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Japanese

Skream! EXPO-04-

2012年04月号掲載

Skream! EXPO-04-

Writer TETU★KID

(L→R) Ko-hey(99RadioService) 金廣 真悟(グッドモーニングアメリカ) 谷川 正憲

-Skream EXPO-04- 、ご出演頂きまして、ありがとうございます。毎回、誌面とWEBと連動したイベントで、過去には8ottoやVeni Vidi Vicious、WHITE ASHにも出て頂いております。今回は4回目になるんですが、皆さんは初対面ですか?

谷川:初対面ですね。

-対バンもしたことはないですか?

Ko-hey:ないですね。

金廣:多分、ないです。

-なるほど、4、5バンドくらいで集まって、という形式ではないということですか?

谷川:そうですね。

-皆さんのご出身はどちらなんでしょうか?

谷川:京都です。

金廣:宮崎です。

Ko-hey:僕は下北沢です。

-では、皆さんの地元とは別に、バンドを結成されたのはどちらなんでしょうか?

谷川:地元、京都ですね。

金廣:八王子です。

Ko-hey:地元です。メンバーも、兄貴と地元のみんななので。

谷川:(金廣に向かって)なんで八王子なんですか?

金廣:親が転勤族だったんです。高校が今のバンドの皆と一緒で。ドラムだけ後から入ったので別なんですけど、前列3人が同じ高校だったんです。同級生でTOTALFATもいるんです。先にTOTALFATがやっていて、それがたまたま八王子だったので八王子でやることになりました。

-どういう繋がりがあったんですか?

谷川:大阪に新神楽という小さなライヴハウスがありまして、そこにTOTALFATが出たとき、対バンしてもらっていました。10年くらい前なんですけど。

金廣:そのとき、多分一緒に行ってます。

谷川:あら!

金廣:大体(TOTALFATと)一緒に行ってますね、新神楽は。

-なるほど。

谷川:ちなみに、“ちはやふる”というアニメを観ています!

Ko-hey:マジですか!?(99RadioServiceの「YOUTHFUL」がアニメのオープニングテーマになっている)

-僕も観ています(笑)。

谷川:オープニング・テーマ、ね。

金廣:あっ、そうなんですか!?じゃあ、僕も観なきゃ……。

 一同:(笑)

谷川:めっちゃ面白いですね、アレ!

金廣:え、どういう内容なんですか?

Ko-hey:“かるた”の漫画なんですけど。

金廣:かるた!?

谷川:“青春かるた漫画”ですね。

Ko-hey:内容はすごいスポ根なんですけど少女漫画、っていう異色な。

金廣:へえー! 気になるので、観てみます!

谷川:(放送が)夜の1時くらいですよね。

Ko-hey:でも、東京での放送が3月で終わっちゃうんですよね。

谷川:そうなんですか?

Ko-hey:大阪や広島ではもうちょっとやるみたいなんですけど。

-終電で家に帰ると、ちょうど観られるんですよね。

Ko-hey:時間的にそうなんですよね。

谷川:あれ、やってみたいですよね。

Ko-hey:ああ、やったんですよ俺!

谷川:ええっ!?

Ko-hey:取材の中で組まれていて。東京大学や早稲田大学のかるた部がすごい集まってやったんですけど、1枚も取れない(笑)。普通にやったら全く取れなくて“決まり字”だけ教えてもらって10枚でやらせてもらったんです。そしたら1枚だけ取れて。1枚だけ取れたら勝ちっていうルールだったんですけど。

金廣:百人一首ですよね?

Ko-hey:百人一首です。

金廣:じゃあ、上の句を読んで下の句が分かっていないと取れないですよね?

谷川:そうそう。

Ko-hey:上の句の、1文字目だけ教えてもらって、それを10枚覚えてやったんですけど。でも、1文字目で取られちゃうんです。例えば、さ行の“すっ……”っていう音だけで取られるんですよ。

金廣:子音だけで分かるんだ、すげえ……!

