Overseas
THE KILLS
2011年04月号掲載
Writer 伊藤 洋輔
“私たちは双子のように感じる日もあれば、全然似ていないと思う日もある。同じものが好きだから一緒にやるようになったの。アートや音楽については、共有するものがたくさんあるのよ。Jamie Hinceは完璧主義者ね。彼は自分が頭に思い描いていた通りになるまで何かをやめることはない。私はそういう感じじゃないのよ。その瞬間を捉えたスナップショットとか、アクシデントが大好きなの。ああ、それに私はアメリカ人で彼はイギリス人よね……そういうことよ”
と、Alison Mosshartは端的にバンドを言い表している。3年ぶり通算4枚目の最新作『Blood Pressures』とは、まさにそんな関係性だからこそのケミストリーで描いたロックンロールが鳴り響いている。安直なポピュラリティでは妥協せず、かと言って尖鋭的なエゴにも陥らず、両者の志向が理想的なバランスで結ばれたロックンロールなのである。繊細かつ大胆で自由なミックス・センス、これを奇跡的な均衡と呼ぶのは大袈裟だろうか?聴き込んでいくうちに想像してしまう……ひょっとすると、KILLSはTHE WHITE STRIPESが描けなかった男女デュオとしてのロックンロール、その理想形に達することができるのでは、なんて。
振り返ってみると、前作『Midnight Boom』は実験性の強い作風だった。ヒップ・ホップからヒントを得たようなビートに力点が置かれており、持ち味の刺々しいギターが薄らいでいた。しかし、新作ではダーティーでスリリングなTHE KILLSらしい危険なギター・サウンドが帰ってきている。この変化にJamieは“AlisonがThe Dead Weatherで昨年の大半をツアーに費やしたから”と語っている。そしてAlisonも“単に歌詞を耳に届けるだけじゃなくて、ギターやフィードバックと張り合うような声やノイズを出せるようになった”と。なるほど、だからこそJamieは思い切りギターを掻き鳴らしたのだ。先行シングルとなった「Satellite」や「Nail In My Coffin」では漆黒のヘヴィ・グルーヴを描き、「Future Starts Slow」ではクールなカッティングが。研ぎ澄まされたギター・アンサンブルを繰り広げるは「Heart Is A Beating Drum」、60年代のSTONESを想起してしまう「Damned If She Do」、ブルージーでメロディアスな「You Don’t Own The Road」と、表現の引き出しをすべて開放したかのように表情豊かなギターが溢れている。その流れに絡みつくAlisonの官能的な歌声も素晴らしい。歌詞の内容はジェンダーについて多く扱われており、よりセクシャルな魅力が醸し出され、“ロック・ディーバかくあるべき”な姿が目に浮かぶはずだ。Alisonはさらに語る。“私が本当に好きな音楽、本当に私に語りかけてくる音楽っていうのは、どれもブルースか、何かしらの形でブルースに影響された音楽なの。ブルースに飽きたことなんてないし、ブルースが自分のものだと感じられなかったことも一度もない”……ああ、かっこよすぎだろ!ブルースへの憧憬、その純粋な愛が彼女を突き動かしている。心から叫ばせている。その想いはJack Whiteとのコラボレートでさらに確信しただろう。そして、バンドは着実に進化を続けている。
ここ最近はセレブリティとしての注目度も高いTHE KILLS。FendiのCM曲に楽曲提供、ZADIG&VOLTAIREの広告モデルに抜擢、そしてなんといってもJamieは交際中のモデルKate Mossといよいよ婚約か!?とタブロイド紙を賑わしているが、そんな動きは時として音楽を捻じ曲げてしまう恐れもある。だが、新作はそんな情報に踊らされるようなヤワなものじゃない。ひとつひとつのサウンドや言葉が鋭利なナイフで刻み込むように、確かな何かを残すから。
- 1
LIVE INFO
- 2025.01.20
-
ヤバイTシャツ屋さん
SUPER BEAVER
österreich
- 2025.01.21
-
片平里菜
終活クラブ
Homecomings
WurtS
SUPER BEAVER
PEDRO
- 2025.01.22
-
ASIAN DUB FOUNDATION
WurtS
ずっと真夜中でいいのに。
シノダ(ヒトリエ)
SVEN(fox capture plan)
go!go!vanillas × NEE
RAY
アイナ・ジ・エンド
BRADIO
米津玄師
- 2025.01.23
-
終活クラブ
ずっと真夜中でいいのに。
a flood of circle
小山田壮平 / kanekoayano
ヤバイTシャツ屋さん
ASIAN DUB FOUNDATION
米津玄師
暴動クラブ / 板歯目 / M.J.Q(山本久土+クハラカズユキ)
- 2025.01.24
-
片平里菜
東京初期衝動
ザ・シスターズハイ
終活クラブ
Homecomings
夜の本気ダンス
ego apartment
LEGO BIG MORL
神聖かまってちゃん
かりんちょ落書き
ハシリコミーズ
MONO NO AWARE
くるり
Ivy to Fraudulent Game
THE YELLOW MONKEY
RAY
Wez Atlas
- 2025.01.25
-
片平里菜
ブランデー戦記
女王蜂
BLUE ENCOUNT / UNISON SQUARE GARDEN / ヤバイTシャツ屋さん / フレデリック ほか
Helsinki Lambda Club
SpecialThanks
ストレイテナー
上白石萌音
the paddles
bokula.
