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INTERVIEW

Japanese

2026年03月号掲載

T.N.T

Member:手越 祐也(Vo) Ryu.(Gt) Furutatsu(Ba/Vn) kyohey(Dr)

Interviewer:フジジュン

怒ってるのも、熱くなってるのも、思い切り泣くのも 全部俺なんだよ、っていうアルバム


-手越さんのフィルターを通すことで、T.N.Tの曲になるってところは絶対あります。では、"ダークで重い曲"というアイディアから2人が生み出した新曲について、本人から解説を聞きたいと思います。まずはkyoheyさんの作った「Extreme Emotion」について。

kyohey:ライヴをやっていくなかで"ダークで重い曲を作りたいね"って手越君が言い出して。"どういう曲がいいかな?"って考えたとき、"振り切ってもいいよね"と思ったんです。そこでリミッターを外したときに浮かんできたのがこの曲のリフで。いつものメロディ先行と違って、ギター・リフ先行で曲を作り始めました。で、曲のベーシックを作った上でメロディを乗せて。デモができたところで、"もっと激しくしよう、もっと激しくしよう"ってメンバーやサウンド・プロデューサーと相談しながら、"T.N.Tっぽさを出すなら、手越君の美味しい部分を活かしたいよね"って構成を考えて、今の形に収まったんです。

-Ryu.さんのギターがあるというのは、発想に大きな影響を与えた?

kyohey:「Extreme Emotion」は特にそうですね、"ギター・リフ推しでいきたい"って思いましたから。あと僕、「背徳」を初めて聴いたときは、手越君と同じ感想なんですけど"どうかしてるな"と思いました(笑)。

-あはは。では、どうかしてる「背徳」について、Furutatsuさん説明お願いします。

Furutatsu:はい(笑)。「背徳」は僕の好きな音楽の作り方をひたすら詰め込んだ曲で、トラックまではスッとできたんですけど。歌にエフェクトをかけたり、そういうところは、どうかしてる......かな(苦笑)? 僕、ストレートじゃないものが好きで、そういったものをひたすら詰め込んだからそう思われるんですかね?

手越:いや、歌の最初が"息の根止めてよ"で始まる時点でどうかしてる。"とりあえず2人で酒でも飲もうか。話聞くよ?"ってなるよ(笑)。

-わははは。手越さんは新曲2曲、歌ってみての感想はいかがでしたか?

手越:「Extreme Emotion」は歌ってて、めちゃくちゃ気持ちいいです。Aメロからアガるし、サビもとにかく気持ちいい。すごく複雑なことやってるけど、サビはすごく分かりやすくて身体に入ってきやすいメロディで、間奏もカッコいいし。

-「背徳」のラップ・パートは手越さんが歌ってるんですか? ラップから歌メロに入った瞬間、別人に聴こえるくらい歌声が違って聴こえたんですが。

手越:どっちも僕が歌ってますよ。普通は2人で分けて歌う曲ですけど(笑)。

Furutatsu:めちゃくちゃ大変なラップを書いてしまって、申し訳ないです(笑)。

-Furutatsuさんの曲だと、「数センチの、その先へ」も収録されてます。あの曲もすごくシンプルに聴かせながら、実はめっちゃ難しいことやってますよね?

手越:そう。Furutatsuは、俺のことVOCALOIDだと思ってるでしょう(笑)?

Furutatsu:いやいや! 毎回言ってるんですけど、手越君だから信頼して書いてるんです!! 自分が想定しているいいヴォーカルっていうのを遥かに乗り越えてきてくれるので、曲を書いてる身からするとすごく嬉しいです。手越君とレコーディングを終えた帰り道は、"あぁ、やっぱり良かったな"っていつも思えて。

kyohey:すごい分かる。ヴォーカルRECでそれを強く感じるんですけど、曲に命が吹き込まれる瞬間というか、僕も手越君の歌が入って初めて曲が完成する達成感がすごくあります。もちろん、メロディ作るときも歌詞を書くときも、手越君の声でイメージして作るんですよ。でも手越君のヴォーカルはいい意味でイメージと全然違う、感動を与えてくれるんで。そういうメンバーとバンドをやれてることが、自分にとってはすごく嬉しいです。

-Ryu.さんは正式メンバーとしてゼロから作った新曲、できあがっていかがですか?

