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INTERVIEW

Japanese

DECAYS

2016年01月号掲載

DECAYS

メンバー:Die(Vo/Gt) 樫山 圭(Dr)

インタビュアー:沖 さやこ

DIR EN GREYのギタリストとして知られるDieとMOON CHILDのドラマー、樫山 圭を中心としたユニット"DECAYS"が初作品『Red or Maryam』をリリースした。THE NOVEMBERSの小林祐介(Vo/Gt)とDieによるツイン・ギター・ヴォーカルを展開する今作は、ダンサブルなシューゲイザーにデジタル要素、楽曲によってはヴァイオリンやラップが入るなど、様々なアイディアが溢れたポジティヴな作品だ。熟練されたキャリアと新しく動き出したバンドとしてのフレッシュさが混在する新感覚のポップ・ソングは、非常に心地よく味わい深い。

-まずDECAYSというユニットが始動した経緯を教えていただけますか?

Die:もともと樫山さんとは付き合いが長かったんですけど、2013年に初めてカバー曲をセッションする機会があって(※Dieと樫山がアニメ"ドラゴンボール"のべジータ役で知られる声優の堀川りょうのバック・バンドを務めた)。それまで自分はDIR EN GREYでしか音を出すことがほとんどなかったんで、樫山さんと音を鳴らして"こういうビートの上でギターを弾いたらこんな感じになるのか"とか、いつもと違う景色が見えて刺激になって。だから"オリジナル曲を作れたらいいっすね!"という話をして......。それから結構時間が経ってしまったんですけど(笑)。メンバー探しになかなか手こずったんですよね。

-1年がかりで見つけたメンバーがTHE NOVEMBERSのギター・ヴォーカルの小林祐介さんと、ベーシストのGさんと、チドニーさんですね。

Die:小林君は樫山さんの知り合いの知り合いで、樫山さんが"小林君どう?"と提案してくれて。でも(DECAYSでは)ポップに突き抜けたことがやりたかったんで、実は最初は彼のダークな雰囲気がポップなものと合うんかな......?とも思って。それでまずは一度小林君に会ってみようと思って、会ってみたら彼も"ポップなものも好きです"と言っていたので"じゃあ1曲試しに歌入れしてみようか"と。ものすごくキャッチーな曲を歌ってもらったんですけど、いい具合にハマったというか、世界観ができて。

樫山:うん。彼が歌うことでシューゲイズのちょっと曇った感じが出て、それがいい感じで。

Die:ベースのGも20年くらい前から顔見知りではあったんですけど、5年くらい前にたまたま再会したときに初めて連絡先を交換したんです。それから彼もCDを送ってくれたりして、メロディアスでポップ・センスのある、しっかり歌心を持ったベースを弾くんですよね。自分はDECAYSにそういうものを求めていたところもあったので、声をかけて。

樫山:チドニーは僕の身近な後輩弟子ですね。最初はコーラスで入れる予定やったんですけど、小林君もDieも歌うことになって......チドニーの立ち位置がなくなって(笑)。

Die:でも声かけてもうたし、スタジオにも来てるし......何か職を与えないと!って思って(笑)。

樫山:"じゃあラップやって"って初めてのラップをやらせて(笑)。もう何者かわからん方がいいわーみたいな話をしてて。それで東名阪ツアー(2015年7~8月に行われたDECAYSの自主企画ライヴ・ツアー"THE GROWTH TO DECAY"。その初日の赤坂BLITZ公演がDECAYSの初ライヴとなった)の前にリストを渡さなあかんからDieに"チドニーのパートどうする?"と聞いたら"☆"って書いてきて(笑)。

Die:"保留"の意味でわかりやすく"☆"と書いたんですけど......まあスターでいいんじゃない?って(笑)。実際なんでもできるオールマイティで器用なやつで、このユニットにとってはすごくキーマンなんですよ。こっちがアイディアを出すとすぐやってくれるので、いいエッセンスになってますね。

-では今作『Red or Maryam』をポップに突き抜けた方向性にしたいと思った理由は?

Die:DIR EN GREYしかやっていなかった反動もあるのかもしれませんね。自分の中でポップなものをアウトプットすることが抑えきれなかった......というとちょっと違うかなあ。でもそういうアウトプットがないと自分自身が厳しいという部分もあって。だから今はDIR EN GREYとDECAYSとふたつのアウトプットができたことで気分的にラクになったところもあるんです。

-Track.1「Secret mode」のMVを拝見したとき"Dieさんがこんなふうにギターを弾く姿を初めて見たな"と思いました。

Die:ああ、そうですかね。DIR EN GREYのときとは使ってるギターも違うし、ああいうシェイプのギターを持って人前に立つのも初めてやったし。あんなにちっちゃいアンプだけでライヴをするのも人生で初めての経験(笑)。何に関してもちょっと"やってみようかな"と思いついたらやっていった方がいいなと思ってね。"じゃあ時間があるときにやろうか!"だと時間なんかあっという間に過ぎてしまうし。それは音楽に限らず人と会うのも同じで"会いたいな"と思ったらできるだけすぐ会いに行った方がいい。

-そういう考え方になったきっかけは?

Die:DIR EN GREYも20年くらいになるんで、ベテランまではいかないにしても長くやってきて"これからどうなっていくんかな?"と考えたときに刺激になることがあった方がいいなと思ったんです。そろそろやってこなかったことをやっておかないとなと。

-今回の曲作りはいろいろと試行錯誤なさったそうですね。

Die:そうですね。まず樫山さんと自分で曲を出し合って、そこに小林君が歌ってみたり俺が歌ってみたり。俺はやりたいようにやって、それを樫山さんがジャッジしてトータル・プロデュースをしていくというパターンですね。

樫山:Die君はロックで僕はポップ畑の人間なので、お互いそれを出し寄ってどちらでもないものをひとつ作りましょうというところからスタートして。最初にお互いが"あ、いいね。この感じ"と共鳴したのがドラムとギターのカッティングが作る"リズム"やったから、それ基本にグルーヴを作りましょう、そこにデジタルなものを入れましょうと。そのあとに小林君が入ってきたのでシューゲイザーの要素も加わって、その3つを軸に楽曲を再構成するというのが今回のテーマなんです。

-デジタルも必須だったと。

樫山:曲を作ってるとついつい入れちゃう(笑)。でもデジタルな要素が入っていたことでスター(チドニー)の役割もつけやすくて。

Die:シューゲイザーにダンサブルなものが入るとまた面白い景色が見えてくるなあ、と思って。じゃあそこを融合させていこうと。

樫山:最初なんで楽曲はバラエティに富んでていいかなと。それで作った曲を夏の主催イベントでお披露目して、お客さんの反応で"これセーフ? アウト?"みたいな線引きを探してました。Track.6「ラナ ~from Future Boy~」はアウトやろ!と思ってたんですけど(笑)、アンコールでチラッとやってみたら意外とお客さんの反応が良くて。"あ、これDIR EN GREYのファン大丈夫なんや!"って。

Die:これくらいのメジャー・キーの曲はインディーズ時代にしかやってなかったからどうなるんやろなと思いつつ(笑)。俺はこういうメジャー展開の曲から遠ざかってたので、そういうギターを弾くことが刺激的なんですよ。......でも制作は大変でしたね。自分もDIR EN GREYで海外ツアーをしてる最中にデータでやり取りをして作っていったので。

樫山:レコーディングも家でやってるメンバーもいるんですよ。だから全員で集まるのはライヴ・リハとかライヴのときですね。(2015年12月開催の東阪で開催される)ワンマンのリハのために8月のライヴぶりに5人が集まって(笑)。