Japanese
2026年03月号掲載
T.N.T
Member:手越 祐也(Vo) Ryu.(Gt) Furutatsu(Ba/Vn) kyohey(Dr)
Interviewer:フジジュン
結成から約1年の軌跡と最新型を詰め込んだ、T.N.Tの1stフル・アルバム『DETONATION』が爆誕! これまでリリースされたシングル曲、初音源化となるライヴ定番曲に加え、書き下ろし新曲2曲を加えた全12曲を収録。卓越したスキルとセンスを持つkyohey、Furutatsu、Ryu.の楽器隊から放たれるラウドでヘヴィ且つポップなサウンドに、手越祐也の圧倒的なヴォーカルが映える! 1stらしい衝動と1stらしからぬクオリティを併せ持つ、渾身の1stアルバムを食らえ!
-結成から約1年、ついに辿り着いた1stアルバム『DETONATION』。まずは完成しての率直な感想を、お1人ずつ聴かせてください。
Furutatsu:ようやくと言った感じで、本当に大変でした。手越君やkyoheyの前で、"大変だった"とか言えないですけど(笑)。1stツアー("T.N.T 1st LIVE TOUR 「THE NEXT TRIGGER」")の最中にアルバム制作を進めていて、メンバーに限らず、無理して時間を割いてくださった周りのスタッフにもすごく感謝しています。完成したアルバムは、どの曲も僕の中では推し曲で。一曲一曲への思い入れがすごく強い作品になりました。
kyohey:1年間やってきたことの集大成といいますか、この1年のベスト盤みたいな気持ちがあって。全曲シングルで出せるくらいの気合で作ったので、アルバムとして並べて聴いたときに"すげぇのができたな!"と思いますし、すごく自信のある一枚になって。自分が死ぬときは棺桶に入れたいくらいのメモリアルな作品になりました(笑)。
手越:僕はもちろん、"これがT.N.Tの1stアルバムです!"と胸を張って出せる作品になったという自信があります。音源化してなかった新曲たちは、ライヴと共に作り上げていった楽曲たちなので。1stツアーでライヴの熱量を感じながら、"こういう歌い方をしよう"みたいな逆算ができたのも良かったです。それと、"できない"とか"無理です"って誰も言わない、気合の入ったチームだなっていうのを確認できたのもデカかったですね(笑)。
-一番忙しい人を前に"無理です"は言えないですよね(笑)。昨年末に正式加入して、すぐにツアーとアルバム制作に取り掛かったRyu.さんはいかがでしたか?
Ryu.:本当に目まぐるしかったです(笑)。僕がそれまでやってたバンドのラスト・ライヴの日に、"明日、レコーディングね"って言われたり。でも、ここで食らい付かないとT.N.Tのギタリストでいる権利はないので。ボロボロにもなったし、気持ちの浮き沈みもあったけど、日に日に前が向けるようになっていくのも分かって。すごく充実してたし、たくましくなれたと思います。
-1stツアーの日本青年館のライヴを見させてもらって、T.N.Tって本当に個が強くて、一人一人の演奏やパフォーマンスがしっかり見えてくるバンドだなと思いました。センターに手越さんがいたら、そこに目が行ってしまいそうなもんだけど、それぞれのプレイや見せ場がしっかりあって、4人の個がしっかり際立ってて。それが塊となって、T.N.Tの音を鳴らしていることに、バンドである意味があるなと思ったんです。で、その中でRyu.さんが遠慮せずにグッと前に出たり、すごく楽しそうな笑顔を見せる瞬間があったりして、すごいなと思ったんですけど、ツアーはどうでしたか?
