Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

THE GAME SHOP

 

THE GAME SHOP

Member:KIMITO(Vo) McD(Mani)

Interviewer:サイトウ マサヒロ

-個人的な感触では、近年はよりメロディが立つようになっているというか、みんなでシンガロングできるような楽曲が増えているようにも感じます。

KIMITO:そうですね、売れたいんで(笑)。それと、僕とMcDは他のアーティストをプロデュースしたり楽曲を提供したりすることもあるから、その中でキャッチーさについて考えることも多くて、それが自然に出力されてるところもあるのかなと思います。

-もともと、THE GAME SHOPはラウドロック・シーンと密接に絡んでいた印象も強いんですけど、現在はそこにこだわりはなかったりするんですか?

KIMITO:最近はもう誰と一緒にやってもいいんじゃないかなと考えてますね。そういう括りはもう必要ないなと思ってて。

-ここからは12月6日にリリースされた最新シングル「RAY OF HOPE」について伺わせてください。まず、率直に手応えはいかがですか?

KIMITO:できた瞬間に自分たちでも"いい曲ができた!"ってなりました。サビも超キャッチーで、自分でも口ずさんでしまうというか。メジャーな雰囲気とアンダーグラウンドなドラムンベースのフィールがめちゃくちゃいいバランスになっていて、すごく満足のいく曲になりましたね。

McD:周りからの反応もすごくいい感じで。

KIMITO:そうそう。"なんか売れようとしてない?"って言われたんで、"じゃあこれでチューニングは合ってるんだな"みたいな(笑)。

-どのようなコンセプトで作り始めた楽曲なのでしょうか?

KIMITO:コロナ禍も明けてネクスト・ステージに向かうに当たって、"もう1歩だけ大きく前に踏み出そうぜ"っていう気持ちを表現したくて。みんなにもその勇気を持ってもらいたい。そんなことを考えながら、サビのフレーズを最初に作りました。

-サウンド面では、まさにTHE GAME SHOPらしい、ドラムンベースとロックを融合させた楽曲になっています。どのような点を意識して作り上げていきましたか?

KIMITO:やっぱり、踊れないと意味がないっていう意識はありました。この楽曲は奄美大島のAmami Mastering & Mixingというスタジオに持って行って、Dominique(Fontel)というエンジニアと一緒に作ったんですけど、海外でも通用するようなサウンドにしたいという思いを持って作ったかな。McDはどう?

McD:ドラムとベースのグルーヴで踊れる曲っていうのがTHE GAME SHOPのカラーではあるんですけど、それこそ売れるために重要な要素はメロディやヴォーカルだと思うんです。そこの出し方はかなりこだわり抜いたし、時間をかけましたね。"ええのできた!"と思っても、翌日の朝には"ちゃうなぁ"ってなって作り直して、というのを3日間くらい繰り返して。

KIMITO:作っては壊し、また作っては壊し。昔のTHE GAME SHOPはヴォーカルよりもシンセやビートを基調にしてましたけど、やっぱり最近はメロディを押し出すようなサウンド作りをしてますからね。「RAY OF HOPE」は特にその意識が前面に表れた曲になったと思います。

-踊れて、なおかつメロディがちゃんと耳に入ってくるというバランスを追求したんですね。

KIMITO:わがままなバランスですわ(笑)。

-印象としては、ドラムとベースの響きがより生っぽいというか、これまでよりもバンドっぽいグルーヴを感じられるのが印象的です。

KIMITO:それも最近のTHE GAME SHOPが大事にしているところで。音源自体はトラックだけど、やっぱりライヴで生まれる、バンドだからこそのグルーヴは生ものなんで。KenKenと一緒にやったことでその意識が強くなったというのもあると思います。

-一方で、聴けば聴く程に細かいギミックを発見できる曲でもありますよね。

KIMITO:例えば"1verse 巻き戻し沸かす"というリリックのところでターンテーブルがリヴァースするような音を入れてみたり。そういう遊び心を大事にしたアレンジもできましたね。

-なるほど。ただトラックにヴォーカルが乗ってるわけではなく、相互作用があるというか。

KIMITO:そうですね。楽器のグルーヴだけじゃなく、ラップで表現できる抑揚も意識して作りました。

-McDさんとしては、何か新しい試みはありますか?

McD:新しい試みってわけではないですけど、例えば冒頭のドラム、ギター、ヴォーカルだけのセクションで、奥のほうにグーッと持ち上げていくようなシンセの音が鳴っていたりとか。そういう、パッと聴いただけでは分からないような名脇役的な音が随所に入っているので、ぜひ見つけてほしいですね。

-リリックについてはどのような思いが込められていますか?

