Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

イロムク

2018年06月号掲載

イロムク

メンバー:藤沼 健(Vo/Gt) 辻 秀和(Gt) 吉田 彦(Ba/Cho) 河野 智央(Dr)

インタビュアー:蜂須賀 ちなみ

下北沢を中心に活動する4ピース・バンド、イロムクがTOWER RECORDS限定ワンコイン2ndシングル『ちゃんとつけるから』をリリースする。本作に収録されているのは、一夜限りの関係の悲哀を女性目線で歌った「ひあそび」と"あなたの人生救いますだから僕らのCD買ってくれ"と始まる「生(きてる)ゴミ」の2曲。一発録りの生々しいバンド・サウンドも後押しし、どちらもかなりセンセーショナルな内容になっている。しかしこのバンド、過激なことをただやりたいだけの薄っぺらいバンドではない。以下のテキストを読めば、今回彼らが"憎悪"を歌った本当の理由、その裏にある"愛情"の存在をおわかりいただけるだろう。

-これまでコンスタントにリリースしてましたけど、今回は少し期間が空きましたね。

藤沼:会場限定盤(2ndシングル『かぜぐすりとアルコール』)を(2017年)9月に出してるので、それ以来ですね。ベースの吉田君が去年の6月に加入したんですけど、そのときに他のバンドから彼を引き抜いたんですよ。ドラムの河野君ももともとそのバンドのメンバーだったので、ちょっとバッシングをされたりもして......。それでまず、音源を出すよりもライヴを積み重ねていくことによって、そういうことを言ってる奴らを納得させたいなっていうのがありました。

-基本的に"見返したい"っていう気持ちがバンドのモチベーションになってる感じですか?

藤沼:そうですね。黙らせたいです。

辻:ライヴでも僕らの出番の前がアイドルさんのときとかあるんですけど、そういうときってめっちゃ燃えるよね(笑)。

藤沼:その方が楽しい(笑)。自分たちの音楽で思いっきりぶん殴れる感じがして、それが快感なんです。

-なるほど。今回のシングルは2曲ともライヴ感がかなり出てて、ここ1年間で培ったグルーヴが反映されてるように思います。

藤沼:もともとは知り合いのエンジニアの人に頼んで、小っちゃい安いスタジオで仮音源のために録った音源だったんですよ。一発録りで2回ぐらいしか演奏してないんですけど、それを聴いたら思いのほか良かったのでこれでいこうかってなりました。

-藤沼さんはこの2曲に関して"だいきらいな人、また人達の曲です"というコメントを出してますが。

藤沼:そうなんです。「生(きてる)ゴミ」って曲は――僕、彼女をバンドマンに寝取られてるんですよ。一度そのバンドの曲を聴いたんですけど、ファッションみたいな感じでやってるようなバンドだったので、そいつのことを生きてるゴミだなって思ったんですね。

-今ものすごく清々しい笑顔をしてますよ(笑)。

藤沼:(笑)で、"こんな奴に負けたのか"っていうふうに思ったんですけど、じゃあ何で勝てるのかって考えたら音楽かなと思って、もう曲で歌ってやろうと思いました。"生々しいこの音だけがこの部屋に響いてるよ"っていうところは、ライヴハウスとヤッてる部屋をかけてるんですよ。ライヴハウスをラブホか何かと勘違いしてるバンドマンっているじゃないですか。

-そのバンドマン目線の歌詞になってますけど、曲を書くためとはいえ、クズのような人間の気持ちになるのってしんどくないんですか?

藤沼:そういう人って自分の鏡だと思ってて。自分はこうなりたくないみたいな、そうなったら終わりだなぁと思いながら書いてます。

-こんな書き方してたら怒りは溜まっていく一方ですよ。

藤沼:でもそれがなくなったら曲を書けなくなると思ってて......。こないだ大好きなバンドのライヴをメンバーみんなで観に行ったんですよ。そしたらなんというか、満たされまくってて、全然カッコ良くなかったんですよね。それを観て一番思ったのが"人間、満たされたら終わりだなぁ、特にミュージシャンはそうだなぁ"っていうことで。僕の一番の武器かなって思ってます、こういう情けない経験をしてることが。それで、今までの僕らだったらこういう曲(「生(きてる)ゴミ」)はアルバムの2曲目ぐらいに収録してたんですけど、いや、これはシングルにしてなんとかあいつ(彼女を寝取ったバンドマン)の耳に届けたいなって思って。僕らがこの曲で売れたときに悔しくなってもらいたいですね。

-1曲目の「ひあそび」はどういう経緯でできた曲なんですか?

藤沼:「ひあそび」は「恋煩い」(2014年リリースの1stデモ『恋煩いe.p』表題曲)っていう曲を出したときに一緒に作ってた曲で。これも実話なんですけど、僕がワンナイト・ラヴをされたときの曲なんですよ。

-一人称が"あたし"だからフィクションなのかと思ってました。

藤沼:この曲にも僕なりの憎しみがこもってるんですけど......例えば最後の方で"ヤりたい"っていう歌詞が"殺りたい"になるんですよ。

-でもこれ、憎しみじゃなくて強がりなのかなって思ったんですよね。だって、本当に元カノのこと殺したいですか?

藤沼:いや~、やっぱり相手のことを嫌いになりきれないんですよね、結局。男ってホントしょうもないので、良かったことを思い出して悪い思い出の方はその相手になすりつけちゃうというか。

-だから男性側に対する憎悪が2倍になるというか、すごい勢いで膨らんでしまう。

藤沼:この気持ちに関してはもう、やり場がないというか。現実の世界で発散しようとすると、僕犯罪者になっちゃうと思うので(笑)。要は、溜まった性欲をちゃんと風俗で発散してるっていう感じです。あ、僕は風俗行かないですよ?

-そこは訊いてないです(笑)。要は合法的に発散してるということですよね。

藤沼:そうですね。サラリーマンだったとしたら代わりに仕事に打ち込んでたのかもしれない。

辻:失恋するたびに業績上がるっていうね(笑)。