Japanese
CVLTE
Skream! マガジン 2021年08月号掲載
2021.07.04 @東京SPACE ODD
Writer 荒金 良介 Photo by Yuto Fukada
NOISEMAKER主催による野外フェス"KITAKAZE ROCK FES. 2021"(※開催中止)の2日目のオープニング・アクトとして出る予定だったCVLTE(カルト)。彼らはNOISEMAKERと同じ北海道 札幌発の新進気鋭のオルタナティヴ・ロック・バンドで、今や同業のバンドマンやミュージシャンからも熱い視線を送られている要注目株である。
6月7日に配信リリースされた1stアルバム『praystation 2』のリリース・ツアー・ファイナルとなった本公演をレポートする。
2018年より本格的に活動を始め、"SUMMER SONIC 2019"に出演した経歴も持っている。そんな彼らが6月7日に1stアルバム『praystation 2』を配信リリース、それに伴うツアーを北海道、大阪、東京の3ヶ所で開催した。そのファイナルにあたる東京公演にはSTARKIDS、Gokou Kuyt、Paleduskの3組が名を連ね、SEと共についにCVLTEがトリとして登場。
最新作の冒頭を飾る「bloodbath.」が始まるや、Aviel(Vo)はメランコリックな歌声で妖艶な魅力を振りまき、会場を自分たちの色に瞬時に染め抜く。「robbers.」に入ると、Takuya(Gt)、Fuji(Ba)は手を挙げてフロアを煽る姿も印象的だった。そして、シネマチックなMVも印象的だった「heartbreak.」を3曲目に披露。この日は撮影OKだったため、曲が始まった瞬間にスマホを頭上に掲げる観客が一気に増えていく。流麗なフロウも心地よく、キャッチーなサビも抜群の映えっぷり。コロナ禍でなければ大合唱必至! のアンセム曲と言えるだろう。
次曲の「lullaby.」では、躍動感漲るドラム(サポート・メンバー :HAL)に観客もジャンプで応え、Takuyaの叙情的なギター・ソロも聴き応え十分。さらに"飛べ! 飛べ!"と呼び掛け、「save you.」に繋ぐと、アリーナ/スタジアムが似合う壮大なロックを展開。そこにPaleduskのKaito(Vo)がラウド魂を注入する野獣ヴォイスで応戦。さらにエスニックなイントロを配した「ritual. feat. Paledusk」においてもKaitoが参加し、フロアの温度をグッと引き上げていった。
けれど、まだ足りないとばかりに"大阪より盛り上がらなくていいんすか?"とAviel。「happy. feat.釈迦坊主」ではエモーショナルな歌声とラッパー 釈迦坊主のクールなラップにより繊細なメロディを紡ぎ、多くの観客の心をガッチリと捉えていた。
後半はアッパーな「needed you.」、オルタナ・ロック調の「hennessy state of mind.」などを経て、静謐な「memories.」へ。ピアノをバックに前半はアカペラ風に美しい歌声を発揮し、扇情的なギターと共にドラマチックに展開する楽曲も素晴らしかった。
本編ラストは「wasted times.」で締めくくると、アンコールに応えて、再びステージに現れた彼ら。再び釈迦坊主を招いて「hellboy. feat. 釈迦坊主」を最後にプレイ。"青い炎"と形容したくなる新種のミクスチャー・サウンドで会場を大いに盛り上げ、ライヴは終了。
CVLTEはエレクトロなども積極的に取り入れたバンド・スタイルで、BRING ME THE HORIZONに通じる音楽的ベクトルを感じた。そのうえで"2020年代のエモ"と表現したくなるほど、新世代ならではの独自の音楽を構築している。心の隙間にスッと入り込むエモーショナルなロックがここからどう進化するのか、非常に楽しみだ。海を超えて活躍の場を広げそうな、破格のポテンシャルを秘めた逸材と断言したい。
[Setlist]
1. bloodbath.
2. robbers.
3. heartbreak.
4. paradise.
5. lullaby.
6. save you.
7. ritual.8. happy.
9. needed you.
10. devilsmile.
11. hennessy state of mind.
12. memories.
13. wasted times.
En1. hellboy.
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