Ryu.:やっぱりギターをステージで弾くとすごく楽しいし、"この4人で演奏できて幸せだな"というのも感じました。いろいろ考えなきゃいけないことはあったけど、本番でしか出ない表情というのが絶対あって。お客さんも"Ryu.はずっとニコニコしてる"と言ってくれて嬉しかったですし、ステージでその顔ができる自分が好きだなと思えました。
手越:俺から見てても、大阪ではだいぶレベルアップしてましたよ! ステージでオーラを出したり堂々とした出で立ちをするには、俺は場数とステージでのメンタルの持ち方しかないと思ってて。アリーナとかドームに立ってるアーティストでも、俺から見れば"できてないな"って人が意外と多いと思ってるんですよ。僕はT.N.Tでは一歩下がるように意識してて、もちろんRyu.とFurutatsuのことも見えているんですけど、最初の東京2デイズと比べたとき、ファイナルの大阪は出で立ちや頼もしさが全然違ったんです。
Ryu.:良かった、すごい嬉しいです。
手越:当たり前だけど、初日とかは遠慮もあっただろうし。初のワンマンで関係者の方もたくさん観に来てたりして、"ここは俺が担わなきゃいけない"って気持ちが大きかったんです。でもkyoheyはドラムとして後ろから常に支えてくれて、FurutatsuとRyu.が横でしっかりサポートしてくれていて。俺がやらなきゃいけないところまで、ドーンと前に出て担ってくれるようになったのは、俺が一番感じました。2人に頼れることで、自分の歌により集中できるんですよね。
-そうすると結果、全体が底上げされてバンド全体のパフォーマンスが良くなるってことですよね。kyoheyさんはツアーいかがでしたか?
kyohey:今回、初めてのワンマンということで。今までも大きいところには立たせてもらってたんですけど、30分尺5曲くらいのセットしかやってこなかったところに、いきなり90分尺16曲をやるのってすごく大変で。最初はペースも掴み切れないところがあったんですが、僕は"初めてのワンマンだから"っていうのは絶対に見せたくなくて。
-"初めてだから"って言い訳したくないですよね。
kyohey:そうなんです。お客さんに"やっぱりT.N.Tすごいよね"、"あれが1stツアーなんてあり得ないよね"って言わせないとダメだと思ってたんで。一本一本に向けての集中力は絶対に100パーセントにしたかったし、実際、全部のライヴに全力で挑むことができました。ただ、3日目の仙台公演、LIVE STUDIO RIPPLEっていう400人キャパのライヴハウスで演ったときの手越君の立ち回りがすごすぎて......。手越君、ライヴハウスで演るのは初めてだったんですけど、"初めてでこの立ち回りしちゃうんだ!"と思うくらい圧倒的で。4人組のバンドと言いつつ、手越君の圧倒的エースみたいな存在感に悔しさを覚えてしまったし、"これじゃ、まだ手越バンドって言われちゃうよな"と思って。仙台公演が終わってすぐに次の名古屋、福岡に向けて、手越君以外の3人でスタジオに入って、"もう絶対、手越君には負けない!"って改めて気合を入れ直して。そこからも試行錯誤を繰り返して、やっと形になって大阪に辿り着けたという経緯があったんです。だからT.N.Tが今までやったライヴの中で、ツアー・ファイナルの大阪が一番良かったなって実感は僕もありました。バンドとして、また1つ成長できたツアーだったなって思いました。
-やっぱり手越さん、スターですね。さっきの話にも繋がりますけど、アリーナやホール会場の経験があるからライヴハウスなんてちょろいかって言ったら、絶対そんなことないと思うんです。でも、それができちゃうんだからものすごい!
kyohey:僕もそう思ってたので、"ライヴハウスでどんな立ち回りするんだろう?"と思って見てたら、これ以上ないくらいの完璧な立ち回りをされちゃって。"あぁ、まだこのレベルに全然行けてないな"っていうのを痛感させられました。
-手越さんはどうだったんですか、初めてのライヴハウスは?
手越:めっちゃ楽しかったですよ。"オール・スタンディングでやりたい"っていうのはずっとあったんだけど、俺を応援してくれてるファンの人とかは、これまで椅子があって、MCは座って聞いてってスタイルで観てくれてたので。そういう子たちにオール・スタンディングでぎゅうぎゅう詰めのなか観てもらうのは、ちょっとかわいそうだなっていうファンへの考慮もあってやれてなくって。俺がソロしかやってなかったら、オール・スタンディングでライヴをやることはなかったと思うんです。でも、T.N.Tがスタートして、俺としても全然違う見せ方や、ソロではできない表現をしたいと思って。完全に差別化してやってて、オール・スタンディングで初めてやったのが仙台だったんですよ。ライヴハウスって、本当に音でしか楽しめないというか、広い会場だと他の楽しみも増えるじゃないですか? 演出がドーンと派手だったり、空を飛んだり。
-パフォーマンスも、頭からつま先まで全身を見せることができます。
手越:そうそう。でも、音のみで会話するっていうのに僕自身も憧れがあったので。そっちも好きだから、"これこれこれ!"って感じでしたね。
-Furutatsuさんはツアーを振り返っていかがでしたか?
