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MIKA 2ndアルバム「The Boy Who Knew Too Much」
Writer 遠藤 孝行
FUJI ROCK FESTIVAL'07ではじめてMIKAのライヴを観た時、彼は本当に子供のように音楽を楽しんでいた。こんな風にみんなが音楽を楽しめたらどんなに素敵なんだろうと心から感じたライヴだった。
2007年に発売されたデビュー・アルバム『Life In Cartoon Motion』は日本だけで15万枚ものセールスを記録し、世界では500万枚の大ヒット。MIKAは、たった一年で新たなポップ・プリンスとしてメイン・ストリームの主役に躍り出た。そして、いよいよ2年振りとなる今年、2ndアルバムをリリースする。
1stアルバムからのシングル「Grace Kelly」は、British Awardsにノミネートされるなど大ヒットを記録。その年を代表する一曲となった。
ちなみに、この曲はメディアで大量のオンエアされたためか、その年の「英国でもっともウザイ曲」の第五位にもランクインされてしまう。思い出せばこの年、MIKAのこの曲を一年中耳にした覚えがある。これは、逆に言えば、この曲がそれほど長い時間多くの人々の耳に触れ続け、愛され続けていた証拠でもある。一部の人間にはウザイとさえ感じられるほどの存在感を放つMIKAの登場は、それほどセンセーショナルな出来事だったのだ。
デビュー・アルバム『Life In Cartoon Motion』は「Grace Kelly」をはじめキャッチーでダンサブルな「Lollipop」、キラキラしたダンス・トラック「Love Today」そしてSCISSOR SISTERS直系のディスコ・ナンバー「Relax,Take It Easy」など数々のヒット・シングルを誕生させ新たなポップ・スタンダードの傑作となった。
胸を打つメロディと繊細なピアノの音色。そして表現力豊かで、聴いている者の耳を離さないハイトーン・ボイス。魅力を書き連ねればまだまだ出てくる、それほどMIKAは多彩な才能を持つアーティストなのだ。
幼い頃父親がアメリカ大使館に監禁されたり、戦火を逃れるため移住を余儀なくされたり波乱の人生を送ってきた彼は、その中でオペラに目覚め、音楽の道にどっぷりと浸かっていく。それ故か、彼の曲からは勇気をもらう事が多い。MIKAの曲は上辺だけの喜びだとか、悲しみを表現しているのではなく、心の奥底にメッセージを投げかけてくれる。前作は僕にとってとても励まされるアルバムだった。
そしてこの2ndアルバム。前作の成功のプレッシャーなど全く感じさせない、パワフルでゴージャスなサウンド。そして変わらない極上のメロディ。
このアルバムのパワフルさは先行シングルである「We Are Golden」によく表れている。まるでディズニー・サウンドのような豪快なバッキンング・コーラス。そしてまくしたてる様なボーカル。今作でMIKA の成長が一番表れている曲でもあるだろう。また前作には無かったトロピカルなナンバーやストリングスを多様したバラードなど、万華鏡の様に変わるアルバムのカラフルな展開にも成長の後が見てとれる。
そして、全体を通して目を引くのは、ストリングスを巧みに取り入れた奥行きのあるサウンド・プロダクション。前作を手掛けたGreg WellsとMADONNAやTHE KILLERSを手掛け「ダンス・フロアの魔術師」ともいわれているStuart Priceと共同で2年を掛けて作り上げたサウンドは華やかでグッと心にしみ込んでくる。
前作は本人も語っている様に自分の子供時代のストーリーで、自身がいじめにあっていた事などの経験を暗いメロディに乗せて歌うのではなく、それを跳ね返し架空のキャラクターを作り、ポップにそしてカラフルにまとめ歌い上げたいわばMIKA流の復讐のアルバムだった。
1stアルバムでそのアーティストの最も表現したい事を吐き出し、2ndアルバムを作る時に躓いてしまう事はよくある。そして、MIKA自身も今回のアルバムを作るにあたってそれを感じていた様だ。
そこでMIKAは今回のアルバムを作るにあたって原点に立ち戻ることを決めた。1stアルバムを生み出した安ホテルに戻り一から自分自身を振り返り、この作品を作っていった。そして新しい何かを掴んだようだ。
MIKAは語る「解き放たれた気分だよ。次なる場所に到達したんだ。そうする必要が僕にはあったし、3作目、4作目を作る上で、きっと役立つであろう過程を克服した。ようやく僕は、自分の"小さなベットルームで作った作品"が、もはやベットルームの中で終わる作品ではないのだという事実に、そして自分がソングライターなんだという事実に、折り合いを付けれたんだと思う」。
この格段に上がったクオリティとオリジナリティを発揮した2ndアルバムはMIKAをまた一つ上のスターダムへ押し上げていくだろう。
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