谷川:ホンマにそういうのあるんですね、アニメだけじゃなくて。

Ko-hey:アニメより速いです(笑)。

-皆さんがバンドを始めたきっかけはどういったものだったんでしょうか? 憧れたバンドがいたとか、最初、実はヴォーカルではなかったとか、その原点について伺ってよろしいでしょうか。

谷川:ウチは、メンバーによっては地元の保育所からずっと一緒で。中学校のときから、現在のあのメンバーでずっと一緒なんです。俺以外が先にやっていてヴォーカルが他にいたんですけど、そのヴォーカルがすごいヘタクソやったんです(笑)。それで、皆と仲が良かったというのもあって(バンドを)やってみたというのがきっかけです。それからずっと16年間一緒ですね。

Ko-hey:ウチのバンドもそれに近いです。中学校と高校の同級生なので。最近ベースが抜けて、それでサポートのメンバーが入ったんです。それも、その兄ちゃんが俺と同じ高校で、という繋がりがあって。なので、小中高の同級生と兄貴、という連中で組んだという感じです。

谷川:その(結成の)ときに、近所にコンビニがあったワケですよね? 東京で。

Ko-hey:そうですね。

谷川:俺の地元とか……スーパーが近所に一軒あったらいいっていうくらいの、24時くらいまで空いていればいいっていう感じのところで。多分同じくらい(の世代)なんですけど、環境がもうね、“音楽できねぇじゃん”っていう環境なので。ライヴハウスもスタジオも無いですし。だから、皆さんどんな感じだったんだろうって、興味ありますね。

Ko-hey:逆に、俺たちの場合、下北沢とかだと(場所が)ありすぎていて別になんとも思わないというか、“近すぎて見えない”みたいな(笑)。という感じだったので、ライヴとかを始めたのも高校を卒業してからです。遊びというか学園祭みたいな、ああいうイベントはやっていましたけど。コピー・バンドとか。

金廣:一番最初に組んだのを今もずっと続けてるんですか?

Ko-hey:もともと今のキーボードとドラムと一緒に中学校でバンドをやっていて、それから高校のときにコピーをやって遊んでいて……それで卒業してから、だんだんメンバーが増えていった、という。兄貴がいきなり“俺に曲書かせろ!”って言い出したりして(笑)。

金廣:OASISみたいじゃないですか!

 一同:(笑)。

Ko-hey:そうなんです。だからほぼメンバーは変わっていないので、はじめのバンドが今のバンド、ですね。
金廣:俺、今のバンドがfor better,for worseから名前を変えて。メンバーは前とほぼ一緒なんですけど。その前に3つバンドをやっていて、東京の府中に引っ越してきたばっかりの頃に現QUATTROのヴォーカル(岩本 岳志氏)と、現The Mirrazのベース(中島 慶三氏)と組んだのが最初ですね。

Ko-hey:へえー!そのときのパートは何だったんですか?

金廣:ピンのヴォーカルで。ギターが3人いて(笑)、俺がヴォーカルで、ベース、ドラム。ギターと、今のQUATTROのヴォーカルと2人で曲を作って。それでライヴをするってことはなかったんですけど、“高校に入ったらライヴもしたいね”みたいなことは話していて。でも俺が違う高校だったので、あっちはあっちで別のバンドを組んで、俺は俺でfor better,for worseとは違うバンドを組んで八王子でやっていました。それで、そこから“ツアー回る、CDを出す”ということになって、“大学もあるしどうしようか”と話しているときにあっち(for better,for worse)に誘われたので“あ、じゃあ行きまーす”と(笑)。それでfor better, for worseを始めました。

Ko-hey:そういうドラマって、羨ましいですよね(笑)。

谷川:羨ましいですね(笑)。

金廣:いやいや、長い方がいいじゃないですか(笑)。

谷川:もう、ライヴハウスがあったこと自体が、もう。

 一同:(笑)

谷川:たとえば、こういうBar(取材場所:Bar Rockaholic)を貸し切りして、PAさんを呼んできて、アンプを自分で持ってきて、ステージも箱馬(※撮影等で、足場や高さ調整によく用いられる木の箱のこと)っていうのを役場から借りてきて組んでやってましたからね。

金廣:すごい。

Ko-hey:けっこう力使いますね。

金廣:それは、どれくらいの歳からやっていたんですか?

