Japanese
キセル
2010年06月号掲載
Writer 佐々木 健治
キセル『凪』が素晴らしい。日本の原風景と言えそうな童謡的メロディを土台にしながら、全く新鮮なフィーリングを持つポップ・アルバムだ。本作を聴いて、ふと思い出して引っ張り出したのが『にほんのうた 第一集』。様々なアーティストが日本の唱歌をアヴァンギャルドにカヴァーするコンピだ。キセルもここで参加しているのだが、この作品のインパクトは個人的に大きかった。誰もが知っているような曲が驚くような変貌を遂げているのだから(ちなみに、そのコンピ収録の八代亜紀さんによる「証城寺の狸囃子」は名演)。本作はきっとそういう流れの延長線上にあるのだろうとキセルが演奏する「かなりや」を聴いてみると、この『凪』はその遥か先に進んでいることが分かる。
前作『Magic Hour』もまた細やかに構築された音とメロディで、キラキラとした浮遊感を持つ傑作ポップ・アルバムだったが、今回は、よりオーセンティックに、アコースティック・ギターと素朴なリズムを軸に日本的な音の景色を広げていく。
だが、それはただ素朴で優しいだけではなく、時にはダンスホールのようなリディムまで取り入れるなど、新鮮に“日本”を鳴らしてみせる。
これは、日本的でありながら、日本だけを見ているような閉鎖的なアルバムでもなければ、内省的なアルバムでもない。一つ一つの柔らかな音の鳴り、最小限でありながら、空間的な絶妙なサウンド・プロダクションの上で、原風景的な記憶をくすぐる懐かしさと新鮮さが当り前のように同居する。
このアルバムは、“裸のまま / 笑いながら / 遠い海まで / 誘うように”どこまでも果てしなく広がりながら、ゆっくりと、ゆっくりと目の前の景色を塗り替えてくれる。
2010年も早くも折り返し地点。そのタイミングで、ASIAN KUNG-FU GENERATION『マジックディスク』とキセル『凪』という日本のポップを塗り替えるような傑作が揃ったことは、きっと何か意味を持つはずだ。
2010年のこの半年だけでも、無数の素晴らしいポップ・ミュージックがこの細長い島国で産み落とされている中から、今年リリースされた新たなポップ・スタンダードと呼べる5枚を選んでみた。それぞれ音楽性は異なれど、個性と輝きを放つ作品ばかり。素晴らしいポップ・ミュージックに触れたい方には、本当に聴いてもらいたい。いや、そうでなくてもその音楽に魔法があるかどうかは聴けば分かる。あとは、魔法を信じるかどうか、それだけだ。

多種多様なスタイルで描くポップ・ソング集を現代的に形容するならば、“iPodシャッフルのような世界”そんな言葉がしっくりくるアルバムだ。変幻自在のアプローチは無邪気さと理知的な感性が調和した普遍のクラムボン節。ささやかな日常感から神秘的な情景まで、無限のイマジネーション呼び起こす世界観には圧倒される。 (伊藤 洋輔)

海外からも絶賛を集める新世代ポップ・マエストロ、トクマルシューゴの最新作。ANIMAL COLLECTIVEやCLAP YOUR HANDS SAY YEAH!以降の流れも汲んだ実験精神と遊び心、そして独自の物語が生み出す眩いばかりのポップ・ワールド。 (佐々木 健治)

くるり主宰のNOISE McCARTNEY RECORDS所属。JAZZや映画音楽などの高い素養を感じさせるスウィングするメロディから楽曲のアレンジ、ヴォーカルまでその表現力の幅と奥行きに驚かされる。その楽曲はどれもハイクオリティでありながら、抜群にキュート。 (佐々木 健治)

マイペースな活動を続けるSCLL。今作では益子樹をプロデューサーに迎え、よりポップで空間的なプロダクションが光る職人技的ポップネス。スウェディッシュ・ポップのような流麗なメロディに乗る、彼ら独自の散文的な日本語詞の連なりは斬新ですらある。 (佐々木 健治)

驚異のハッピー・ヴァイブを放つYOUR SONG IS GOODがさらに痛快に突き抜けた傑作。そして、バンド名に違わず人の心を鷲摑みにする歌心もやはりまた特筆もの。今作に収録されている「THE LOVE SONG」なんか、問答無用の名曲だもの。 (佐々木 健治)
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