナティヴ・ロックから、甘めなポップ・ミュージック寄りの楽曲まで、器用にこなす実力派な面はもちろんのこと、メンバー全員長身モデル体型の美形ということで、ルックス的なカリスマもあったことで、人気は爆発。日本でも横浜アリーナや代々木競技場 第一体育館等、大箱を埋める人気アーティストへと一気に成長する。

しかし、韓国のアーティストにはどうしても兵役で活動を休止しなければならない期間がある。CNBLUEも例外ではない。しかもライヴ活動の再開時期が2020年、不運にもパンデミックが世界を襲い始めた時期と重なってしまったのだ。そんな困難を乗り越え、2022年にはシングル『LET IT SHINE』をリリースし、日本でのライヴも再開。翌年には、ファンとの距離をより近くに感じたいという彼等の希望から実現したZeppツアー"CNBLUE ZEPP TOUR 2023 ~CALLING~"も行うことができた。そして同年10月には、約6年ぶりとなるアルバム『PLEASURES』をリリース。パワーアップした楽曲を携え、日本でのリリース・ツアー"CNBLUE AUTUMN CONCERT 2023 ~PLEASURES~"も敢行した。

そして今年2024年、6月15日と7月27日に日韓で開催された、日本のUVERworldとの対バン・ライヴ・イベント"UVERworld & CNBLUE SUMMER LIVE IN JAPAN and KOREA ~UNLIMITED CHALLENGE~"。対バン企画は今回が初めてということもあり、これまではあまり両バンドの接点を感じなかったというファンも多いだろう。しかし、"初めて会ったときに、驚く程共通点が多くて意気投合した"というUVERworldのTAKUYA∞(Vo)とCNBLUEのヨンファ。心のこもったオーディエンスとのコミュニケーションや、エンターテイナーとしてのストイックさ等、ライヴに対する向き合い方にも共通点がある。この対バン・ライヴによって、バンド同士の絆が強固になっただけでなく、BOICE(※CNBLUEファンの通称)とcrew(※UVERworldファンの通称)の一体感も生まれたはずだ。

そんな経緯もあり、この対バン・ライヴに手応えを感じたCNBLUEは今作、約2年ぶりのシングルで盟友、UVERworldと再びタッグを組んだ。今回のシングル『人生賛歌』では、初の日本語タイトルとなった表題曲と、カップリング曲2曲を合わせた3曲を収録。表題曲の「人生賛歌」は、タイトルの通り人生の美しさを歌ったハッピーなナンバー。ピアノをメインに、洗練されたポップ・サウンドに仕上げている。Official髭男dism等の爽やかなロックが好みの方には間違いなく刺さる1曲だ。

CNBLUE - 人生賛歌【Official Music Video】

そして盟友 UVERworldのフロントマン、TAKUYA∞との共作楽曲「Countdown feat. TAKUYA∞ from UVERworld」。作詞作曲の共作というだけでなく、ゲスト・ヴォーカルとしてもTAKUYA∞が参加している。この楽曲を聴いて、まず驚くのがヨンファとTAKUYA∞の声の相性の良さ。ふたりが交互に歌うパートも一緒に歌うコーラスも、本当に旧知の友といった雰囲気で、声のピッチや抑揚の付け方等、まるでお互いにアイコンタクトしながら一緒に歌っているように息ピッタリなのだ。それだけでなく、この楽曲最大の魅力はやはり、ライヴでの演奏が目に浮かぶ高揚感のある曲構成だろう。ミドル・テンポの乗りやすいリズム、サビ前の盛り上げ方、華やかなアレンジ。これは間違いなくCNBLUEの新たなライヴ・アンセムになる。また、これは両バンドの友情を象徴するように友達について歌った楽曲なのだが、本当に上手い具合にCNBLUEとUVERworldの個性が1曲のなかにまとまっていて、お互いのリスペクトが感じられる1曲になっている。ライヴではぜひTAKUYA∞との共演で披露してほしい。

CNBLUE - Countdown (feat. TAKUYA∞ from UVERworld)【Official Lyric Video】

さらに、続く3曲目の「Magic Hour」は、MAROON 5あたりの洋楽好きならハマるだろう爽やかなポップ・ロック。他の2曲とはまた違った雰囲気のグルーヴがあって、大人なポップ・ナンバーでもある。今回の収録曲は、3曲とも違うアプローチで、CNBLUEの様々な面を一気に見せてもらうような情報量の多さだが、3曲とも日本語詞と英語詞の絶妙なバランスで歌が耳にスッと入ってきて、あっという間に聴き終えてしまい、繰り返し聴きたくなるようなカジュアルさもある。
そして、そんな珠玉の3曲を味わった後には、彼等の真骨頂であるライヴ・パフォーマンスを楽しむ機会が用意されている。今作を引っ提げ、11月には来日ツアー "2024 CNBLUE AUTUMN TOUR ~ LIFE ANTHEM ~" が決定。新曲の披露にも期待だ。UVERworldとの対バンでも証明されたが、ソフトでノりやすいCNBLUEのポップ・ロックは、バキバキのEDMやヒップホップに慣れきったK-POP界隈よりも、むしろ日本のロック・シーンでこそ受け入れられるのかもしれない。挑戦と発展を続けるCNBLUEの今後の展開にも要注目だ。



▼リリース情報
CNBLUE
NEW SINGLE
『人生賛歌』
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