谷川:中学校のときもやっていたんですけど、本格的にやったのは高校生のときからです。めっちゃ手作りのライヴを、3カ月にいっぺんくらい。

金廣:すげー……。普通にブッキングで1回やるのとは、それは違いますね。

谷川:こっちに来たとき、衝撃でしたよ。“え、何にもしなくていいの?”って。

Ko-hey:俺たちも、そういう感じの……ボウリング場でライヴをやったんです。

金廣:ああ!“笹塚ボウル”ね!

Ko-hey:そうですそうです! 笹塚ボウルで、自分たちで音響入れて、どうしてもレーンの上でライヴをやりたくて。でもレーンの上って直接楽器を置けないので、そこに台を組んでもらって、ステージを作って、それでそのときに“もう、二度とやらない!”って(笑)。

金廣:何レーンくらい?全部貸し切ったんですか?

Ko-hey:12レーンくらいあるんですけど、そのうち4レーンくらいをつぶして、周りではボウリングをやってもらって(笑)。その画が面白いと思ったんですけど、その映像を撮り忘れるという……。

 一同:(爆笑)。

谷川:面白いですねー!

Ko-hey:面白かったです。すごい静かな、俺だけ歌うところとかで“……カッコーン!!”みたいな(笑)。“うるせー!”って(笑)。

金廣:この間、その話を聞いたんですよ。笹塚の前を通るときに。ああ、すげえって思って。

Ko-hey:楽しかったですねえ。

谷川:伝説じゃないですか。

Ko-hey:でも、笹塚ボウルでっていうのが、俺たちがやってから多いらしいんです。何レーンか貸し切ってっていうのをやり始めて。

-では、3人とも最初からずっとヴォーカルというのは変わらず、ですか?

谷川:そうですね。

Ko-hey:でも俺は最初ベース&ヴォーカルでした。俺、難波さん(難波 章浩氏/Hi-STANDARD)がすごい好きで、楽器を持ち始めたときに“ベースがいいな”と思ってベースを始めて。そしたらちょうどハイスタがブームのときで、映像を観て“やべえな、ついでに歌っちゃおう!”と。それでやっていたんですけど、“弾きながら歌えないな”というのに高校を卒業したら気付いて(笑)。それでギターを始めたんです。

谷川:やっぱり、ハイスタはみんな好きですよね。

金廣:俺は、後なんです。高校で皆がメロコア聴いてるから俺も聴いてたっていうくらいで。どちらかと言えばブリティッシュの方を聴いていましたね。

Ko-hey:そうなんですか。ハイスタは……好きですね。

谷川:ハイスタは全曲出来ましたね、高校のとき。

金廣:へぇー!すごい!

-今は、全員ギター&ヴォーカルですよね。ちなみに、いまギターは何を使っているんでしょうか。

谷川:僕は、Fenderのthinlineのやつですね。

Ko-hey:僕も一緒です。

金廣:僕はレスポールのカスタムだから、めっちゃ重いんです(笑)。

Ko-hey:Fenderのthinlineって、俗称で“ヴォーカル・ギター”と言われているので、それだけで買ったんですけど(笑)。

谷川:そうなんですか?全く知らなかったです(笑)。とりあえずホロウボディが好きで、あまり抜けない、温かい曖昧な音なんですけど、そういうのばっかり好きになっちゃう……。335(※ギブソンのES-335)買うか、どっちにしようかなっていう感じでしたね。

