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INTERVIEW

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エドガー・サリヴァン

エドガー・サリヴァン

エドガー・サリヴァン

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メンバー:佐々木 萌(Uta) 坂本 遥(Gt) 高木 祥太(Ba)

インタビュアー:秦 理絵

シンガー・ソングライター 佐々木 萌のサポート・メンバーとして集結した、THEラブ人間の坂本 遥と無礼メンの高木祥太による3人組ユニット、エドガー・サリヴァン。アメリカのコメディアン、エド・サリヴァンの名をもじったユニット名で活動する彼らは、今年4月からドラムレスの新体制で再スタートを切った。そして自分たちの音楽をゼロから組み直すという試行錯誤の果てに、ついに初の全国流通盤ミニ・アルバム『トーキョー・ネイチャー』を完成。今作で彼らは、打ち込みのビートに泥臭い生演奏を乗せるというオリジナリティを確立した。彼らが描くのはビジター(=訪問者)から見た煌びやかで寂しげな東京の景色だ。流行りのシティ・ポップを横目に見ながら、海底から宇宙へと、佐々木が紡ぐ軽やかな歌声に乗せて、エドサリが誘う魅惑のミュージック・トラベルが幕を開ける。

-結成は去年で、もともとはソロで活動している佐々木さんのサポート・メンバーとして、高木さんと坂本さんが集まったのが始まりだそうですね。

坂本:出会ったのは3、4年前ですね。大学1年のときに、前にやっていたバンドが解散したんです。当時、萌ちゃんはEMI Recordsの加茂(啓太郎)さん(※当時の新人発掘育成セクション"Great Hunting"チーフ・プロデューサー)という人に育ててもらっていました。"バンドで演奏するところが全然ないんですけど、どうしたらいいですか?"と加茂さんに相談したら、萌ちゃんもバンドを探してるということで紹介してもらったんです。そこでサポート・メンバーとしてつけてもらったのがきっかけですね。そのときベースは違う人がいたんですけど――

高木:その人が怪我をして、僕が代わりに入りました。

坂本:当時はサポートといっても、祥太以外は大学生だったので、仕事ではないというか......結局、一緒に音楽をやる仲間として、制作も一緒にやるようになったんです。

-佐々木さんは、メンバーにサポート以上の役割を望んでいたんですか?

佐々木:私もまだ育成されている身で、ちゃんとしたお仕事の関係性は作りづらかったんです。実際に悩みを打ち明けたり、アレンジも一緒にやったりしていたから、いつの間にか"どう考えてもこれはサポートじゃないよな"という感じになって......。時間がそうしたというよりも、音楽的にコミュニケーションをとりやすい現場だったんですよね。当時はドラムとキーボードもいたんですけど、その人たちはちゃんと自分たちの音楽で新しい場所を見つけていったので、今はこの3人でやることになったんです。

-となると、サポート時代と今とでは、3人の関係性はそれほど変わってないんですか?

高木:5人のときはまだ、"バンドになったからガラッと変わらなきゃ"というところもあったんです。ただ、そこからふたりが抜けて、今の3人になってからは自然な関係になりましたね。このふたり(佐々木と坂本)はめっちゃケンカするようになったし(笑)。

佐々木:うん、それはそうかもしれない。

高木:サポートのときは彼女の音楽をサポートするという立ち位置でしたけど、フラットになってからは、言いたいことを対等に言い合える関係になったんです。

坂本:萌ちゃんありきではあるし、曲を書く比重も萌ちゃんが多いんですけど、3人とも曲も歌詞も書けるんです。だからヴォーカルについていこうという気持ちはありつつも、そのうえでフラットにぶつかるのがいい形なのかなと思ってます。

-メンバーが5人から3人になったときに、新しいドラムやキーボードも入れたいとは思わなかったんですか?

佐々木:初めはそうだったんですけど――

高木:ドラムがいないことはデメリットじゃなくて、むしろ強みになるような方向性が見えたので、"それでいこう"みたいな感じですね。僕らはずっと新しいことをしたいという意思が念頭にあるんです。作り方も変えた方が新しい作品ができるんじゃないかと思いました。

佐々木:今回も、TOWER RECORDSさんからのレコメンドで"フロア・ユース"と書いてもらうほど打ち込みのサウンドが多いんですね。それぞれがDAWでアレンジもできる。リズムはドラムの人に任せるべきだというスタイルよりは、みんなでアレンジを完璧にして、そこに自分たちの楽器を乗っける方が良かったんです。だから呼び方は"ユニット"なんですけど、作り方としては"バンド"なんですよね。

-ユニットという呼び方にこだわりはあるんですか?

坂本:パソコンを使った音楽なら何でもありになるんです。僕らはバンドというフォーマットに縛られてはもったいない音ネタを持ってるんです。特に今作は自由になりましたね。実は、5人のときにリリースが決まってたんです。でも、その直後にドラムとキーボードが抜けちゃって。

高木:アレンジも完全にイチから全部やり直したんです。

坂本:超しんどかったです(笑)。

-作り直すうえで、特に大変だったのはどういうところですか?

高木:今作は最終的にアレンジャーに投げた部分もあるんです。そのやりとりは相当多かったですね。バンドでリハスタに入ったら時間も限られるから2、3時間で終わるけど、ネットワーク上だから、送って戻してという作業を繰り返しました。

佐々木:私たちはまだお金もないから、打ち込みで作る音源も、デモテープ用のツールだけで作ったりしました。頭の中だと"こういう音がいいな"っていうのはあるんでけど、その音を持ってなかったんです。

坂本:そういうところを助けてもらった感じですね。だいたい僕らがトラックの方向性を8割ぐらい作ったうえで、"バスドラを一番いい音にしてくれ"みたいな。

佐々木:最終的には自分たちだけで作れるようになりたいと思ってます。

-足りない音を補完する以外に、アレンジャーを入れて良かったことはありましたか?

坂本:どうやったらエドガー・サリヴァン(以下:エドサリ)っぽくなるか、アイデンティティは何かというのが、他の人が入ることによってわかった部分がありますね。

佐々木:"こうすると聴きやすい感じになるよ"と結構言われるんです。そういう作業のなかで、"こうしたら個性が消えちゃうんだ"とか、"ここが変わると、私たちは許せないんだ"ということはわかった感じがします。

-そこで見つけたアイデンティティは説明できますか?

佐々木:その説明がすごく難しいんですよね。

高木:ひと言で思いついたよ。"7周回ってミュージシャンに愛される音楽"。

佐々木:初めて聞いた(笑)。

坂本:何の話?

高木:そういう話、しなかったっけ? 例えばPerfumeは、音楽の入り口としてすごく幅広くて聴きやすいポップなんだけど、コアな音楽を好きな人が聴いても良い音楽じゃないですか。僕も音楽を始めてからそういう音楽をすごく好きになりましたね。