Overseas
FOUNTAINS OF WAYNE
2011年07月号掲載
Writer 伊藤 洋輔
なんともはがゆいというか、ふと、忘れかけた時に帰ってくる、そんなバンドなのだ。FOUNTAINS OF WAYNE(以下FOW)、4年振りにして通算5枚目のオリジナル・アルバムが届けられた。結成から約15年という月日で考えると、決して多いとは言えないアルバム数だが、それは“3分半のポップ・ソングの達人”と謳われるバンドの所以なのかもしれない。達人とは、頑固に己の信念を曲げずマイペースに突き進むもの。そんな意志をハートフルなメロディに詰め込んだFOW節とは、時代を越境し輝く暖かみがある。もしかして、何十年後にあなたの孫がクローゼットの奥からこのアルバムを発掘したって、きっとこのメロディにときめき心躍らされるだろう。でも、そんな遠い未来の話をしなくてもいいよね。だって僕らがいつでも「ステイシ~ズマ~ム!」と叫びあのキュンとくるメロディが頭の中を駆け巡ってしまう状態なのだから。
では、ここで彼らのプロフィールを振り返ってみよう。バンド結成の経緯は、学生時代のルーム・メイトだったChris Collingwood(Vo&Gt)とAdam Schlesinger(Ba)の出会いから始まる。当初、AdamはIVYという別バンドで活動していたものの、90年代半ばに再びChrisと出会ってからFOWを形成していく。96年にアルバム『Fountains Of Wayne』でデビュー。キャッチーなメロディが瞬く間に評判を呼び、また当時絶大な人気を誇っていたSMASHING PUMPKINSやTHE LEMONHEADSとのツアーもあり、欧米での成功につながった。続く99年、2ndアルバム『Utopia Parkway』をリリース。この年はFUJIROCKに出演も果たし、ここ日本でFOWを強く印象付けるものとなった。そして4年の沈黙を経た03年には、最大の出世作となる3rdアルバム『Welcome Interstate Managers』をリリース。収録曲の「Stacy’s Mom」は現在でもバンドの代名詞となっており、世界中で大ヒットを記録。他にも「Mexican Wine」や「Hey Julie」など、多彩なポップ・センスが遺憾なく発揮されており、グラミー賞にノミネートされるまでの成功を手に入れる。その後は再び新作まで4年の沈黙に突入するのだが、間の05年にはアウト・テイク集をまとめた『Out-Of-State Plates』をリリース。これまた佳曲づくしの充実作であり、FOWの懐の深さを堪能できる1枚だ。07年、待望の4thアルバム『Traffic And Weather』は、ROLLING STONE誌の07年ベスト・ソング・100に選出されるなど、各方面から高評価を獲得した。記憶に新しいのはAdamのTINTED WINDOWSとしての活動もあるが、昨年はその来日に伴いFOWのアコースティック・ライヴも実現した。アルバム数は多くないものの、コンスタントに来日してくれるのは本当にうれしい。繊細ながら大胆に、振り幅の広い煌めくギター・ポップのメロディはこと日本人の感性にマッチし易いのだろうか。コアなファンも多い地だけに、彼らも毎回来日を楽しんでいるようだ。そして、今夏にはFUJIROCKへの出演も決定している。となれば新作は必須アイテムだよね?『Sky Full Of Holes』である。
Chris&Adamの黄金ソング・ライティング・コンビは本作でも健在だ。繊細なアコギに乗せた軽やかな「Richie And Ruben」、甘酸っぱいムードが叙情性を醸す「Someone’s Gonna Break Your Heart」と、先行トラックとして公開された2曲だけを聴いてもお分かりだろう。心地良い風のように鼓膜をくすぐり、心を優しく揺さ振る。FOWのカムバックを噛み締めたなら、迷わずアルバムを手にしてほしい。一聴で口ずさんでしまうようなコーラス・ワークが絶妙な「The Summer Place」、味わい深いカントリー・テイストな「Acela」、これぞパワー・ポップ!と喝采を送りたいのは「A Dip In The Ocean」だろう。西海岸ならぬ活動拠点のNYからありったけの陽光を想像したBEACH BOYSか?いやいや、モダンなGram Parsonsだろ?あれ、THE KNACKかな?なんて類似的なアーティストを探しても意味はない、FOWはFOWなのだから!さぁ、夏をドラマチックに彩りたいあなた、BGMはもちろん『Sky Full Of Holes』で!
