Japanese
エドガー・サリヴァン
Member:佐々木 萌(Uta) 坂本 遥(Gt) 高木 祥太(Ba)
Interviewer:秦 理絵
-「電波少年少女」を聴くと、たしかにシティ・ポップだけじゃない。ちょっと神秘的でスペース・ロックな感じもありますね。
坂本:この曲は唯一編曲が入ってなくて、祥太のアレンジのままですね。
高木:僕が打ち込んだ音を全部使ってて、そこに遥がぶっ飛んだギター・ソロを入れてます。
坂本:みんなが"Nile Rodgersが......"と言っているこのご時世に、僕はB'zの影響を受けたって声を大にして言いたいんです。やっぱり時代によって、何を聴いてたらセンスがいいかっていうのもあるじゃないですか。だから、それをちゃんと言って偏差値を高くしたいのもあるんです。僕はアニソンや、ミュージシャン同士の会話だったら出てこないようなアーティストもいっぱい聴いてるんです。今まではそれをアウトプットする場が全然なかったんですけど、萌ちゃんの曲だったら何でもできる。ギターの自由さがありますね。
佐々木:影響を受けたのがB'zだって全然思わないと思う。自分の曲に遥のギターが乗ったって感じ。それがすごく面白いと本気で思うフレーズなんです。
-「2015年宇宙の旅」は途中でクラシカルなピアノが出てきます。
佐々木:それもネイチャーな部分ですね。祥太が作った2曲は、アメリカのゴスペル系のロックのイメージなんですよ。出し方はエドサリっぽいから、その印象を持つ人はいないかもしれないけど。
高木:コーラスが多いしね。僕は"ブラック・ミュージックが好きです"って言って、偏差値を上げてる方なんで(笑)。その影響は受けてるかもしれないです。
坂本:たしかに、リフが小節を跨いでくる感じはIsrael & New BreedとかJoe Paceみたいなゴスペルっぽい。
-曲順の話をすると、最初は東京で生まれるけど、6曲目の「海月」で海の底に行って、7曲目の「2015年宇宙の旅」で宇宙まで行っちゃうという構成もいいですね。
坂本:そうなんですよ。「2015年宇宙の旅」の元曲は「トーキョー・ネイチャー」で、メロディが一緒の部分があるんです。
高木:意図してなかったんですけど、最初に萌ちゃんが「トーキョー・ネイチャー」を作って、そのあとに僕が作った「2015年宇宙の旅」がめっちゃ似てたんです(笑)。"パクリだろ?"って言われたけど、本当にパクリではないですよ。でも、結果的に寄せました。
坂本:そこで両方とも"生まれ変わるのよ"という歌詞をつけたんです。結局1曲目と7曲目で生まれ変わってないんだというのがグッときてるんですよね。
佐々木:だからこのミニ・アルバムでは何も起こってないんです。"今、この瞬間"の僕らですよね。でも、生まれ変われていないというより、そういう秘めた気持ち、これから生まれ変わる決意が7曲通して繋がってると思います。
-エドサリが生まれ変わるとしたら、次回作以降ということですか?
坂本:そうですね。今回、最高の作品ができたと思うけど、まだできる。今作を作っていくなかで見えたものがいっぱいあったので、これを聴いたうえでこの先を見てほしいです。
高木:音像としては初期衝動的な雰囲気は見受けられないかもしれないけど、根本を辿ると今作は初期衝動そのものだと思うんです。
坂本:"パソコンで音楽を作ってるのが楽しい!"という感覚ですよね。それもすごくフィジカルな作業だと思います。
-わかりました。今後はそれぞれのソロもバンドもやりつつ、エドサリも本格的に活動していくんですか?
坂本:エドサリみたいな形も面白いと思うんです。ドラムはいないけど、ライヴハウスでやってもいいじゃないか、と。NGなしでやりたいので、いろんなことに挑戦できたらなと思ってます。
高木:"NGだ"って言う人にNGと言わせないところまで持っていくのが目標ですね。
坂本:僕はTHEラブ人間もやってるから、もちろんバンドにはドラムがいるものだし、"ロックでしょ"という気持ちもあるんです。でも逆にTHEラブ人間があるからこそ、この3人なら本当に何でもできるんだなと思ってます。ユニットが一番自由だし、どこまでもいけるなという感じもしてますね。
-それは無礼メンのメンバーでもある高木さんも同じように思いますか?
高木:完全にセパレートしてますからね。方法論から完全に違う。結構新しいものができるんじゃないかという気はしています。逆サカナクションというか......。
佐々木:また意味がわからない(笑)。
高木:いや、逆サカナクションでもないのかな。生バンドの部分にシンセが乗っかってるというよりは、打ち込みのドラムに生プレイが乗るというイメージ。それが新しくて面白いかもなと思っています。萌ちゃんの世界観に合ってるなと。
佐々木:そういうライヴを観たことがないですからね。
-エドサリのライヴはバンド感を前面に出した泥臭い感じになるんですか?
高木:そうですね。音源のパッケージングとしてはきれいにしてるからこそ、ライヴでは遥が前に出てギターでバーンッといくみたいなバランスはありますね。
坂本:もともと萌ちゃんのサポート時代から、超ロックでバンドっぽいのをやりたい気持ちは絶対に変わってないんです。だから、ステージに立ってるとその当時の雰囲気が残ってる感じはありますね。
-11月30日には下北沢CAVE-BEでレコ発ワンマンがあります。ワンマンとなると、曲数も必要ですよね。持ち曲は結構あるんですか?
佐々木:5人時代に作った曲もやろうと思ってるんです。
坂本:新曲もやろうよ。リリース・パーティーで新曲をやるのもどうかと思うけど(笑)。
今作のレコーディングが終わってから、すごいスピードで新しい曲が作れてるんですよ。新たに6、7曲ぐらい作りましたからね。
佐々木:曲をどんどん作ってると自分たちもどんどん新しくなっちゃうけど、まずはこのアルバムをいっぱい聴いてほしいです。どうにかして興味を持ってもらいたい。こういうとき、何っぽいとジャンルが言えたら、好きな人に気に入ってもらえると思うけど......。
-何々っぽいとか言われるのは嫌いなユニットですからね(笑)
佐々木:そうなんです。キャッチコピーをつけるのがすごく難しいよね。
高木:でも、"Perfumeっぽい"って言われたら嬉しいかも。
坂本:僕ら、Perfumeになりたいんですよ。夢はPerfumeに入るか、エドガー・サリヴァンが売れるかどっちかなんです(笑)。
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