Japanese
ラセン階段
2025年10月号掲載
Member:篠原 ヒカル(Gt/Vo) ゆたか(Key)
2015年結成、2020年より2人体制になった大阪のバンド ラセン階段が、活動10周年を記念した初全国流通のベスト盤『未完成』をリリースした。結成から現在に至るまでの代表曲を厳選し、新曲も収録した本作。ストーリーテリングとポップネスが共存する、異色のロック・アンセムが堪能できるアルバムについて、2人にメール・インタビューを実施した。
-Skream!初登場ということで、自己紹介をお願いいたします。
ゆたか:キーボードとコーラスを担当している、ゆたかです。堺市出身堺市在住、オリックス・バファローズを応援し続けている31歳です。
篠原:ラセン階段のギター・ヴォーカル、篠原ヒカルです。Skream!さんみたいな神々が集う雑誌に、誤って紛れ込んだ大阪産のネズミです。2人とも駆除対象ですが今日はよろしくお願いします。
-バンド名に込められた意味や由来はありますか?
ゆたか:螺旋階段のように回り回って、少しずつでも登っていければいいなという思いでラセン階段という名前にしました。
篠原:って言うのは表向きで、"らりるれろ"が名前に入っているバンドは売れるって聞いて"ラセン階段"になりました。売れてねーですけど。
-それぞれの音楽的ルーツや、影響を受けたアーティストについて教えてください。
ゆたか:コブクロ、Mr.Children、Hi-Fi CAMP、ロードオブメジャー等J-POPやロック、他にも書ききれないアーティストを聴いて影響を受けたと思います。
篠原:Mr.Childrenですね。僕の人生8割ミスチル(Mr.Children)。残り2割はSEGAとCAPCOMです。
-そういったアーティストや音楽と出会ったきっかけはなんだったのでしょうか?
ゆたか:幼い頃に兄の影響でピアノを習い始めたのがきっかけで、音楽が身近なものになり、様々な音楽番組を観るのが日課でした。高校生の頃は、気になるアーティストのアルバムをレンタルし、ウォークマンで聴くことが多く、通学や休み時間も音楽に囲まれて過ごしていました。
篠原:いや、ゆたかの答え、面接か!! 就活の自己PRか思たわ。僕はそんな立派な話なくて、"家にミスチルしかなかったから"ってだけです。家族全員ミスチル信者で、物心ついたときから強制的に桜井(和寿)さん。正直、男が音楽始めるきっかけなんて"カッコつけたい"、ただそれだけです。これは全員そう。全人類そう。地球上のオス全部そう。だから僕は堂々と"カッコつけたいから始めました"って言います。面接なら落ちますけど。
-"異世界の音を紡ぐマルチバースバンド"とのことですが、このコンセプトに込めた想いや背景を教えてください。
ゆたか:ジャンルにとらわれず、様々な曲の中で、どこかラセン階段らしさを出せればいいなと思っています。
篠原:正直、ただの言い訳です。"いろんなジャンルやるやつら"を、"異世界の音を紡ぐマルチバースバンド"って言い換えただけ。今じゃどこもかしこもマルチバース言うてますけど、うちは結構前から名乗ってます。......なのでMARVEL以外は全員後追いです。
-『未完成』のリリース決定おめでとうございます。今作が完成したときの率直なお気持ちを教えてください。
ゆたか:まず嬉しかったのと、達成感がありました。懐かしい曲から最新曲まで、ラセン階段の歴史を知ってもらえる作品になったと思います。
篠原:まず"おめでとう"って言われたら"ありがとうございます"やろと僕は言いたい。Skream!さん、すみません。堺のど田舎しか知らん世間知らずを許してください。僕は毎回"これで最期!"と思って曲を作ってます。うちのアルバムは息抜き曲なし、全曲必殺技。もうこれ以上の作品は今世じゃ作れません......というか作るのしんどいです。
-今作は活動10周年を記念した作品となっていますが、この10年間を振り返って印象に残っている出来事はありますか?