- 1
LIVE INFO
- 2024.12.27
-
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
優里
TK(凛として時雨)
いゔどっと
シノダ(ヒトリエ)
賽
Devil ANTHEM.
"TOKYO COUNT DOWN 2024"
ネクライトーキー / 3markets[ ]
ビッケブランカ
ExWHYZ
煮ル果実
神聖かまってちゃん
SANDAL TELEPHONE
ウソツキ
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.28
-
CENT
ザ・クロマニヨンズ × go!go!vanillas
the paddles
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
TK(凛として時雨)
シノダ(ヒトリエ)
ADAM at
TENDOUJI
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
鯨木
Homecomings
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
モノブライト
BiS
THE YELLOW MONKEY
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI / PIGGS / Wang Dang Doodle / ゆっきゅん
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.29
-
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
ADAM at
DIALOGUE+
Aooo
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.30
-
Dragon Ash × The BONEZ
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.31
-
Nornis / ROF-MAO / 葛葉 ほか
"第8回 ももいろ歌合戦 ~愛の大晦日~"
フラワーカンパニーズ
FINLANDS
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
大森靖子
9mm Parabellum Bullet×アルカラ
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2025.01.03
-
JIMMY EAT WORLD
- 2025.01.04
-
私立恵比寿中学
RAY×BELLRING少女ハート
GANG PARADE
いゔどっと
sajou no hana
PRIMAL SCREAM / ST. VINCENT / JIMMY EAT WORLD ほか
- 2025.01.05
-
RAY×BELLRING少女ハート
PRIMAL SCREAM
Base Ball Bear
WEEZER / MANIC STREET PREACHERS / DIGITALISM ほか
PIGGS
- 2025.01.06
-
THE JESUS AND MARY CHAIN
- 2025.01.07
-
WEEZER
PRIMAL SCREAM
GANG PARADE × 寺中友将(KEYTALK)
レイラ
- 2025.01.08
-
あいみょん
MONOEYES ※振替公演
WEEZER
THE YELLOW MONKEY
- 2025.01.09
-
OKAMOTO'S
ずっと真夜中でいいのに。
米津玄師
あいみょん
MONOEYES ※振替公演
the paddles
四星球
NOIMAGE
reGretGirl
- 2025.01.10
-
Hakubi
米津玄師
NOIMAGE
四星球
Ivy to Fraudulent Game
フィロソフィーのダンス
ザ・シスターズハイ
Bray me
ego apartment
UNISON SQUARE GARDEN
THE BACK HORN
- 2025.01.11
-
マリンブルーデージー
伊東歌詞太郎 ※振替公演
上白石萌音
ずっと真夜中でいいのに。
Ivy to Fraudulent Game
LEGO BIG MORL / Rhythmic Toy World / ザ・シスターズハイ ほか
クジラ夜の街
bokula.
ゲスの極み乙女 / くじら / idom / luv
Umisaya
Hakubi
Czecho No Republic
安藤裕子
キュウソネコカミ
ヒトリエ
DURDN
Vaundy
清 竜人25
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
終活クラブ
GANG PARADE / ASP / BiS / ExWHYZ ほか
UNISON SQUARE GARDEN
androp
9mm Parabellum Bullet
BAD IVY
怒髪天 / ZAZEN BOYS / サニーデイ・サービス
RELEASE INFO
- 2024.12.27
- 2024.12.28
- 2025.01.01
- 2025.01.03
- 2025.01.05
- 2025.01.06
- 2025.01.08
- 2025.01.10
- 2025.01.12
- 2025.01.14
- 2025.01.15
- 2025.01.16
- 2025.01.17
- 2025.01.18
- 2025.01.20
- 2025.01.22
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ST. VINCENT
Skream! 2024年12月号