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DISC REVIEW

Japanese

仄明かりに溺れる

女性ヴォーカルを擁する4ピース・バンド、長靴をはいた猫による2nd EP。インスト・トラック「澱」の温度感を引き継いで始まる「水槽」は、あえてジャンル分けするならばポスト・ロックだろうか。不穏な雰囲気を漂わせるイントロのベース・ラインの上に、歌声や楽器の音色が重なり、次第に大きな渦を生み出していく。大きな振れ幅で、しかし呼吸するように自然と静と動を行き来するサウンドは、狂おしくも美しいもの。共依存的な関係性を連想させる歌詞も独特の香りを放つ。そして「暗夜光路」は疾走感のあるアッパー・チューンで、活動開始から1年強かけて鍛えたアンサンブルの熱量が反映されている。縁日の光景を描く歌詞や和情緒あるギターのフレーズはこれから訪れる季節にも似合う。(蜂須賀 ちなみ)