HY
SCOOBIE DO
Umisaya
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Dear Chambers
sajou no hana
Aimer
あいみょん
め組
IDLES
かすみん(おこさまぷれ〜と。)
神聖かまってちゃん
Czecho No Republic
GOOD BYE APRIL
フラワーカンパニーズ
パピプペポは難しい
Rhythmic Toy World
眉村ちあき
Mega Shinnosuke
サカナクション
Hedigan's
kobore
tacica
9mm Parabellum Bullet
Cloudy
- 2025.01.26
-
マリンブルーデージー
ASP × ExWHYZ
[Alexandros] / キタニタツヤ / マカロニえんぴつ / Creepy Nuts / ヤングスキニー ほか
Helsinki Lambda Club
THE BACK HORN
SpecialThanks
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
the paddles
ストレイテナー
HY
上白石萌音
SCOOBIE DO
SILENT SIREN
夜の本気ダンス
東京初期衝動
Homecomings
アイナ・ジ・エンド
Dear Chambers
Mega Shinnosuke
崎山蒼志
Bye-Bye-Handの方程式
CYNHN
Aimer
あいみょん
I Don't Like Mondays.
フラワーカンパニーズ
tacica
琴音
Lucky Kilimanjaro
ADAM at
LEGO BIG MORL
篠塚将行(それでも世界が続くなら)
サカナクション
阿部真央
Bubble Baby
- 2025.01.28
-
マリンブルーデージー / かたこと
the HIATUS
WurtS
米津玄師
SUPER BEAVER
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
the quiet room / Maki
安藤裕子
- 2025.01.29
-
THE ORAL CIGARETTES
the HIATUS
Saucy Dog
米津玄師
Hakubi
君島大空
Appare!
Helsinki Lambda Club
ポルカドットスティングレイ
ネクライトーキー
- 2025.01.31
-
ビレッジマンズストア
神聖かまってちゃん
LEGO BIG MORL
UNISON SQUARE GARDEN
KNOCK OUT MONKEY
Wez Atlas
くるり
ザ・ダービーズ
インナージャーニー / 板歯目 / Apes ほか
ヤユヨ
WANIMA × MONGOL800
TYCHO
Aooo
AYANE
9mm Parabellum Bullet
小林私 / Redhair Rosy / INF ほか
Halujio
the telephones
Bye-Bye-Handの方程式
- 2025.02.01
-
あいみょん
Hedigan's
ストレイテナー
ASP × GANG PARADE
夜の本気ダンス
I Don't Like Mondays.
ブランデー戦記
女王蜂
WONK
WurtS
the telephones
bokula.
GOOD BYE APRIL
SILENT SIREN
"でらロックフェスティバル 2025"
ADAM at
片平里菜
wacci
kobore
sajou no hana
CYNHN
OKAMOTO'S
Kroi
Aimer
"BAYCAMP 202502"
清 竜人 / 清 竜人25
9mm Parabellum Bullet
- 2025.02.02
-
あいみょん
四星球
bokula.
ExWHYZ × KiSS KiSS
LEGO BIG MORL
Laura day romance / XIIX / レトロリロン
I Don't Like Mondays.
Keishi Tanaka
ブランデー戦記
Panorama Panama Town
ラックライフ
"でらロックフェスティバル 2025"
CYNHN
ひめかのん(おこさまぷれ~と。)
片平里菜
ANABANTFULLS
DIALOGUE+
怒髪天
崎山蒼志
上白石萌音
浪漫革命
- 2025.02.03
-
マカロニえんぴつ
RELEASE INFO
- 2025.01.20
- 2025.01.22
- 2025.01.24
- 2025.01.25
- 2025.01.28
- 2025.01.29
- 2025.01.31
- 2025.02.01
- 2025.02.05
- 2025.02.07
- 2025.02.10
- 2025.02.12
- 2025.02.19
- 2025.02.26
- 2025.02.28
- 2025.03.01
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ヒトリエ
Skream! 2025年01月号