ゆたか:やはり一番は現体制になったタイミングです(2019年までは4人)。これまでメインで作曲をしていたメンバーが抜け、初めて2人で作曲、レコーディングをしたときに不安から今後が楽しみになったことを覚えています。
篠原:印象に残ってるのはコロナ禍の"30時間TV"ですね。30時間ぶっ通しYouTube配信。あれは仲間と共に限界を超えて、バンドとして1つ成長した瞬間だった――ってカッコつけたいんですけど、実際はただの拷問でした。二度とやりたくないです。
-収録曲の中で特に思い入れのある楽曲や気に入っている楽曲はありますか。理由も含め教えてください。
ゆたか:1曲に絞ることは難しいですが、強いて挙げるなら「未完成」です。初めて1人で作曲した曲が、10周年の大事なアルバムのリード曲に決まって、嬉しさと不安がありましたが、自信を持ってオススメできる曲に仕上がったと思います。
篠原:どれも必殺技なんで選びにくいですが......「プレゼント」ですね。娘の1歳の誕生日に贈った曲です。完全に親バカソングですね。でも、うちの娘は僕の曲なんか一瞬で飽きて、今は「アンパンマンのマーチ」しか聴きません。
-ライヴやツアー等、これから予定されている活動はありますか?
篠原&ゆたか:予定は未定です! 各ライヴハウス、イベンターの皆様、ブッキングお待ちしております!! ご依頼はラセン階段SNS、X(@rasenmusic)にてDMください! ノルマ甘めならどこでも行きます!! もう一度言います! ノ ル マ 甘 め な ら !
-バンドにとってホームと感じるライヴハウスを教えてください。また、その場所での思い出があれば教えてください。
ゆたか:中津StepHALLです。僕等のライヴのほとんどはStepHALLで、いろいろなことを経験させてもらいました。
篠原:もちろん大阪の中津StepHALLです。なんでもできるアットホームなライヴハウスです。毎年4月に"篠原フェスティバル"をやらせてもらってるんですけど、メイン・ステージとは別にサブ・ステージを組ませてもらえたり、配信させてもらえたり、ほんまになんでもさせてもらってます。」
-今後の展望や目標とする場所はありますか?
篠原:今後の展望はやっぱりもっといろんな人に聴いてもらって、大きな会場にも挑戦したいです。......でもこのままだと区民センターの会議室すら怪しいです。最悪、自宅リビングで"娘ワンマン"やって"ソールド・アウト!"って言い張ります。
-活動を続けるなかで、最近新たに挑戦していることや、ご自身の中で感じている変化があれば教えてください。
ゆたか:今回のアルバムで初めてメイン・ヴォーカルに挑戦しました。これまでのイメージを崩さず、新たなラセン階段をお見せできれば。
篠原:昔から"長生き"したいと思ってます。肉体的じゃなくて記憶に残るほう。ガキの頃"ONE PIECE"のDr.ヒルルクが"人はいつ死ぬと思う...?...人に 忘れられた時さ...!!!"って言ってたのを読んで、記録じゃなく記憶に残る曲を作ろうと決めました。歳を重ねる程その思いは強くなってるなと感じます。......結局、男はいくつになっても厨二病。
-最後にSkream!読者にメッセージをお願いします。
ゆたか:まず、ほとんどの方が僕たちのことを知らないなかでここまで読んでいただき、ありがとうございます。ただここで知っていただいたのも何かの縁だと思うので、ぜひ『未完成』を聴いていただき、お気に入りの曲を見つけていただき、アルバムを購入いただき、僕たちに会いに来ていただけると嬉しいです!!
篠原:ここまで読んでくれてありがとうございます。僕等はまだまだ未完成ですけど、このアルバムに全力を込めました。全力超えてます。働いて、子ども育てて、隙見てアルバムを作る大変さ分からんでしょうね! だからぜひ聴いてください。......で、できれば買ってください。できれば2枚。親戚に配ってください。
RELEASE INFORMATION
ラセン階段
BEST ALBUM
『未完成』

RSY-0003/¥3,300(税込)
[SHINOHARA TV]
2025.10.15 ON SALE
※2025.10.12 会場先行販売
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