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DISC REVIEW

Overseas

2016年04月号掲載

Grey Tickles, Black Pressure

前2作が様々なメディアで年間ベストとなり、2014年にはASGEIRの英訳を手掛けたことで一躍注目を集めた、アイスランド在住SSWによる3作目。エレクトロ・ポップと叙情的なフォーク・サウンドの融合は従来を引き継ぐものだが、新境地のラップを核とした「Voodoo Doll」や Tracey Thornが参加した「Disappointing」などでファンク色を強めている。また、ゲイであることや、HIVポジティヴであることはこれまでも公言し楽曲に反映させてきたが、本作では社会問題的に提起するでも愛を追い求めるでもなく、アイデンティティとしてポジティヴ且つウィッ トにひとクセ与えている。ポップ・ソングにおけるそのエディット・センスは手法は違えどBECKを彷彿させるような、頭の切れる働くおじさんだ。(峯 大貴)