Ryu.:今一番思ってるのは、"ライヴ、どうしよう?"ということで(笑)。聴いてるぶんにはすごくカッコいいし、手越さんのラップもビックリしたし。"新しいな、カッコいいな"と思うんですけど、"さぁ、ライヴどうしよう?"って。嬉しい悩みですけどね。あと、話していたみたいに、本当に2人のキャラクターが二極化した曲だなというのは思いますね。

-うん、両極でのT.N.Tの最先端が見える気がします。あとは今作だと「Ro"kyun"roll」がすごく印象的です。ヘヴィさとポップさ、お茶目さがあって、後半の展開も面白くて。それを同居させるセンスやテクニックも見えて、"こんなバンド、他にいないでしょ?"っていうT.N.Tの独創性をすごく感じました。

手越:俺はすげぇ好きな曲ですね。デモを聴いた瞬間から、"これはT.N.Tでやったほうがいいよね?"って思いました。歌詞をブラッシュアップしたものを聴いたときも、すごくいいなと思ったし。さっきの話に通ずるんですけど、僕は喜怒哀楽が共存してる曲が好きで。それぞれの個性と、全く正反対の陰と陽、静と動ができるってところがT.N.Tというバンドの一番の強みだと思います。それと俺のヴォーカル的には、ロックとかポップスとか、どんなジャンルも歌えるっていうのが一番の強みだと思ってて。「Ro"kyun"roll」は、1曲の中で声の出し方とか歌い方とか、発声の仕方をいろいろ変えまくってる曲なんですよ。"T.N.T、こんな振り幅を持つバンドです。よろしくお願いします!"ってバンドを象徴するような、名刺代わりの楽曲に仕上がったんじゃないかと思います。

-この曲を先行シングルにするところもすごいなと思ったし、この1つ前のシングルが『未来へ/I Don't Care』(2025年リリース)という振り幅もすごい。

手越:シングル・カットする曲とかMVを作る曲って、他の曲と比べてみんなに見られやすいじゃないですか。アーティストにとっての楽曲とMVって、僕はRPGの物語の通過点だと思っているんで。「未来へ」を出したあとに同じようなバラードでいい曲が続くのは、僕はあまり好きじゃないんですよ。「未来へ」みたいな、本当に美しさと情熱が入った楽曲の後だからこそ、全く違うほうに行きたい。だから、「Ro"kyun"roll」いいじゃん!っていうのもあります。

-しかもその間に『UNIVERSE』(2026年1月リリースのEP)噛ませてて。その振り幅こそT.N.Tっていうのはありますね。ではそれぞれ、アルバム収録曲で思い入れの強い曲、印象深い曲を教えてください。

手越:じゃあ、俺からいっていいですか? 俺は曲としても好きだし、俺の中でヴォーカルとしての新たな発見があったのが「SHINE」なんです。これはマニアックな話にもなるんですけど、レコーディングのスタイルって、ヘッドフォンして立って歌うじゃないですか? これが俺、本当に苦手だったんですよ。ライヴのときだとパワーも出るし全身全霊で魂を伝えられるけど、レコーディングだと伝え切れない感じがあって。レコーディングっていうのが一番声を出しづらい環境だなっていうのは、もう20年くらい思ってたんですよ。その差は何かな? と考えたとき、直立不動で歌ってるからじゃないかと思って。それをT.N.Tが始まったとき、"レコーディングってハンドマイクでできないの?"って相談して。それでチームT.N.Tが考えてくれて、初めてハンドマイクでの録音に挑戦したのが「SHINE」なんです。

