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Overseas

BEADY EYE

2011年03月号掲載

BEADY EYE

―Liam Gallagher、Andy Bell、Gem Archer、Chris Sharrockの4人が放つ新たな輝き―

そう、誰もがLive Foreverな存在と信じて疑わなかったOASISの終わりから約1年半、新章を告げるデビュー・アルバム『Different Gear,Still Speeding』がついにリリースされた。すでにあらゆる反響を起こしているが、やはり期待を裏切らない、英国の崇高な音楽史を辿った“かっこいいロックンロール”の数々に胸が高鳴り、フライング承知で“F**k Yeah!年間ベストだ!”なんて騒いでないかい?
それほどまでにこのデビューは嬉しいサプライズだ。一体なにが起こったんだ?これまでの経緯を“英国ロック事件簿”のひとつとして語り継がれるであろう、あの日まで振り返ってみよう。

それはお決まりの出来事……のはずだった。09年8月、フランスのフェスの楽屋で起きた兄NoelとLiamの兄弟喧嘩だ。ささやかな口論から起きたらしいが、今だハッキリとした理由は語られていない。その後、Noelはウェブ・サイトを通じ“脱退宣言”、そしてファンへの感謝を綴った“声明文”までも発表する。
いつもと違う空気に世界中のマスコミが“どうなるOASIS!?”と両者を追いかける中、Liamが英タイムズ紙のインタビューにて“OASISは終わった”と発言、そしてNoelも将来的なソロ活動を明言する。このあまりにもあっけない幕切れに、熱狂的なOASIS信者は途方に暮れただろう。そんな心情を察してか、それとも自身が感傷に浸るのを拒んだのか、Liamは短い休暇から戻るとすぐさま動き出した。

残された4人でのバンド活動を決断し、さらに新たなアルバムを作ることを宣言し、以降断続的なデモ・レコーディングを行なう。この間Liamはアパレル・ブランド、Pretty Greenの活動にも本腰を入れ、昨年3月にはプロモーションとして極秘来日もしている。そして同年6月にはプロデューサーに大御所Steve Lillywhiteを迎え、ロンドンのRAKスタジオにて本格的なレコーディングに突入。11月にはアルバムに先行して「Bring The Light」をフリー・ダウンロードで世界公開。第2弾としては「Four Letter Word」、リード・シングルとなる「The Roller」、「Beatles And Stones」と続々公開されたが、ヴァイナル派を自称するアナログ人間Liamも現代の利便性を活かしたいと思ったのか。いや、きっと自信の現れだろう。日増しに期待が高まる中、アルバムは日本先行としてリリース。そして今頃は世界中でリリースされ、熱烈な賞賛を浴びてるのではないか。

本作のクレジットはすべて「Gallagher/Archer/Bell」となっている。元々の原曲は3人それぞれ別個で書きながら連名として表記されているのは、このバンドの新たな絆を象徴している。誰にも絶対的な指揮権などなく、アルバムはメンバー全員で取り組んだ
“共作”なのだ。BEADY EYEのマジックはそこに起こる、そう確信させるアルバムだ。それは5月の来日公演でも起こるだろうか?
なんて懸念するとLiamに怒られそうだ。“ふざけんなこらぁ!黙ってついて来い!”……もう一度、この1枚がロックンロールの洗礼になってほしいと心から願う。(伊藤 洋輔)


遂に、元OASISのLiam Gallagher新バンド“BEADY EYE”の1stアルバムが世に放たれた。まず、冒頭の「Four Letter Word」を聴いているうちに、自然と顔がほころんでしまった。まさしくロックン・ロール全開!弾けるようなリズムと力強いギター、そこに最強のシンガーLiamのヴォーカルが響き渡って華麗ですらある。ここまでシンプルなロック・サウンドを聴いたのは久しぶりだったので、新鮮な気分にさせられた。OASIS時代より心なしか肩の力が抜けて、のびのびとしたような歌声を聴かせてくれるLiam。どこまでも純粋に自由に音楽と向き合った、無敵の新人バンドBEADY EYEの誕生だ。(成田 早那)


09年のNoel GallagherのOASIS脱退劇そして活動休止発表から約一年半、早くもBEADY EYEのデビュー・アルバムが届いた。“もう世界一のバンドじゃないし”その言葉が象徴するかの様に世界のあらゆるOASISファンの期待をひらりとかわしながら、またその上を行くフレッシュで力強いアルバムだ。60年代のブリティッシュ・ビートを基本としながら生々しいサウンドが印象的。Liam Gallagher のヴォーカルも今まで以上に深みがあり暖かい。疾走感たっぷりの攻撃的なナンバー「Four Letter Word」からの冒頭3曲で、気が付けばBEADY EYEに夢中になっている。新たにお気に入りのバンドを見つけた時の爽快感、極上のロックンロール・アルバム! (遠藤 孝行)

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