Furutatsu:僕は毎公演後に映像を観て、自分の良かったところと悪かったところをチェックするんです。今回のツアーは毎公演ブラッシュアップできてるのが分かって、自分的にはそれがすごく嬉しかったし、このままやり続けられたらいいなと思ってます。ファイナルを終えた後は"次のツアーが楽しみだな"と思えました。
-できあがったアルバムを聴かせてもらって、すごくライヴが想像できるアルバムになったなと思いました。ツアーの影響もしっかり反映されてるんだろうと思ったんですが、アルバムのテーマや選曲の基準を教えてください。
手越:名古屋の楽屋だっけ? 収録曲はツアー中に決めました。
Furutatsu:それもあって、ライヴ感があるアルバムにもなってると思います。いろんな色が爆発してるようなジャケットが表すように、いろんな色が見える曲を集めつつ、T.N.Tのサウンドってところに落とし込んだ作品になったなと。
kyohey:いい曲であることはもちろんなんですけど、"こういう見せ方もできるよ"って、いろんな調理法があっていいと思ってて。疾走感ある爽やかなロックもあれば、男臭くスパークする曲とか、"拳上げてこいよ!"っていう重たい曲とか。それこそ「Ro"kyun"roll」みたいなバラエティに富んだ楽曲を織り交ぜていっても、"これ全部、T.N.Tのサウンドだよね"っていうふうに思わせるアルバムを作りたいなとずっと思ってたんです。その指針はブレてないと思うし、ずっと我々が言ってる"みんながヒーローのカッコいいバンドを作りたい"っていうコンセプトでこのアルバムができたんじゃないかと思います。
-手越さんは、アルバム楽曲が揃ってみての感想はいかがですか?
手越:僕は人の喜怒哀楽が大きく振れてるものが好きで。俺自身がそういう人間で。喜怒哀楽の感情が日本離れしてるくらい、怒るときはガーンと怒るし、喜ぶときはバーンと喜ぶんですよ(笑)。このアルバムも「My Beautiful Moment」みたいにすごく美しい曲もあれば、「朧」みたいな和っぽくて攻めてる曲もあって、「Evanescence」みたいに爽やかで疾走感のあるサウンドの曲も、っていうふうにいろんな曲があって。"お前はいったい誰なんだ!?"と思うけど、"いいじゃん、怒ってるのも俺だし、熱くなってるのも俺だし、思いきり泣くのも俺。それが全部俺なんだよ"っていうアルバムです。
-わはは。とっても分かりやすい説明だし、まさにそんなアルバムだと思います! 前のインタビュー(※2026年1月号掲載)のとき、"うちのバンドはkyoheyやFurutatsuも曲と歌詞が書けて、プロの作曲家にお願いして歌詞だけ書くこともできる。そういうところで色が出せるのはT.N.Tの強みだ"といってましたが、その強みもアルバムに活かされてますよね。
手越:そうですね。特にkyoheyが書き下ろした新曲「Extreme Emotion」とFurutatsuが書き下ろした新曲「背徳」は、"ライヴのことを考えると、ダークでドーンと重いサウンドの曲をやりたい"ってところから1曲ずつ書いた曲で。同じリクエストをしてもタイプの違いが出るっていうのが俺はミソだと思うので。それが楽しいですね。
-新曲2曲を聴いたとき、表現の違いが明確に見えて。そこからアルバム曲を聴き返して、2人の曲の印象の違いを俺なりに分析したんですよ。kyoheyさんの曲は情熱だったり野心だったり、深い愛というのを表に出して表現するんだけど、Furutatsuさんの曲は情熱や野心を心の中で秘めていたり、そこに闇のようなものが同居していたり、沸々と湧き上がる熱さを表に出さない表現をしている。そんな表現方法の違いはあるんだけど、その先にある前向きさや、未来への希望という部分だけは共通してて。それはなぜかというと、"自分たちでやってること、T.N.Tへの自信"という裏付けがあるからだと思ったんです。
kyohey:......めっちゃその通りだと思います。僕は私生活もそうなんですけど、わりと感情を表に出すタイプなんです。でも、Furutatsuは意外と抱え込んじゃうというか、いつもは一歩引いたところにいて、必要なときにポンッと出してくるタイプ。だから、どっちも思ってることとか想いの熱量というのはたぶん同じではあるんですけど、僕が放出型でFurutatsuが内に秘めてるっていうのは、本当にその通りだと思います。
