Japanese
The Gentle Flower.
Skream! マガジン 2025年12月号掲載
2025.11.10 @下北沢MOSAiC / 近松
Writer : 遊津場 Photographer:マチダナオ、イワモトアリム
群馬発のロック・バンド The Gentle Flower.(以下:ジェントル)による2会場往来型サーキット・イベント"The Gentle Flower. pre. 「Light up」"が、11月10日に下北沢MOSAiCと近松にて開催された。このイベントは今回で10回目を迎え、これからも共にシーンを切り拓き、日本の未来に光を灯す同志となるバンドを呼んだ結成7周年企画。輝くような笑顔が咲き誇った1日から、9組のライヴをレポートする。

まずは近松にてジェントルのアコースティック・ライヴからスタート。金子大伸(Vo/Gt)は"俺たちが100パーセント信頼している仲間たちと、100パーセント愛を交わし合えるあなたたちと作る1日だと思っておりますので、本当に最後の1秒まで楽しみ残しのないように楽しんでください。「Light up」始めます!"と開会宣言。そこから始まった「Fate」は、朝日が昇るように優しくじっくりと温度を上げながら会場を染めていく。途中リズムが変わるところも息ピッタリなところに、さすが7年目という安心感もあった。続く「ゆめのなかで」は色気のあるサウンドで、森下祥伍の愛を込めながら儚さを醸し出すギター・ソロも魅力的。最後は手拍子でピースフルな雰囲気を作った「サイダー」で締め、仲間たちに繋げた。

MOSAiCのトッパーは新潟の盟友 ドミナンラーフ。1曲目「才能人」から力強さとキャッチーさを兼ね備えたバンド・サウンドを響かせると、曲が進むにつれてクラップやハンズ・アップが増えていく。さっそく心を掴むとふじとわ!(Gt/Vo)は"やることは1つだけ! トッパーを任されたからには爆弾を落として帰ります!"とさらにギアを上げて、「ハーモナイズ」と「君と陽炎」を届けた。抑えられない勢いとジェントルへの愛が重なった結果、最後の「スーパーロックバンド!!」でふじとわ!はフロアに降りて衝動的に演奏。ギターのストラップが取れてもお構いなしだ。最後はジェントルの金子と肩を組み、"伝説の始まり!"と叫んで終了した。

近松に移動すると、すでにSouvenirが渋くてカッコいい音を鳴らしていた。クールに欲しいところで欲しい音が来る玄人好みのバンド・サウンドと杉山悠佑の伸びやかでクリアな歌声が心地よいバランスで届き、リスナーの心を奪う。ポルノ藤田(Dr)のコーラスも効果的だし、近藤空良(Ba)の指捌きやプレイ姿にも目を奪われた。純度の高さは失われるどころか最後の「シャッター」が終わるまで高まる一方だ。静かにもきっちりと体を揺らせて、音世界へ逃避行させるリズムメイカーの実力を遺憾なく発揮した。

あるゆえは攻撃的且つ表現力の高いステージングでどんどん魅了していく。MOSAiCの照明との相性もばっちりで、彼等の持つ熱やドラマチックさをさらに高めていく。この音を浴びれば雑念を持つ隙間等ない、そんな時間だ。MCで"今日は革命を起こす日!"と紫月(Vo)は話したが、その革命はいつだってここから始まると言わんばかりの「ライブハウス」では、フロアもつられて全ての感情を思い思いに解放する。そんな親愛なるフロアと作った「讃美歌」の合唱は、この日のハイライトの1つになった。

"余計なことを言うの止めた"と、後輩の晴れ舞台にライヴで先輩の姿を示したのはkalmia。希望の光も、爽やかな青春の味も、情熱的なナンバーも、ストーリー性のあるバラードも、本能を剥き出した音も、どの姿も強かった。共通していたのは、その曲の持つ良さを真摯に出しながら、今そこにいるあなたに向けて訴えかける様。それはこれからも付いていきたいと思わせるには十分な、強いリーダーシップを示し続けていた。いつだってシーンの新たな扉を開く超新星は、地道に夜を越え続けたロック・バンドなのだ。

Halujioは元気いっぱい! まばたきさえももったいなくなる、ステージ上の無我夢中さ!マイクやアンプを通しているのを忘れる程、生のまま熱量が届いてくる。当然会場の熱気は上がっていき、これから夏に向かうかと思うくらい季節を巻き戻す熱さだ。どこを切り取っても少年のワクワクが輝いていて、何度でも立ち上がる力をくれる曲ばかりだった。ジェントルとは初対バンだったが、20分という時間で6曲も詰め込んで強烈な挨拶をかました。事前のコメント動画で仲良くなりたいと言っていたが、こんなことされたら、ジェントルも嬉々としてこれから長い付き合いをせざるをえないだろう。