-へぇ! そうだったんですね。

手越:3つマイクがあるんですけど、ハンドだとどれが一番合ってるのか? やっぱり仁王立ちスタイルがいいのか? って、全部のマイクで「SHINE」のワンコーラスを歌って比べて。昨日のレコーディングでもそのマイクを使ったんですけど、俺の歌のパフォーマンスが圧倒的に違ったんですよ。20年以上やってて、"レコーディングが楽しい! 気持ちいい!"って初めて思えたんです。で、そのスタイルで最初に歌ったのが「SHINE」で、初めてライヴと同等レベルの感情の込め方と声の質で届けることができて。もう、歌い出した瞬間に"これだよ!"って思ったし、録った後に自分の歌を改めて聴き返してみても全然違ったんです。

kyohey:僕は「Extreme Emotion」なんですけど、ツアーの名古屋~福岡の最中に仕上げをやっていた感じで、レコーディングしたのがツアー直後だったんです。だから、1回もスタジオの仕込みをできない状態でレコーディング・スタジオに入って、まっさらな状態でドラムを鳴らさなきゃいけない状況で。結構追い込まれてたんですけど、ライヴで得たものをすごく反映できたというか、"出音が変わったな"と思ったんです。

-ツアーの気持ちをそのまま持ってこれたのも大きかったんでしょうね。

kyohey:ですね。最初、音決めでバンッと叩いたとき、めちゃくちゃ感情がこもってる感じがして。"あれ?"と思ってたら、"なんかkyohey君、今日いいね"ってエンジニアさんにも言われました。もう10年以上ドラムをやってきて癖付いてたものというか、固定観念の先に行けたような、殻を破ったような瞬間が、レコーディングのときにあって。一切妥協したくなかったし、何テイクか重ねたんですけど全部フル・ショットで。"この曲叩き切ったら、倒れます"くらいの勢いで録って。結果として、自分のドラマーとしての新しい一面を発見できたのが「Extreme Emotion」だったんです。で、そこにみんなの楽器だったり、手越君の歌が乗って。すごくいい曲に仕上がったから、聴き返したとき"これはまた、自分の中でメモリアルな曲ができたな"と思えました。

-すごいですね、2人とも今作のレコーディングで大きな進化を遂げたんですね。

Furutatsu:僕は「Fake」かな。構想段階から、"みんなで歌いつつも、どこか救われない人や暗いものを持ってる人に寄り添えたらいいな"と思ってて。たぶん、自分がそういうタイプなので、そういう人たちに寄り添える歌詞にしたいなと思って書きました。初めて歌詞を書いたんですけど、"弱い人に寄り添う"っていう、自分のアーティストとしての一つの指針ができたというか。僕がアーティストとしてやるべきことや伝えたいことをしっかり自覚した曲が作れたので、この曲はすごく大きかったですね。

Ryu.:僕は「Starting Over」がすごく印象に残っていて。この曲はピタッと止まって、バンッと動き出すことが結構多い曲で。僕、未だにピタッと止まったとき、サポート時代に4人でスタジオに入っていたときのことを思い出しちゃうんです。ピタッと止まってバンッと音を出して合わせるのって意外と難しいんですけど。この4人で演ったときそれがすごく気持ち良かったのを覚えてるんです。「Starting Over」って、僕がお声掛けいただいた当時の最新曲でもあって、すごく頭にこびりついてます。この曲のMVにも出してもらったんですけど、端っこでガチガチになってる僕に手越君が話し掛けてくれたり。すごい思い出があります。

-「Starting Over」はT.N.Tにとっても始まりの曲というか、再生の大事な曲だったりして。こういう曲に1stアルバムらしい衝動も込められてるからグッと来るんですよね。そして、そんなアルバムに"DETONATION"と名付けました。意味を調べると、爆発を超えた"爆轟"という言葉が出てきたり、"音速を超えるスピード"とか"衝撃波"みたいな説明が出てきましたが、タイトルに込めた意味を聞かせてください。

