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DISC REVIEW

Overseas

2016年02月号掲載

Thank Your Lucky Stars

前作『Depression Cherry』からたった2ヶ月で届けられたボルチモア出身のドリーム・ポップ・デュオによる6枚目。スパンの短さは決してサプライズ的ではなく、創作の泉が湧き続けたゆえで、いつだって彼らは自然体だ。この2枚で無理にアプローチを変えたり、対となる要素を持たせることもなく、まるで同じ方向を向いている。ただ新たな創作の刺激となったのはVictoria Legrandが数曲ベースやギターを弾いていることだろう。前々作『Bloom』までのシンメトリーで幾何学的な美しさを持つメロディと規則正しいサウンドが、彼女の絶妙な拙さによって歪み、グルーヴが引き出されることで新たな心地良さを生む。彼らの航路は少しずつだが着実に舵を切っている。(峯 大貴)


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Thank Your Lucky Stars

前作『Depression Cherry』からたった2ヶ月で届けられたボルチモア出身のドリーム・ポップ・デュオによる6枚目。スパンの短さは決してサプライズ的ではなく、創作の泉が湧き続けたゆえで、いつだって彼らは自然体だ。この2枚で無理にアプローチを変えたり、対となる要素を持たせることもなく、まるで同じ方向を向いている。ただ新たな創作の刺激となったのはVictoria Legrandが数曲ベースやギターを弾いていることだろう。前々作『Bloom』までのシンメトリーで幾何学的な美しさを持つメロディと規則正しいサウンドが、彼女の絶妙な拙さによって歪み、グルーヴが引き出されることで新たな心地良さを生む。彼らの航路は少しずつだが着実に舵を切っている。(峯 大貴)


Bloom

2010年の年間ベストの呼び声高い『Teen Dream』から約2年、またしてもVictoriaとAlexによるポップ・デュオBEACH HOUSEは傑作を創り上げた。儚いイマジネーションが開花した時に得られる一時の美しさを『Bloom』......花にモチーフを与え、制作された今作は、前作ほど"逃避"の様相は薄れ、だがしかし甘美で深遠ゆえの危うさの漂う、喪失感を伴った叙情性溢れる音楽。ギターのアルペジオとオルガン・ピアノが絡み合い飛翔していくかのような官能性と、Victoriaの中性的でイノセントなヴォーカルが手を組んで新たなユーフォリアを演出する。これは前作を聴いたときにも感じたことだが、黄昏時に聴くには、これ以上ないBGMなんじゃないかと思う。今作のテーマは"旅"なのだという。(中里 友)


Teen Dream

あのFLEET FOXESやGRIZZLY BEARも絶賛するボルティモア出身のドリーム・ポップ・デュオBEACH HOUSEから3rdアルバムが届けられた。本人達も自分達のクラシックが作れたと語る本作は、深くそして穏やかで、まるで森の中の優しい雨のように心が洗われる作品だ。前作リリース以降、地元ボルティモアを離れNYの教会を改造したスタジオで作った今作は完成度が高く、1つの世界観で統一されている。スライド・ギターとオルガンとフランス映画音楽の巨匠Michel Legrandの姪であるVictoriaの存在感抜群のヴォーカル。彼らはこの組み合わせだけで幻想的な世界へ僕らをどこまでも連れて行ってくれる。しかしそれは自分の中に閉じこもる様な世界ではなく、とても開放的なものだ。(遠藤 孝行)