Japanese
thatta
2013年06月号掲載
Writer 天野 史彬
音がセックスしている。ガッツリと腰にクるダンス・グルーヴというベッドの上で、ギターとシンセサイザーが一戦交えている――と、いきなり安っぽい官能小説のような書き出しで始めてしまったが、これはもちろん性交の話ではない。音の話だ。音楽というコミュニケーションの話であり、音楽という政治の話であり、音楽という恋愛の話だ。そしてつまるところ、thattaの2ndミニ・アルバム『BOYS BE COMMERCIAL!』がどうにも素晴らしいという話なのである。なんのこっちゃと思われそうだが、とにかく、6月5日にリリースされたthattaの『BOYS BE COMMERCIAL!』を聴いてみてほしい。ダンス・ロックで熱く踊りたい人、そしてサイケデリック・ロックで“あっち側”にトリップしたい人、そういう人たちは迷わず聴いたほうがいい。しかしそんなジャンル云々は関係なくとも、音楽と本気でコミュニケートしたい人に是非とも聴いてもらいたい。きっとあなたは、thattaの鳴らす最高のサイケデリック・ダンス・ロックに飲み込まれながら、その“音”と身体の芯から交わり、繋がるだろう。音楽と会話をし、音楽に恋をするだろう。
thattaは、都内を拠点に活動する5ピース・バンドだ。結成は2006年、何度かのメンバー・チェンジや少々の活動休止期間などを挟みながらも、地方でのライヴ、The Flickersとのツアー、来日バンドのサポート・アクトなどを務め、着実に自分たちのペースで活動を続けてきた。そして、2011年に1stミニ・アルバム『Viva la Majority』をリリース。翌年には同作品の全国流通を開始させその活動の勢いを加速させつつ、今年、本作『BOYS BE COMMERCIAL!』のリリースに至ったわけだが、この『BOYS BE COMMERCIAL!』が、バンドのポテンシャルの高さを見せつける本当に素晴らしい傑作なのだ。
まず、アルバム冒頭の不穏なサンプリング・トラック「Overture」が聴こえてきた瞬間、このバンドが混沌を、猥雑を、享楽を如何に愛しているかがよくわかる。そして実質的1曲目のTrack.2「March of the blind」が始まれば、一気にthattaの作り出すヘヴィかつグルーヴィな音の渦に巻き込まれていく。90年代のマッドチェスターと60年代のサイケデリック・ガレージがミックスされたような、ビッグなスケール感のサイケデリック・ダンス・ロック。ロックンロールの歴史において、社会を逸脱した若者たちが鳴らしてきた音の数々を2013年の日本の若者がアップデートし鳴らしているという時点で既に感動的だが、このダイナミックに咆哮するギターとレトロな質感のシンセサイザーの絡みはもっと感動的だ。続く「Pop song」では、そのヘヴィなグルーヴはさらにガレージ感を増していく。そしてTrack.4の「Tweet honey」では一転、切なくも優しげなシンセの音色と歌が聴き手を包み込む爽やかなポップ・チューンを聴かせ、その後に続く「55」ではムーディーなダンス・ロックを、「Sleepy election」ではギターがバーストしノイズ全開。そして、2曲立て続けにリミックス曲を収録することで、アルバムのトーンを落ち着けながらも、ガレージ感を一気に払拭し、バンドのロマンティックなダンス・フィールを抽出してみせる。そしてアルバムの最後を飾る「Highest」では、シンセが奏でるドラマチックなメロディに乗せて高揚感のある感動的なエンディングを迎える……と、サイケデリック・ガレージとダンス・ロックを基本軸としながらも、一筋縄ではいかない様々な表情を、この1枚のミニ・アルバムの中で見せている。
thattaの音楽はとてもロマンティックだ。それは、この音楽の中に音と音が、楽器と楽器が、人と音楽がぶつかり合いながらコミュニケーションしている姿が見えてくるからだ。音と音の間にある政治、音と音の間にある恋愛――そういったものが、thattaの唯一無二のグルーヴを生んでいるし、それは、聴き手であるあなたをも巻き込んでいくだろう。自分のことしか考えられない人間の作る音楽からは、結局その分の熱量と喜びしか得られないが、thattaの音楽には、音と戯れる喜びと、それを聴き手とわかち合う喜びが溢れてくる。だから、どれだけディープな音像を鳴らしても、密室感や閉塞感はない。開放感と高揚感に溢れている。今、でっかい音で聴きたいのはこういう音楽だ。今年の夏は『BOYS BE COMMERCIAL!』と共に過ごすことになるだろう。今年の夏も熱くなりそうだ。
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