Overseas
パイレーツ・ロック
Writer 佐々木 健治
60年代のイギリスと言えば、ロックンロールがポピュラリティを獲得し、華々しいスターと未だ色褪せることのない名曲が次から次へと生まれた時代だ。全く新しい何かが起こり始めているという熱狂的なエネルギーに満ちた数多くの名盤は、何十年経っても人々を魅了し続けている。
だが、その時代、人々の主な情報源であったイギリスの国営ラジオ(BBC)はとてつもなく閉鎖的なものだった。ラジオで演奏するミュージシャン達による組合が力を持っていた影響で、ラジオではレコードをかけることができる時間が著しく制限されていた。演奏する機会が減れば、ミュージシャン達にとっては、生活の糧を奪われてしまうからだ。その為、ラジオでは時代を席巻していたロックンロールやポップスのヒット・レコードが流される機会が極端に少なかった。
そんな状況の中、法律の網をかいくぐり、ロックンロールを24時間流し続けていたのが、海上の船から放送された海賊ラジオだ。BBCの伝説的DJ、John Pealもこの海賊ラジオ出身だ。BBCから流れてくる音楽に飽き飽きしていた多くのイギリス国民が海賊ラジオに夢中になっていたという。実際に、『PIRATE ROCK』の監督を務めたRichard Curtis自身が海賊ラジオに夢中な少年だったそうだ。
だが、イギリス政府は海賊ラジオを忌み嫌い、排除してしまう。
いつだって、そう今だって、そういう図式は変わらない。クソッタレな話だ。
この『パイレーツ・ロック』の舞台は、その海賊ラジオを流す船の上。高校を中退させられた18歳の主人公が、母親から更正という名目でその船に送られるところから物語は始まる。そこに集うそれぞれに一癖、二癖もある個性的なDJや乗組員とともに繰り広げられるロックンロールと馬鹿騒ぎで過ぎてゆく日々。そして、法律により海賊ラジオを取り締まろうとする政府との闘いを、数々の名曲が彩っていく。
例えば、一瞬の静寂の後に「Let’s Spend The Night Together」が流される瞬間などは、鳥肌ものだ。その名もROLLINGSTONEというロック・バーでDJをしている僕にとって、それこそ何回耳にしたか分からないTHE ROLLING STONESのこの曲にここまで興奮したのは、一体いつ以来だろう。
ストーリーの細部や挿入される名曲にはふれないでおくが、そのストーリーや構成はいたってシンプル。3分のポップ・ソングのように明快で痛快だ。そして、だからこそこの映画は胸をうつ。分かるでしょ?
ロックンロールが人々を熱狂させる魔法になった時代。海賊ラジオの存在がなければ、僕達は2009年に産み落とされた名曲に出会えていないかもしれない。当り前すぎるけれど、当り前すぎて忘れてしまうことって、多いからね。喜びも悲しみも退屈も。
THE KINKSの「All Day And All Of The Night」で豪快に幕を開けるこのエンターテイメント映画は、愛する音楽への確固たる信念を貫き通す人間達を描くことで、ロックンロールの魅力を再認識させてくれる。とてもシンプルなやり方で。

10月24日(土)
TOHOシネマズ六本木ヒルズ・みゆき座 他
全国ロードショー
『パイレーツ・ロック』公式サイト>>
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