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Japanese

the telephones × Christopher Allan Diadora 対談インタヴュー

2013年10月号掲載

the telephones × Christopher Allan Diadora 対談インタヴュー

天野 史彬


-でもやっぱり、ポンッと海外に行ってしまったDiadoraのふたりと、その間、曲を作り続けて作品をリリースしていたtelephonesの活動のスタンスの違いは大きいですよね。telephonesはむしろ、日本のメインストリームの中でやってかなきゃいけないっていう意識が強かったですよね?

石毛:そうですね。上の世代に負けてるなって思ったんですよ。俺たちの上の世代はAIR JAM世代で、その人たちが切り開いたように自分たちもやりたいって思ってたんですけど、周り見たけど誰もいないなって(笑)。だから、とりあえず自分たちで行くしかないっていう。......まぁ、そこまで売れるつもりでやってるバンドではなかったんですけどね。"DISCO"って言葉が、意外とウケがよくて(笑)。

DoonYukihiro:ははははは!

石毛:そこから、自分たちの音楽を聴いてくれたらいいなって思いましたけど。でも、最初は(新宿)MARZがソールド・アウトすればいいやってぐらいだったから、メジャー行ったくらいからからですかね、メインストリームを意識し始めたのは。その頃にサカナクションと会って、(山口)一郎さんと"ロックの中でアンダーグランドなことをやって、そのままオーヴァーグラウンドに行こうよ"っていう話をよくしてて。洋楽志向のバンドがどんどん減っていってた時代だったから、このスタンスのまま上に行けたらいいなって。今は僕らも日本語でやってますけど、Kingsの参加条件にも"英語であること"っていう縛りもあったから。

Yukihiro:へー!そうなんだ。

石毛:うん。この洋楽から影響を受けたスタンスでやっていって、日本語のギター・ロックの市場で残っていこうって思ってやってましたね。

-むしろDiadoraは、シーンの動きみたいなものはあまり考えず、自分たちのやりたいことを欲望に忠実にやっていく感じだったんでしょうか。

石毛:telephonesも基本はそうなんだけどね。

Yukihiro:うん、基本は同じなんだけど、我々は好きにやってるっていう部分を敢えて全面に出したかったんですよ。アンチテーゼってわけじゃないけど、これを割り切ってやってるバンドが周りにいないじゃないかと思って。ライヴをあんまりしないとか、ライヴ中は楽しそうに演奏しないとか、他のバンドがやらなさそうなことを前に出していくというか。

Doon:そういうのをやってるのが面白いんだよね。

Yukihiro:そう。それを演じるじゃないけど、出していくのが面白いんですよ。で、周りは引いてるんですけど(笑)、それも面白いんですよ。それに、中にはそれを凄く面白いと言ってくれる人もいるので。そうやって選民していくというか。人のリアクションを見るには、極端なことをやったほうが面白いと思う。

石毛:それが盛り上がれば、引く人もいなくなるしね。俺の高い声とかも、最初はそうだったかもしれない。

Doon:うん、有りになれば有りになるかなね。別に"DIY最高!"とも思ってないし、telephonesに対して"売れてくれるな"とも思ってないんだけど(笑)。

Yukihiro:あと、海外のバンドを好きになると誰でも経験すると思うんですけど、すげーいいアルバムを作った後に、全然よくないアルバムを作られて裏切られるっていう(笑)。これが燃えるんですよ。要するに、守りに入らないっていうことですよね。売れようがどうしようが好きなことやるぜってバンドが向こうは多いんですよ。それで大スベリするバンドもいれば、1周回って評価されるバンドもいるし。そういうのが俺は面白くて。そういうことをやるバンドが日本にももっといれば面白いのになって。

Doon:日本だったら、どうしても"嫌われちゃったらどうしよう"っていう感じになるからね。

-telephonesもDiadoraも、形は違えど海外と日本の差異っていうものを意識しながら活動をしてきたっていうことだと思うんですけど、そんな2組から見て、今の日本のシーンってどうですか?

Yukihiro:うーん、やっぱりフェス?入り口もフェスなんだけど、ゴールもフェスみたいな。

石毛:うん、年間スケジュールをフェスに合わせてるバンドも多いし。それはいいような悪いようなっていう感じで......俺はよくないと思ってるんですけど。あと、若い子はドメスティックなバンドが増えたなって思いますね。国内のバンドに影響を受けてバンドをやってる子が多いなって。悪い意味じゃないんですけどね、世代が違うんだなって。

Yukihiro:でもさ、今は海外もシーンがつまんないっちゃ、つまんないよね。

Doon:いわゆる"ロック・バンド"っていうのは減ったしね。

Yukihiro:ロック自体のフォーマットが多様化してしまって、フォローすることも大変な時代になってるから。たとえば、2001年~2002年とかだったらTHE STROKESがドーンと出てきて、みんな"あれやろう"って感じになったけど、今はそういう流れも世界的にできにくいから。だから、"海外のバンドはこんなにカッコいいんだ"って洗礼を受ける若い子は減ったかもしれない。

石毛:確かに、キャッチーな海外バンドは減ったかもね。音楽的に複雑になっていくバンドとかがインディー・シーンには特に多いから。初期のOGRE YOU ASSHOLEとか、痛快だったね(笑)。

DoonYukihiro:(笑)。