Ko-hey:ああ、俺もそうですね。うちのバンド名が“99RadioService”なんですけど、99のところを“Fender”に変えると“Fender RadioService”っていう、レオ・フェンダー(Fender Musical instruments の創業者)が一番始めにラジオ修理会社みたいなことをしていたときの名前になるんです。俺がFender好きで、それでつけた名前だったので335は買えなかったんですよ(笑)。

-なるほど(笑)。 ギブソンになっちゃいますもんね。

Ko-hey:そうなんです。この間有線の番組でギタリストのよっちゃん、野村義男さんとお会いしたときにその話をしたら、“レオ・フェンダーってギター弾けなかったんだよ?”って言われて、“あ、ちょっと違かったかな?”って(笑)。

 一同:(笑)

-バンド名の話が出ましたが、バンド名の由来をお聞きしてもいいですか?

谷川:ウチはUNCHAINと申しますけれども(笑)。漫画好きの方は『バキ』という作品をご存知かと思うんですが、それにアンチェインという人物が出てきまして。(※ビスケット・オリバという登場人物がミスター・アンチェイン=繋がれざる者という異名をとる)

-ああ!

谷川:まあそれとは関係ないということにはしてあるんですけど(笑)、それと併せて、レイ・チャールズの「Unchain My Heart」。もうひとつが『アンチェイン』っていう映画がありまして、他に『空中庭園』っていう作品とかも撮っている豊田利晃監督の映画なんです。その『アンチェイン』というのが、アンチェイン梶という昔いたボクサーのドキュメントで。アンチェイン梶、というのがリング・ネームで一回も勝てなかったボクサーなんですけど、最後は精神的に追い込まれて引退していく話なんです。そのアンチェイン梶という名前も、レイ・チャールズの「Unchain My Heart」から取っていて。“心の鎖を解き放て”っていうことで、“ウチらはものすごい人見知りだなあ、心の鎖を解き放てよ” と、そういうことです。人見知りをなくそうぜ!っていう感じですね。

-グッドモーニングアメリカさんはいかがですか?

金廣:僕らは、本当に意味がなくて。バンドをやっていた友達がそのサブ・バンドで付けようとしていた名前が“ザ・グッドモーニングアメリカ”で、“THE GET UP KIDSみたいにしたい”と言っていたのを聞いていたんです。それでちょうど前のバンドから名前を変えようとしていた時期で、前がfor better,foe worseっていう長くて面倒な名前だったので“今度は覚えやすいのがいいな”と思ったときにその名前があったので、“くれ!”と(笑)。ちゃんと了承をとって、それで“ザ・”をつけるっていうのが必須条件だったんですけど、“ザ・”は速攻で取ってカタカナにしました(笑)。

-インパクトありますもんね。

谷川:アメリカへのカウンター・パンチ的な?

金廣:(その意味にする)のは、怖いなぁ(笑)。そういう意味にならなければいいかな、と思うんですけどね。

-本日はヴォーカルが3人いらっしゃるわけですが、楽器だけでなく己の肉体を商売道具として使う点での悩み等はありますか?

谷川:喉は強い方ですか?

金廣:全然強くないんです。最近、喋る声を小さくしてます。

谷川:僕も、自然となんですけど“声ちっちゃ……”って言われるんですよね。

Ko-hey:(金廣に)喋り声は小さい、ですよね。大きそうに見える(笑)。

金廣:(笑)。酒を飲むとガッ!となって危ないので、最近はこんな感じ(の声)で。

谷川:僕も昔は“声でかい、でかい”って言われていたんですけど、最近じゃすっかり(笑)。何か、ケアとかしてますか?