-おぉ、俺の分析が合ってた! 嬉しいです(笑)。
kyohey:しかも、今回収録されてる「Fake」がFurutatsuが初めて作詞をした曲だったんですけど、「Fake」のデモを聴いたとき"すげぇ曲作ったな"と思いましたね。裏でプロデューサーと"あいつ、ヤバい曲作ったね"って話をしてたくらい、初めて聴いたときの衝撃がすごくて。「Fake」はまさに希望の曲に聴こえるんだけど、どこか闇のようなものを抱えていて、その中でも寄り添って前に進んでいこうという勇気をくれるみたいな。その励まし方が僕のアプローチと全然違うなっていうのをすごく感じたんです。
-うん、みんなでシンガロングできるライヴ・アンセム的な曲で、すごく希望に溢れた曲だけど、歌詞では"嘘だらけのステージの上で"と歌っていて。ただ前向きなだけ、ただ壮大なだけの曲になってないし、そこがすごくロックだなと思います。
kyohey:そうなんです。誰もがパッと前を向けるわけじゃなくて、その心に上手く入り込んでるなというか。前向きになれない気持ちも、すごく理解してると思ったんです。
Furutatsu:僕1人でやってたら、ただただ暗くて後ろ向きな曲になってたと思うんです。でも、T.N.Tの曲だって思ったら、ちょっとだけ前を向けて。そういう印象を与えるような曲になったんじゃないかと思います。
-その表裏一体な部分がすごくロックだし、人間らしいし、T.N.Tのバンドとしての性格や魅力を作り上げてると思うんですが、手越さんはどうですか?
手越:うん、2人の曲はその通りだと思います。kyoheyは爽やかな楽曲だったり、ストレートな楽曲を書いてくるなと思うし。Furutatsuの曲は......どうかしてるなと思うし。
Furutatsu:なんでや(笑)!
手越:あはは。でも俺はどっちの曲も好きだし、表現の違いだけで芯は一緒だと思っていて。例えば、kyoheyの歌詞ってストレートに理解できるから、歌いやすいし感情を込めやすい。よく話すことがあって、俺ってポジティヴってよく言われるけど、そんなポジティヴじゃないんです。メンタル強いとも言われるけど、もともと強かったわけじゃない。天才型じゃないからポジティヴというシールドを作ってるだけであって、本当の俺はそうじゃないんです。だからポジティヴのシールドがポンッと外れたら、すごいネガティヴにもなるしめちゃくちゃ悪口も言う、中の自分が出てくるんですけど(笑)。
-悪口を言う必要性やメリットがないから、言わないだけであって。
手越:そう。俺は自分でガードやコントロールできる人間だから悪口とかを言わないようにできるんだけど、普通の人のメンタリティだったら言ってしまったりSNSでマイナスなことを書いたりとかしちゃうこともあると思うんですよね。だから、Furutatsuが書く歌詞とか「Fake」で歌ってることとかも、実はめっちゃ思ってるんです。"こいつら、ほんと嘘ばっかつきやがって"とか。だから、それをFurutatsuがいやらしくなく表現してくれてる歌詞に感情を込めて歌える。 本音とかトゲのある言葉とかの自分の中のフラストレーションを、一番嫌味なくナチュラルに伝えられるものが音楽だと思ってて。歌詞とメロディに乗せるといやらしさがなくなるし、聴く人にもその言葉がスンッと入っている魔法が音楽だと、俺は思ってるんです。しかも俺のヴォーカルって、他のヴォーカリストが歌うよりもちょっと明るく聴こえるし、フラットな曲もプラスに聴こえるから。「Fake」とか「背徳」みたいな曲も俺が歌うと、Furutatsuの想像よりも少しプラス寄りに聴こえると思うんですよ。それは俺のキャラクターもあるから、俺は2人の書く曲をそれぞれ違う方法で吸収して、スピーカーとして発してるって感じですね。
RELEASE INFO
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