"20分一本勝負!"、そう宣言してMCなしで、バラエティ豊かな楽曲で魅せたのはカラノア。ダークな「番」の後に、慈しむように抱きしめる「ねむ」を繰り出す流れはカラノア独自のアートだ。また、雄大(Vo/Gt)が時にフロアの様子を見て"いいねぇ〜"と不敵に笑う姿、悪魔に憑依されたようなステージング、シャウトもラップも透明感も切なさも自由自在なヴォーカルもあって、底知れない可能性を見せてくれた。捉えどころのないカラノアの音楽に踊っていくうちに沼にハマっていくフロア。ジェントルに繋げると言っていたけど、全員かっさらう気満々だった。

近松ラストはジェントルの戦友 ADLER°。だからこそ"この20分間はただ俺たちに付いて来てください!"と石河尚修(Vo/Gt)が叫んだ通り、バチバチにトリのジェントルに勝ちにきた! 同時に、"一緒に前を見て未来を見据えていきたい"とメッセージも残した。EDMを交えたバンド・サウンドは枠を感じさせず、スケールもあって輝きに満ちているので、さながら銀河のよう。そこに4人の"もっと来い!"という熱量ある煽りが加わると、フロアもクラップしたり、手を左右に振ったりして反応して、銀河はさらに広がる。きっちりフロアとビッグバンを起こして、ジェントルに繋げた。
そして主催のThe Gentle Flower.へ。金子はフロアに向けて"あなたを含めた仲間と呼べる全員で新たな未来の幕開けを始めましょう! 「Light up」ホスト、群馬からThe Gentle Flower.始めます!"と叫び、「有名になったら」からスタート。何よりも雄弁に"これからも共に"という誓いを感じる曲だ。加えて、すでに多幸感が溢れて無敵モードの4人のライヴは、観ているこちらも今日の疲れとか日々の鬱憤とか、そういうものを忘れて盛り上がることができた。続けて新曲「シノプティコン」を投下。彼等のまっすぐなイメージとは違ったサイケ感のあるサウンドが本能を刺激する。そのままノンストップで繋いだ「YELLOW」では"今日イチ見せてもらっていいですかー! マジで革命起こそうな!"とさらに煽る金子。森下も尾崎 匠(Ba)もいつステージから落ちてもおかしくないくらいアグレッシヴだし、マナム(Dr)も後方からそのエネルギーをさらに後押しする、バンドのエンジンのようなドラムだ。フロアもクラップや、サビでは"せーの!"の合図で多くのハンズ・アップで応えた。4人は楽しすぎて予定外の「片足の少年」も披露。その衝動はステージ上でも見られ、金子と森下がお立ち台にいる間に、尾崎が空いたスペースにダイブ! マナムも含め気持ちが全面に出ていた。そしてMCで"出てくれた仲間や今日来てくれたあなたのことを忘れず、嘘をつかないでいつでもまっすぐに愛を込めて歌っていきます!"と伝え、このかけがえのない時間を抱きしめながら愛を伝えるバラード「Y」で本編を終了した。
アンコールに登場した森下は、"不安もあった"と口にしたが、"これが答えです! これからも付いて来てください!"と感謝と決意を伝える。そして金子が"大成功を超大成功にしよう!"と「スペースダイバー」を披露。ドミナンラーフのふじとわ!が衝動的にステージに飛び出すと、金子は自身のギターを彼に託し、5人で演奏した。その光景に観客はもちろん、出演者も破顔のままそのステージを楽しむ。誰一人置いていかずに1つになったMOSAiCに"ラブ&ピース!"と金子が最後に叫んで、イベントは終了した。
宇宙のように広い音楽シーン。そこでここから一等星のように輝き続けるのは、群馬からどこまでもまっすぐに愛を伝えるロック・バンドとその仲間たちかもしれない。そんな未来を見せた1日だった。
[Setlist]
■The Gentle Flower.(アコースティック)
1. Fate
2. ゆめのなかで
3. サイダー
■ドミナンラーフ
1. 才能人
2. ハーモナイズ
3. 君と陽炎
4. スーパーロックバンド!!
■Souvenir
1. Category5
2. Bitter Hug
3. クロマチック
4. 流星群
5. シャッター
■あるゆえ
1. 騒音楽
2. 宣戦前線
3. 晩餐
4. ライブハウス
5. 讃美歌
■kalmia
1. 黎明讃歌
2. サイダートーン
3. ナスタチウム
4. アセビ
5. Supernova
■Halujio
1. オールド
2. cyan blue
3. homie
4. アールグレイ
5. tomas
6. 目を凝らして
■カラノア
1. Paradise
2. レイ
3. 番
4. ねむ
5. aquarium
■ADLER°
1. オーバーグロー
2. アングライフ
3. Collage
4. ラストテイク
5. ファンタジック・ディスタンス
■The Gentle Flower.
1. 有名になったら
2. シノプティコン
3. YELLOW
4. 片足の少年
5. Y
En. スペースダイバー
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