Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Overseas

1990s

1990s

Member:Jackie McKeown ? aquarius

Interviewer:Office-Glasgow/kazutoshi "bithead" yasunaga

グラスゴー出身の3ピースロックンロール・バンド、1990s。前身バンドだったYUMMY FURにあのFRANZ FERDINANDのボーカルとドラマーが在籍していたのは今では有名な話。1990s結成後、たった6回のライヴで名門レーベル~ROUGH TRADE~と契約し一躍 脚光を浴びた。THE ROLLING STONESやTHE CLASHの影響を感じさせるイギリス伝統のロック・サウンドと、グラスゴーならではのフックのあるキャッチーなメロディーが同居するその音楽は日本でも人気を博している。初来日の際はベーシストが来日直前に脱退し、あの元サニーデイ・サービスの田中貴氏が急遽サポートに決定したのも有名なエピソードで、洋楽ファンのみならず、日本人アーティストの間でも人気が高いことを見事に物語っている。

-新作『Kicks』は、とても「ロック!」したアルバムですね。レコーディングはどれくらいかかったのでしょう?そして、新作を作り終えてどんな気分ですか?

最初のレコーディングは、去年の夏に4?5週間で終えたんだ。すごく早く作業できて、ある意味ではそれはいいことだったんだけど、ミックスした音源を家に持って帰ってみると、なにか足りないような気がしたんだ。だから、もうちょっとスパイスを足したいと思って、それからさらに一ヶ月を費やして数曲を書いて、冬にまたレコーディングを行ったんだ。レコーディングはいくつかのスタジオで行われたけど、ミックスはすべて、Edwyn Collinsのスタジオでやってるよ。それが一番、ホーム感覚でできるからね。 こうして出来上がった作品には、みんな満足していると思う。アルバムを今聞くと、喜びが感じられるからね。でも、アルバムを作り終えるっていうのは、いつでもちょっと悲しかったりもするけどね。これから新曲を書いても、次のアルバムまで待たなくちゃいけないからさ。アイデアが新鮮なうちにレコーディングできるように、3ヶ月ごとにスタジオに入れればいいなって思うよ。でもほんと新作には、満足しているよ。

-1990sのサウンドは時に、THE ROLLING STONESやDavid Bowieなどの60?70年代の音楽を引き合いに出して語られますが、今作では、よりバラエティに富んだ楽曲が収録されていますね。さながら、その60?70年代から80年代、90年代のサウンドまでを凝縮して、2009年の最新のロックに昇華したような感じがします。この点についてどう思いますか?こうしたバラエティに富んだサウンドは、意図的なものだったのでしょうか?

みんな同じことを言うんだ(笑)ファーストの『Cookies』の曲は、アルバムに向けて書かれたものじゃないからね。基本的に、僕らがライヴで演奏して楽しむのに書いた曲ばかりだったんだ。でも新作『Kicks』では、きちんとアルバムに向けてじっくりと曲を作ることができたからね。それは、僕らのお気に入りのアルバムってのは、どんなサウンドであるべきなんだろうって考えるすごくエキサイティングな作業だったよ。僕らは、70年代のTHE ROLLING STONESのようなサウンドはやり尽くした感じがあったし、ファースト後の長いツアーで、僕ら自身のサウンドも自然と変わっていったんだ。特に、こうしようっていうコンセプトがあったわけじゃないけど、もっとカラフルでバラエティに富んだサウンドになるっていうことは、最初から分かってたよ。

-新作での変化のひとつに、メンバー3人がそれぞれメイン・ヴォーカルを取っている点がありますね。これもアルバムをとても興味深いものにしていると思います。この変化はどうして起こったのでしょう?また、自信を含め、それぞれのヴォーカルについてどう思いますか?

このバンドを始めた当初から、ヴォーカルは全員で担当してたんだよ。『Cookies』の「Arcade Precinct」と「Risque Pictures」は、ドラムのMichael McGaughrinが歌ってるしね。そして新しいベースのDino Bardotが加入してバンドでハーモニーを歌った時に、僕とMichaelは、3人目のシンガーがバンドに生まれたぞって感じたんだ。Dinoは、ソングライターでもあるし、だから、彼の書いた曲は、彼が歌うのが一番って思ってそれぞれのヴォーカルの曲ができたんだよ。3人の異なった声が聞けるっていうのは、この新作で気に入ってる点のひとつだよ。ドラマーやベーシストが歌うっていうのは、ロック・バンドにおける古典的な失敗のひとつだと思うんだけど(笑)、僕らのバンドに限ってはそれはうまくいってるよ。僕らの声は、それぞれ違ってて声質が被らないからね。Michaelは、聖歌隊の男の子って感じで、Dinoはうなるようなパワフルさがあると思うよ。僕?う?ん、僕はいいシンガーだとは思わないけど、すくなくとも思ったように自由に歌ってるよ!