Overseas
DEERHUNTER
2010年10月号掲載
Writer 花塚 寿美礼
2008年にリリースしたサード・アルバム『Microcastle』が各方面で大絶賛され、USではカルト的人気を誇り、シューゲイザーの盛り上げ役となったDEERHUNTERから待望のニュー・アルバム『Halcyon Digest』が産み落とされた。
これがもう、今年のNo.1ディスクが決定いたしました!と高らかに叫びたいくらいの名盤である。CDを再生したら、いとも簡単に自分の中の音楽は更新された。
なぜこんなにも儚くて甘美な世界が生まれるのか−−。まず、バンドの基礎情報から紐解いていきたい。2001年に結成されたジョージア州アトランタ出身の4人組で、Vo&GtのBradford Coxは体がものすごく細い。これはマルファン症候群という遺伝子疾患からである。(症状は人によって異なるが、胸がへこんだり、形状が変わってしまう場合も)そして、オリジナル・メンバーが事故死するといった出来事があったりと……。
その悲しみや孤独……あらゆる感情が楽曲に溶け込み、美しくも不気味な雰囲気をかもしだす。影の部分があるから光が認識できるように、負の感情を受け止めて飲み込むことで、よりまぶしく輝きを放っているのだろう。
なお、Bradford Coxはソロ・プロジェクトであるATLAS SOUNDとしても活動している。
今作では共同プロデューサーとしてANIMAL COLLECTIVE、GNARLS BARKLEYらを手がけることで知られるBen Allenを起用。1曲目の美しいアルペジオで誘い入れる「Earthquake」で心はすでにつかまれた。大地がゆったりと波を立てるように響きを伝えていく壮大な物語の幕開けを知らせるサウンドに覚醒。センチメンタルなアレンジが、じわじわと心の隙間に染みこみ、満たしてくれる。「Memory Boy」は驚くほどにポップに切り込んでくるし、意識が前に向かっていっている。「Helicopter」はファンタジックで、浮遊しているような気分に浸ってしまう。モノクロームのミュージックビデオは頭の中でカラフルな色彩に変換されていき、音に色がついていく。魔法のような音の連続。さみしさもあるけれど、暖かみがあふれる。
全体を通して一瞬一瞬を刻むように記憶に、生きている証を残していくような刹那的な美しさがある。
記憶とは過去の出来事もそうだが、今もほんの1秒後には過去になる。記憶はあいまいで、美しく見えるもの。でもときにそれに励まされる。日々、記憶を積み重ねていく。そんな記憶に残るアルバムだ。
DEERHUNTERはジャンルとしてはシューゲイザー、サイケポップと分類されるだろう。確かに初期のノイジーなギターサウンドと脳みそが溶けそうな音の重なりはそうかもしれないが、もはやジャンル分けなど出来ない領域にいる。感覚に身を任せて枠組みなんてとっぱらって、聴くべきだ。限りなく独自の路線を突き詰め始めている。
今作『Halcyon Digest』は公式ホームページからポスターをダウンロードし、自分の好きな場所やウェブに貼った写真をメールで送ると、新曲のMP3や情報をイチ早くゲットできるという、プロモーション方法も実にユニークだ。
前回の来日時には、ファンのひとりひとりにフレンドリーに接したりと、そんなサービス精神たっぷりな人柄もファンを惹きつける要因だろう。ウワサに聞いたところ、日本が大好きなようなので、近いうちにまた来日してくれることを願います!切に!!
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