金廣:逆に、全くしないですね。

Ko-hey:最近、喉の痛みって鼻づまりから来るなって。寝ている間に口を開いてしまったりするので。『ハナクリーン』っていう、簡単な機器で“シューッ”っていうやつなんですけど、それをやってみたらすこぶる調子がいいですね。

谷川:鼻うがいがいい!って、椎名純平さんも言ってました(笑)。

金廣:鼻をシュッシュッってやるんですか?

Ko-hey:いまCMとかでやっているような商品の、もっとしっかりした版です。『ハナクリーンEX』っていうやつがあって(笑)。それぐらいですね。

金廣:マスクとかしちゃうと……。

谷川:逆に弱くなるでしょ?

金廣:そう、風邪を引いている感じになっちゃうので。自分が(笑)。風邪とか引いていないし、どこのライヴハウスへ行ってもマスクはしないです。

-“認めない!”と。

金廣:認めないです(笑)! 認めないし、平気!

谷川:でも、ケアしすぎると、というか(喉を)甘やかしすぎると、弱なるんですよ。昔は、のど飴を舐め続けるとかしてたんですけど。

金廣:うんうん。プロポリスのやつとか、何種類も買ってました。

谷川:そうすると、逆にすぐ傷むようになっちゃって。最近はとりあえず水を飲むってことくらいしかしていないです。

Ko-hey:何年か前に、『おもいっきりテレビ』で“ガムを噛むといい”っていうのを観てから、ガムを噛むようにしているんです。ガムを噛むと、あまり口を開かないですよね?だから温度が一定で、唾が出るから湿度も一定になる、というのを知って、ガムだけずっと噛むようにしてます。ガムが、今まで試した中では一番いい感じですね。

-ハチミツがいい、とかは話でよく聞きますが。

金廣:ああー。

Ko-hey:あれ、嘘じゃないかなって思うんですけどね(笑)!プロポリスとかですよね。

金廣:傷めているときにやったら、もっと悪くなっちゃいそう。

-なるほど。あまりケアし過ぎるというのもどうか、という感じなんですね。

Ko-hey:メンタル部分が一番大きいですね。弱気になっちゃうんです。

金廣:ほんとにそう。マスクは絶対にダメです!本当に風邪のときしか、ダメです。

谷川:タバコとお酒はいかがですか?

金廣:めっちゃ吸うし、めっちゃ飲みます(笑)。

Ko-hey:吸われないですか?

谷川:僕はタバコもお酒もだめですね。

Ko-hey:俺もお酒はダメなんですけど、タバコは何ともないですね。

金廣:……ほんと、ずっと飲んでるんですよね。朝の5時くらいまで(笑)。

谷川:朝5時までいったら、絶対歌えないですわ(笑)。

金廣:この間、アコギの弾き語りツアーを回ったんです。それで、色々な人と一緒だったんですけど、大体どこも朝5時半くらいまで。それでホテルに戻るんですけど、あんまり意味がない(笑)。その次の日もライヴして朝5時まで飲んで、それでチェック・アウトして……の繰り返しでした。皆、ヴォーカル同士の打ち上げなので、“ウワァー!”っていう打ち上げじゃないんです。こういう(背を丸めて小さくなる)感じで(笑)。

谷川:なるほど(笑)。慎ましい感じで。

金廣:なので喉が枯れることもなく、普通に普通に。

-Ko-heyさんはもともと飲めないんですか?

Ko-hey:飲めない! っていうこともないんですけど、強くないんです。酔う前に吐いちゃうっていう。ビールが本当にダメで、すぐに吐いちゃうんです。コーラの方が美味いじゃん!って。

金廣:俺は甘い物、食べないです。

Ko-hey:甘いのがダメな人って、損ですよね(笑)。

金廣:(お酒と)同じ同じ!まあ、お酒は別に飲めなくてもいいとは思うけど。甘い物は損してますねえ。

-バンドの中で、3人はどの様に曲作りには関わっているんでしょうか?

