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DISC REVIEW

Overseas

2014年02月号掲載

St.Vincent

ST. VINCENT

『St.Vincent』

Release Date : 2014-02-26
Label : Hostess Entertainment

ブルックリンを拠点に活動し、2012年にはTALKING HEADSのDavid Byrneとのコラボレーション作品もリリース。USインディー界隈で常に注目を浴び、高い評価を得ているST.VINCENTの4thアルバム。妖艶かつ透明感のある歌声は、甘さと刺々しさがうねるように入り混じり、決して聴き心地が良いだけではない。ポスト・ロック特有のヒリヒリした緊迫感と浮遊感、幾重にも重ねられたエレクトリックなトラック作りは相変わらず情報量が多く、1フレーズひとつをとってもここまでヒネるか!とうならされるのだが、アルバムを通して聴くと、アート性だけではなく、ストレートなロックンロール感があるという不思議な作品。WARPAINTの新作と一緒に手に取っていただきたい。(杉浦 薫)


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Masseduction

女性を全面に打ち出しながら、同時に強烈過ぎて笑ってしまうし、アートにすら見えるジャケットが示唆しているとおり、この5枚目のアルバムでアヴァンギャルドとポップの境界線を完全に溶かしてしまった。タイトル・チューンは、女の子の声による日本語の"政権の腐敗!"というリフレインから始まり、ストリングスも入ったいわゆるビッグ・ソングと内面的な印象のミニマルなパートを行き来するし、ピアノがSSW的なニュアンスの「New York」、その曲のモチーフの一部でもあるDavid Bowieの面影は、「Pills」でのロック然としたハードさとファンキーさを兼ね備え、今の彼女が示すポップ・スター像へ焦点を結ぶ。価値観が多様化する時代にあってもあらゆるリスナーに新しさを感じさせる稀有な作品。(石角 友香)


St.Vincent

ブルックリンを拠点に活動し、2012年にはTALKING HEADSのDavid Byrneとのコラボレーション作品もリリース。USインディー界隈で常に注目を浴び、高い評価を得ているST.VINCENTの4thアルバム。妖艶かつ透明感のある歌声は、甘さと刺々しさがうねるように入り混じり、決して聴き心地が良いだけではない。ポスト・ロック特有のヒリヒリした緊迫感と浮遊感、幾重にも重ねられたエレクトリックなトラック作りは相変わらず情報量が多く、1フレーズひとつをとってもここまでヒネるか!とうならされるのだが、アルバムを通して聴くと、アート性だけではなく、ストレートなロックンロール感があるという不思議な作品。WARPAINTの新作と一緒に手に取っていただきたい。(杉浦 薫)


Strange Mercy

余談から始めますが、来年1月に決定した一夜限りの来日公演は何が何でも観に行ったほうがいいですよ!妖艶な歌声もさることながら、超絶的なギター・プレイに度胆を抜かれるはず!手帳を新しく買い換えたら、まずは"ST. VINCENT"とチェックしておきましょう。さて、現在海外メディアで絶賛の嵐となっている新作がついに到着!約2年振りの3rdアルバムである。過去2作によってすでにインディ・ファンから絶大な支持を受けているが、本作はよりメジャーなフィールドに舞い上がる出世作となるに違いない。これまでにないディストーション・ギターに彩られロック色を強めた世界観だが、独創的なメロディ・ラインが才能の裏打ち。それはDIRTY PROJECTORSのDave Longstrethに匹敵するものと確証された。スイーツな歌モノ集とナメたらやられちゃうよ!(伊藤 洋輔)