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THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION|SUMMER SONIC 2011

Skream! マガジン 2011年09月号掲載

2011.08.14 @QVCマリンフィールド&幕張メッセ

Writer 杉浦 薫

92年からNYを拠点に活動しているTHE JON SPENCER BLUES EXPLOSION(以下JSBX)。第一回SUMMER SONICのヘッドライナーを飾った彼らだが、04年にリリースした『Damage』以降、新作はリリースされていない。しかし、JSBXの軌跡はあまりに偉大だ。ブルース魂を大きな基盤とし、パンク、ガレージ、R&B、ロカビリー、ソウルなど、あらゆる要素を取り入れたダイナミックなロックンロールで、後続のバンド達に大きな影響を与え続けている。最近のロックンロール好きの若者は、リアルタイムで90年代後半~00年代のロックンロールを聴き、80~90年代前半をスルーして60~70年代に傾倒するが、そこから広がる音楽体験の途中でJSBXの存在に気付き、その偉大さに感銘を受けるという傾向にあるのではないだろうか。

そんなわけで、オーディエンスはまだ10代であろう若者から、30~40代の大人まで入り混じっている。Jon Spencer (Vo&Gt)、Judah Bauer (Gt)、Russell Simins (Dr)の3人が登場すると、大きな歓声が沸きあがる。Jonは相変わらすスリムな身体をキープしていて、黒いレザーがよく似合っていてかっこいい。Russellのドラムの音からスタートし、「2 Kindsa Love」や「Afro」や「R.L. Got Soul」で盛り上げる。MOUNTAIN STAGEの広さを無視するかのように、ステージの中心に密集した3人は、アイコンタクトを取りながら、タイトでルーズなプレイをしている。ドラムのキックの音の重低音がいちいち強調されているのにはびっくりしたが、なんとなく予想していた通り展開だ。そしてJSBXイチのキラー・チューン「Bellbottoms」の途中までをプレイしてから怒涛のメドレーが始まり、「Wail」や「She Said」を挟んで、「Bellbottoms」で締めくくられるという展開は凄まじかった。
「Chicken Dog」ではJudahが渋く歌い上げ、『Acme』から唯一披露された「Magical Colors」は今日の演奏の中でも特に素晴らしく、ラストはテルミンが導入された「Sweat」で、文字通り“ブルースが爆発”した!“ブルースって、こんなにもセクシーなんだよねぇ。もっともっとブルースに浸りたい!”ブルースの悪魔に憑依された3人の魂のぶつかり合いを見ていたら、そんな気持ちになって当然じゃないか。今日のJSBXのライヴを見て、更にブルースに発情してしまったのは私だけではないはずだ。

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