谷川:僕は、詞も曲も書いちゃう感じです。

金廣:ウチも同じです。詞も曲も、なんならアレンジもやってしまいます。

Ko-hey:ウチもそうですね。兄弟がメインで。

谷川:全部やっていると、一人でやってる気分になってきませんか?

金廣:それ、分かりますね。

Ko-hey:それですね。

谷川:さっきのヴォーカルの悩みの話じゃないですけど。

金廣:全くアレンジには関わらないですか?

谷川:関わってはいるんですけど、なんか“どっちでも、いいのかなっ?”ってなります(笑)。

金廣:俺はまず全部作ってきて、ドラムだけ“好きにしていいよ”って渡して。他はギターもベースも作るんです。

谷川:ウチも、俺が全部やって渡すんですけど、それも“任せますよ”って言うんですけど……あんまり変わってないです(笑)。

金廣:ああー、分かるなあ、それは。ちょっとヘコむんですけどね(笑)。ドラムはけっこうバーっと変えてくるんですが。

谷川:うんうん、そういうときに、たまーに“あぁ、なんか一人でやってんなぁ……”って(笑)。

-じゃあ、レコーディングのとき、最後まで一人で残ることもあるんですか?

谷川:他のメンバーはみんな、終電で帰りますね。いまウチにプロデューサーさんがいるんですけど、その人と二人で。

金廣:そうなっちゃいますよね。

Ko-hey:アレンジもそこでやっちゃうんですか?

谷川:アレンジも、けっこうやっちゃいますね。

Ko-hey:作詞とか作曲とか、自分でやって、それで“間違いない”と思って書くじゃないですか。“本当に間違いないのかな?”って思いませんか(笑)?

金廣:俺はけっこうその辺も言われるので、それは“そういう考え方もありますよね”っていう感じですね。

Ko-hey:でも、こっちは“間違いない”と思って書いているから、言われても折れられないというか。
谷川:そうですねえ。

金廣:え!俺はけっこう、すぐ折れます(笑)。

谷川:俺は臨機応変に(笑)。

Ko-hey:素晴らしいですね(笑)。

金廣:折れる曲と、折れられない部分、っていうのがありますね。

谷川:うん、曲の部分で、ですね。

Ko-hey:大人ですね。ウチはガチの兄弟喧嘩になってしまうので(笑)。どちらかが元ネタを持っていって、そこで“なんかここ、微妙じゃない?”って言われた瞬間に兄弟喧嘩が始まって。生活態度の話までいって“お前最近やけに偉そうだな”とか(笑)。

谷川:でもそれは兄弟ならではのっていう気がしますね。

-同じ日本のロック・シーンで活動されている中で、CDが売れない世の中になっていること、配信に移り変わってきている状況等、10年前に比べ音楽自身が大きく変わってきていると感じられると思います。その中で“やりにくさ”や、逆に“やっぱりこういうところは日本の音楽シーンの素晴らしさだ”と思うことはありますか?

谷川:けっこう漠然とした不安はありますね、俺は。昨今は先輩バンドが沢山解散していってるじゃないですか。“この人たちでやっていけないんだったら、俺らはやっていけるのかな”というのは思うんですけど。でも、音楽自体は衰退しているわけじゃなく、どんどん新しい事が出ているわけで。シーンとしては面白いと思うんですけどね。食っていけるかどうか、というか、食おうと思うかどうかというのは、もうそこ(音楽活動)とは別に考えた方がいいなと思うんですよね。

Ko-hey:バンドマンが食いづらいというか、バンドの評価っていますごく低いですよね、俺が率直に思うのは。R&Bに押されてる感じが、純粋にそこだけかなって気がします。それが色んなことに反映されているのかな、と。生っぽい音が今のニーズに少ないのかなっていう気がするし、じゃあ、それはやっているバンドのせいなのかなっていう気もするし。やりたいからやっている以上は、っていうところもありながら、リアルなところも考えながらっていう感じですね。

