Overseas
PET SHOP BOYS
2013年07月号掲載
Writer 吉村 栄一
PET SHOP BOYSの新作は、まさに世界のファンが待っていた会心作!
デビュー以来、30年近く所属していたParlophone Recordsを離れ、心機一転して新しい世界に踏み出したPET SHOP BOYS。自らが立ち上げたレーベルからリリースされる最新作『Electric』は、近年にない、PET SHOP BOYSならではのメロディとグルーヴが完璧に融合した会心作となった。
前作『Elysium』がかなり内省的で、しっとりと落ち着いた作品であったのに対し、本作は徹底的にアッパーでポップなダンス・アルバムになっている。
そんな本作誕生のもともとのきっかけとなったのは、『Elysium』制作中にできた「Axis」や「Vocal」という本作に収録されることになる楽曲だった。本作の冒頭曲で、アルバムの予告としていち早くネットで公開されたエレクトロニックなダンス・チューンの「Axis」は、PET SHOP BOYSがベルリンに滞在中に訪れたクラブで聴いたイタロ・ディスコ(1970〜80年代にイタリアで生まれたエレクトリックなディスコ・チューン)にインスパイアされた曲だという。
“あそこでイタロ・ディスコの官能性をあらためて感じて、それがこの曲のインスピレーションになったんだよ”(Chris Lowe)『Elysium』の路線とはちょっと離れたこの曲が出来たことで、PET SHOP BOYSは、『Elysium』とはちがうダンス・アルバムを作ろうと決意したという。
“それでも、最初はダンス・チューンを集めたミニ・アルバムを作ろうぐらいな気持ちだった。ところが曲がどんどん出来てしまい、Stuart Priceとの共同作業もびっくりするぐらい相性がよく進んで、いつのまにか全9曲のフル・アルバムになってしまったんだ”
(Neil Tennant)
PET SHOP BOYSはもともとダンス・アルバムを作ることが大好きで、これまで多くの作品をリリースしている。しかし、そうした作品のほとんどはリミックス・ヴァージョンを集めたコンピレーションで、オリジナル・アルバムとしてのダンス・ミュージックに特化したものは本作が初めてと言っていいかもしれない。
PET SHOP BOYSにとって、ダンス・ミュージックは魔法の音楽だ。
“ダンス・ミュージックは反復の音楽なんだ。すぐれたダンス・ミュージックはみな反復の中に魔法がある。とてもシンプルだけど、ちょっとしたさじ加減、バランス配分で魔法はすぐにどこかに行ってしまう” (Chris Lowe)
「Axis」を始めとする本作のダンス・チューンは、シンプルなフレーズの反復によって、踊らずにいられない、まさに魔法の官能性に満ち溢れている。
その魔法を産みだす手助けをしたのが、プロデューサーとして起用されたStuart Price。
Priceは90年代からJacques Lu Contなどさまざまな名義で活動してきたテクノ、ハウス系のクリエイターだが、プロデューサーとしてもMADONNAの『Confessions On A Dance Floor』(2005)など(今回PET SHOP BOYSが狙ったような)ダンス・アルバムを多く手掛けてきている。
PriceはPET SHOP BOYSとは、以前からツアーのミュージック・ディレクターとして、あるいはシングル曲のリミキサーとして長年の交流があり、今回ダンス・アルバムを制作するとなって、いよいよアルバムのプロデュースを依頼されたとのことだ。
これはPriceにとっても本当に喜びだったようで、通常のアーティストとプロデューサーの関係の枠を超えて、まさに共同作業と表現するにふさわしい濃密なコラボレーションとなった。
“最初にデモ・テープを聴いた時点で、このアルバムはすでに雰囲気や方向性などがはっきりしている感じだった。これはテクノとディスコ・ミュージックのすばらしい出会いになるぞ!世界のDJたちにクラブでヘヴィ・プレイされる作品になるぞって思ったね”(Stuart Price)
本作の目玉の1曲でもある、EXAMPLEとの共演曲の「Thursday」の誕生も、もともとはStuart Priceの独断のアイデアでEXAMPLEとの共演を実現させたとのこと。
“EXAMPLEとPET SHOP BOYSって、ちょっと意外な組み合わせかもしれないけど、僕はけっこう合うんじゃないかなと感じてスタジオに呼んだんだ。もしやってみて合わなかったらボツにすればいいだけだし(笑)” (Stuart Price)
その他、ヴィンテージ・シンセサイザーを探しだしてきてはオールド・スクールのテクノ・ポップ的なフレーズを曲に加えてみたりと、まさに第3のメンバー的な活躍をしている。
そして、インタビューでそれを語るPriceのなんと楽しそうなことか。
すでにアルバム発売に先駆けたツアーで披露されて話題の、Bruce Springsteenのカヴァー「The Last To Die」という意外な選曲についても、Chris Loweの妹がSpringsteenの原曲に感動して、PET SHOP BOYSに聴かせたところ、カヴァーをする運びになったということ。そのあたりからも彼らがこのアルバム作りを心から楽しみ、リラックスして制作したことが分かる。
そう、アーティストとプロデューサーの双方が、仕事の枠を超えて単なる音楽マニアとして嬉々として作業をしている、そんな楽しい風景がこのアルバムを聴いていると見えてくるのだ。
PET SHOP BOYSはロンドンで、Priceはロサンゼルスでと、距離と時差を伴った共同作業だったが、ロンドンで制作されたトラックやデータが、PET SHOP BOYSが寝ている間にロスでPriceによって作業され、ロンドンが目覚めた頃にロスからデータが帰ってきているという、逆に効率よく24時間態勢で制作が進んだことも、このアルバムの勢いのよさとフレッシュさに繋がったのだろう。
昨年のロンドン・オリンピックの会場で、十数万人の観衆と、テレビやネットを通じて世界の数億人を前に歌ったことで、最高にハッピーな気分になったという2人は、その多幸感を、クラブのフロアでの楽しい盛り上がりにも重ねてみたのだろう。
このアルバムを作っているとき、彼らはこんなことを思っていたそうだ。
“とても濃密で楽しかった、90年代初頭のクラブのフロアの光景を思い出していたんだ。フロアでたくさんの友達に囲まれて、盛り上がっているあのときに、『Electric』の曲がかかっていたらという想像をしながらね” (Neil Tennant)
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