手越:"今回の楽曲たちの個性を引き立てる、1つにまとめるアルバム・タイトルは何か?"となって、それぞれ宿題で考えてきたんです。そんななかで、"DETONATION"は俺が提案させてもらいました。いろんなものを爆破させたり、いろんなことに対してのゼロイチになるとか、そんな意味があります。俺は1から2や3を作る人は持っていないスペシャリティを持ってると思ってるし、せっかくバンドとしてやるからには、たった一度の人生、絶対に埋もれたくない。あとはこのアルバムを聴いてくれた人が、自分の中の感情のいろんなものが花開くって意味の爆破をしてほしいなと思っていて。情熱をたぎらせて夢に向かって頑張れたり、自分の悩みを爆破していったり、そういう前向きなほうに転がっていくって意味でも爆破を起こしたい。それから、ジャケットにも反映されてるんですけど、"DETONATION"の綴りを見たときに、OとAを挟んで"TNT"ってなってることに気付いて。"これ、ジャケットにも反映できるし、全てが良くない?"っていうところで付けさせてもらいました。

-そして、4月からはそんなたくさんの想いを詰め込んだ1stアルバムを掲げての"T.N.T LIVE TOUR 2026 -DETONATION- "が始まります。最後にツアーへの意気込みを聞かせてください!

kyohey:1stツアーのときには音源化されてなかった曲をリリースすることができて、さらに新曲も2曲入れて。前回のツアーで回った会場とも違うライヴハウスで全6ヶ所やらせていただきます。前回は1stツアーと言いつつ、いい意味での熱量と熱量のぶつかり合いというか、フロアとのすごいぶつかり合いを感じることができたので、今回はそれを遥かに超えて、ライヴハウスで"DETONATION"起こせるんじゃねぇか? くらいの気持ちでいます。普段思ってることや、抱えてることを遠慮せずにぶつけてもらっていいし。ただ楽しみたいって気持ちをライヴに持ってきてくれてもいいし。お互いの熱量をぶつけ合って、いいツアーにできたらいいなと思っています。

Furutatsu:僕は本当に毎回、全力を出し切りたい。もう死んでもいいってぐらい、後悔を残さないようなツアーにします、なります!

Ryu.:僕は1stツアーでもあれだけ楽しかったし、熱かったし、得るものもいっぱいあったんで、それを2倍3倍と乗り越えていくようなツアーにしたいと思ってます。お客さん自体も初めての曲や初めての場所、ライヴハウスが初めてだっていう人も絶対多いと思うので、1stツアーとはまた違った楽しみ方をお客さん自身もしてほしい。1stツアーよりさらに熱量を持って、お互い楽しめればいいなと思います。

-では、最後に手越君お願いします。

手越:1stツアーの最終日に次のツアーを発表させてもらったんですが、初日が2ヶ月以内っていう狂ったスケジュールも素晴らしいなと思いました(笑)。やっぱりステージに立ってるときが一番幸せだし、生きてるって感じられる瞬間なので。またすぐ立てるってのは、本当に嬉しいことですね。1stツアーは初めて聴く新曲や初見の曲がたくさんあったわけですけど、ツアーが進んでいくにつれて、ファン同士で"新曲はこう盛り上がったらいいよ"って助言し合ったのか、どんどん一体感も増していって。アルバムが出ることによって、それぞれの曲の歌詞とかを答え合わせして、また聴き方が変わった状態で挑んでくれると思います。全部が分かった状態でぶつかり合えるっていうのは、お互いに準備万端ってことなんで。お互いに心置きなく全てを曝け出せる、熱いツアーになることは間違いないと思ってます。 あと個人的には、Zepp Shinjuku (TOKYO)以外、全部初めて行く会場なんですよ。初めて冒険するダンジョンみたいに、ワクワクできるのがすごく楽しみです。やるからには期待を遥かに超えるパフォーマンスをしっかり作り上げて、みんなの気持ちを"DETONATION"するようなツアーにしたいと思ってます。楽しみにしててください!

TOUR INFORMATION
"T.N.T LIVE TOUR 2026 -DETONATION- "

4月3日(金)宮城 Rensa
4月11日(土)福岡 DRUM LOGOS
4月18日(土)北海道 PENNY LANE 24
4月27日(月)大阪 なんばHatch
4月28日(火)愛知 DIAMOND HALL
5月1日(金)Zepp Shinjuku (TOKYO)
[チケット]
オールスタンディング ¥7,500 / 2F指定(大阪公演のみ) ¥8,800(税込/D代別)