KIMITO:一番のテーマはさっき話した通り、もう1歩、もう一回前に踏み出そうっていうことで。自分が日々感じていることや、最近知ったワードも入れ込みつつ、そのメッセージにまとめたという形です。

-リスナーに対してはもちろんですし、THE GAME SHOPというバンド自身に対してぶつける言葉でもあるのかなと思いました。

KIMITO:自分たちにも活を入れるような曲にしたかったので。みんなのことを応援しつつ自分自身のケツを叩くような曲になればいいなという思いは大きかったですね。

-"X SNS FXXK"というフレーズには不覚にもテンションが上がってしまいました。

KIMITO:ハハハ(笑)。やっぱり、日々嫌なものを見ることが多いじゃないですか。それも人間らしさなのかなとは思いますけど、でもその世界だけを見てたらダメだよ、外に踏み出せよ、っていう意味も込めましたね。

-アートワークは3作連続でshadowfomuさんが手掛けてらっしゃいますが、どのような繋がりのあるアーティストなのでしょうか?

KIMITO:兵庫 西宮の甲子園浜で(甲子園浜ドッグカフェ)モンタージュっていう音楽ができるカフェみたいなお店をTHE GAME SHOPのみんなで作り上げてやっているんですけど、そこでやってるイベントに来ていた、派手でへんてこりんでおっちゃんなのか兄ちゃんなのかよく分からない人が彼だったんです。むちゃくちゃすごい才能があるのに、まだ世間に見つかってないなって。なので、今までは昔から繋がりのある人にデザインを頼むことが多かったんですが、今年は彼と一緒にやっていこうと。バックドロップも作ってもらったりして。1年間でいろんな作品を生み出していって、互いにグルーヴを作れたんじゃないかなと思います。有名な人にばっかり頼むんじゃなくて、新しい人を見つけてコラボするのはこれからも続けていきたいですね。

-そうやって仲間の輪を広げていくのがTHE GAME SHOPのスタイルですもんね。そういう意味で、シンパシーを感じる若い世代のミュージシャンはいますか?

KIMITO:この間の"GAME ROCK BOMB"で一緒にやったJUBEEはマジでヤバいなと思いましたね。僕等より全然若いですけど、聴いてきた音楽が一緒で、でもそれを新しく昇華してるというか。やっとこういう人たちが出てきたなぁ、日本もめちゃくちゃ面白くなってきたなぁと、パンチを食らわされた存在でした。今年出たアルバム(『Liberation』)も"第一線でこれをやっちゃうんだ、最高じゃん"って感じで。最近出会ったアーティストの中では一番刺激的でしたね。あと、最近一番共演することの多い裸繪札はめちゃくちゃイケイケですし、シーンが活性化してきている気がしますね!

McD:たしかに、JUBEEは衝撃的でした。あと、KIMITO君が見つけてきて"うお!"となったのはTyrkouazですね。

-今後こういったアーティストとコラボしたいというヴィジョンはありますか?

KIMITO:今はロック・シーンとのコラボが多いので、もっとジャンルレスに、ヒップホップやレゲエ・シーンも開拓していきたいですね。

McD:具体的な名前は国内外問わず多すぎて言い切れないですけど、実現していけるように頑張るので楽しみにしていてください。

-2025年の活動の展望を教えてください。

KIMITO:ヨーロッパ方面にプロモーションをかけているので、ガッツリツアーも回りたいですし、なんらかのフェスティバルにも出演したいですね。音源で言うと、アルバムをいつ出すかハッキリとは決められてないですけど、そのつもりで曲を作ったり、いつでもアルバムを出せる状況に持っていこうと思ってます。来年もまた台湾に行くと思いますし、THE GAME SHOPとしての企画もどんどんやっていこうかなと。あっ、言っておきたいことがあって。俺たち、どこでも呼ばれたらマジで行くんで。来年は、東京と大阪以外にも精力的に全国いろんなところに行きたいので、ぜひ呼んでください!

-それでは最後に、Skream!読者にメッセージをお願いします!

KIMITO:「RAY OF HOPE」にはいろんなカラクリがあるので、ヘッドホンやイヤホンで"ここ変な音鳴ってね?"と一時停止しながら、ゲーム感覚で聴いてもらっても楽しいと思います。よろしくお願いします。

McD:「RAY OF HOPE」は、一度聴いただけで頭に残るキャッチーさもありながら、聴けば聴くほど面白さが見つかる曲でもあるので、ぜひいろんな環境でたくさん聴いてほしいです。あと、僕等はよく見た目が怖いって言われるんですけど、めちゃくちゃピースでハッピーなやつらなんで、どこかで見かけたらぜひ声を掛けてください。

KIMITO:それめっちゃ大事やな。最近は"西日本で一番優しいバンド"を謳ってますから(笑)。

RELEASE INFORMATION

THE GAME SHOP
DIGITAL RELEASE
「RAY OF HOPE」

[THE GAME SHOP / Mhodì Music Company]
NOW ON SALE
配信はこちら