金廣:今のスタンスで続けていけるシステムを自分で考えようかなあ、とは思います。ちょうど3つ上の、同じギター・ロック・シーンの先輩と仲が良くて。その人たちがそれぞれのやり方でバンドを続ける方法を探しているので、そこから学んで、自分なりのことをやれたらなあ、とは思いますね。例えば、店をやったりとか。それこそ、ソロ活動でアコギ一本持ってバーッと回るとか。それだけでも、やっていくためだけのお金はできるし。もちろん、昔に比べての“バンド・バブル期”でバンドが所属しているからというだけでチヤホヤされる、という状況ではないと思うんですけど。俺らが曲を作った元ネタなのに俺らが潤っているわけでもなく、だからといってレーベルや事務所が潤っているわけではないけれど、お互いが恨み合わないで……。今まで、音楽をやっていたから“芸術家”みたいな感じでチヤホヤされていたのかなって。そうじゃなくて、普通の人間だよっていう感じになったのかなと思います。昔の芸術家と一緒で、音楽をやるだけでお金にならないんだったら、他の仕事をやればいいかなとは思うんです。

谷川:そうですよね。そうなっちゃいますよね。でもそれでいいんじゃないのかな、と思います。音楽ってもともとビジネスにするものだったのかな?って、俺は思っちゃいますけどね。

Ko-hey:俺はまだ夢を見てますけどね(笑)。

-なにか明確な目標というのはあるんでしょうか?

Ko-hey:なんでもそうなんですけど、娯楽といわれるものが“ムラ化”していると言われるじゃないですか。そういう風になっていくと言われてもなお、スターを目指しちゃうというのがあるんですけど。

谷川:目指したいですよ、そりゃ。いまポーン、と出たらそれこそめっちゃすごいですよね。この時代でドーン!といく人がもし現れたら。

Ko-hey:CDがどうのこうのとかは、どうでもいいというか。むしろ、僕はもっぱらアナログ派でCDすらもっていうところがあって。MP3とか……iPodとかも使わないであまりそれで聴いたことがないから何も言えないっていうのが実情なんですけど。CDの売り上げがどうのこうのっていうのも、皆いまそんな余裕はないですよねっていう風に思って。3.11の地震のときに、みんな考えたと思うんです、バンドやっている人とか音楽家とか芸術家とか。人の余裕の上に成り立っている職業が娯楽、ってすごく思って。むこうに行って歌うとか、色々考えるじゃないですか。無力感もあるじゃないですか。だから、そこ(CDの状況)に文句を言うっていうのは、もっとでかい“国の話”になっちゃう。そこがしっかり回らないなら、余裕は回らない、って。そんなことより、とにかくいい曲を書き続けるという方が、音楽家として理にかなっているかな、と思います。

-では最後に、4月21日にSkream! EXPOにて3バンドが初めて対バンするわけですが、それへの意気込みをお聞かせ願います。

谷川:3バンドが一緒にイベントを盛り上げるというか……お目当てのバンドが終わったら他は観ない、というお客さんもいらっしゃるじゃないですか。そういうのがないようなイベントというか。3バンドが3バンドとも刺激し合って全体が楽しいという、化学反応みたいなものが起こればいいなと思います。 金廣:初めて一緒にやるんですけど、名前も知っているし、お客さんも皆知っていると思うし初めて見る人でも興味があると思うんです。だから、初めて知り合った人と一つのハコの中でいいグルーヴというか楽しい空間を単純に作れて、“あのイベントよかったね”って自分たちも思えたらいいなと思いますね。

Ko-hey:(順番が回ってきて)……いやもう無いっすよ(笑)!

谷川:年齢的に、こう(Ko-heyから)行くべきでしたね(笑)。

Ko-hey:でも、ありそうでない3バンドっていうのがいいですよね。僕は2バンドとも知っていたので、“いつかやるかな、やってもおかしくないのにな”って。

谷川&金廣:……やりましょう(笑)!

-ありがとうございました!

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