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DISC REVIEW

Japanese

2014年03月号掲載

標本箱

黒木渚

『標本箱』

Release Date : 2014-04-02
Label : ラストラム・ミュージックエンタテインメント

ここに標本として保存されているのは11人の"女"の物語――黒木渚、初のフル・アルバムにして、ソロ後初の作品は、楽曲それぞれに主人公となる女性/少女が存在する。ジャンヌ・ダルク、死んだことを後悔する地縛霊女、片想いする少女など、それぞれの境遇は別であるが、どの女にも共通しているのは、貪欲に生きようとしていること。黒木の歌声は豊かに、強くしなやかに響き、どこまでも凛とした姿勢を崩さない。それが彼女の、自身を含む女への敬意であり誇りなのだろう。サポートには中尾憲太郎、柏倉隆史、MASEEETAらを迎え、サウンド・プロデュースはアンジェラ・アキやSuperflyで知られる松岡モトキが手掛ける。バンド感だけでは成し得ないサウンドスケープは女という生き物の本質の象徴のようだ。(沖 さやこ)