Japanese
DYGL
2024年10月号掲載
Member:秋山 信樹(Gt/Vo) 下中 洋介(Gt) 加地 洋太朗(Ba) 嘉本 康平(Gt)
Interviewer:吉羽 さおり
主観的にも客観的にも面白いことができるんじゃないかなと思ってます
-改めてその当時のバンドたちはどんなものを持っていたと思いますか。
秋山:"ギターがかっこいい"と思わせられるのって大事だなというのはありましたね。ギターに限らず"演奏"かも。曲を聴いていいなと思って、自分もギターを弾いてみたいとか、バンドをやりたいと思わせる力があるのは大事だなと感じて。Pharrell Williamsのドキュメンタリーか何かで、JAY-Zの発言だったと思うんですけど、当時ヒップホップがものすごい勢いがあって今まさに天下取るっていうときに、Kurt Cobain(NIRVANA/Vo/Gt)があのメッセージを持って出てきたから、ヒップホップの流行が10年遅れたみたいな話があって。そこまでのエネルギーって改めてすごいと思うし、時代を超えた今でも若い感性を惹きつけるってやっぱりかっこいいなと感じましたね。
−「Evil」のきっかけとなったものや、セッションでの雰囲気はどういう感じだったんですか。
秋山:最初はもうちょっとニュアンスが違ったんですよね。
加地:もっとポストパンクっぽいというか、もう少し縦ノリの雰囲気で、MOMMAとかを聴いてコードのニュアンスを変えてみた気がする。
秋山:単音リフをフィーチャーしてみたりとかね。コード感とか、アルペジオの構成音とかの話はよくしていた気がする。あと最初の謎のノイズ音が好きっすね。あれ誰が鳴らしたんだっけ?
下中:俺かもしれない。みんなでSONIC YOUTHのライヴ映像を観ていてその後に作業したから、そういう感じがあったのかなって。
秋山:純粋だな。
-そういう話からも、いいテンションでやっていたのが伝わります。
秋山:アホな音出そうみたいなのはあったよね。分かりやすく、アホに行こうって言わないとみんな真面目になっちゃうところがあるから。最近は意識的に、音楽の中でバカなことをする、突き抜けるみたいなのはあるかもしれない。そういうアティテュードの変化というか、自分たちの今までの音楽の向き合い方や、スタンスを大きく変えるきっかけにはなったかもしれないですね。
-それはこれまでのバンドの流れの上でも結構大きな変化ですよね。
秋山:このEPの後に出る作品群が、このEPを定義付けてくれるかなとは思うんですけど。個人的な感覚としては最初の2作『Say Goodbye to Memory Den』、『Songs Of Innocence & Experience』(2019年リリースの2ndアルバム)までは結構ものづくりで苦戦していたところがあって、とりあえず何も考えずにやろうってリセットになったのが3rdアルバムだったんです。4thアルバムからここまでは序章のような感じがあって、今また1stアルバムを作り直すみたいな気持ちがあるんですよね。完全に刷新して、新しく歩み直すみたいな感じが今はしていて、次の5枚目は、1stアルバムになるなっていう気持ちではいます。
-今作に至る制作の中で、バンドを振り返る機会が多かったようですね。
加地:3rdアルバム4thアルバムは今思うとバンドでやってはいるんですけど、結構宅録っぽい音の世界観が強くて。今回のEPと大きく違うのは、フィジカル感があるかないかだと思っていて。
秋山:たしかに。
加地:昨年シングルをリリースしていたあたりから、今までの作品の振り返り的なことをメンバーでやったんです。僕は3人(秋山&下中&嘉本)がバンドを組んで少し遅れて加入したんですけど、個人的には今回のEPの曲は、僕が入る前くらいの初期にやってた曲の雰囲気に近くなったのかなっていう感じがあって。完全に回帰ではないですけど、"バンド"というものの見方が昔に近くなっているのかなって感じています。
−また「Drag」はいろんな要素が溶け合ってるのでなく、ぶつかり合いながら1曲になっている感じがありますが、どういうアイディアからだったのでしょう。
秋山:これはシンプル速い曲をやりたくて。ライヴ感のある曲、ライヴでどう聴こえるか、どう見えるかを意識していました。あともう1つは、これまでは歌にフォーカスを当てていた感じがあったんです。実際歌うのも好きだし歌を聴くのも好きですけど、そもそも自分がいいなと思って聴いていた歌って、うまいから好きというよりはある種の味があって好きって感じが多かったなと思って。歌を最初に書いてそれを邪魔しないように曲を作ろうとすると、どうしても演奏に制約的な影響が出るなと気付いたので、「Drag」や「Crawl」に関しては、自分の中でアプローチの仕方を変えて作ってみたというのがあったかもしれない。
-DYGLは、ギタリストが3人いるからこそ構築できるサウンドもありますが、どうでしたか。
秋山:「Drag」はデモの時点で骨組みはあったんですけど、細かいアンサンブルはバンドに任せる気持ちでしたね。実際に自分たちの身体を通して演奏したものでしか得られないものがある気がして、みんなで音出して考えてみようっていう感じだったかもしれない。
下中:「Drag」はかもちゃん(嘉本)がだいたいフレーズを考えていた覚えがあるんだけど。
嘉本:アレンジしたのは覚えてるけど、もともとがどんなだったかが思い出せない(笑)。
秋山:一番は、イントロのドラムを入れたいっていうのをかもちゃんが言ってくれたのが大きかったかな。この曲の印象を一気に変えたのは。
嘉本:爆発音みたいなのを入れたかったんですよね。
秋山:あれが入って、のっけから印象深くなった感じがある。
嘉本:「Drag」は音作りやフレーズのところでは、OVLOVっていうバンドを参考にしてた感じですね。
加地:ドラムの音作りとかもそうだったかな。
嘉本:8分で刻むギターとかビート感はDYGLがやってきたことに近い感じだった気がする。
加地:その手前でやっていたセッションは、もうちょっと重いビートのものが多かったんですよね。
下中:重くて、ちょっと暗かった。
加地:個人的に、スロウコアみたいなバンドを聴いていたりするのもあって、セッションでもそういう曲がちらほら出て、実際ライヴでもやった曲があるんですけど。音的にはすごくいいけど、DYGLとしてそれをやるのはどうなのかなみたいなクエスチョンがあって。そんななかでOVLOVは、親近感があるなっていうので名前が挙がったりしていたんですよね。音的にはグランジっぽいんですけど、もうちょっとビートがタイトというかパンク感があるというか。
下中:90年代のオルタナとかと比べると、ビートはシャキッとしてるけど音像のファズとかの圧は'90s由来のものがあって、そのミックス感がDYGLと合うんじゃないかっていうのはあったんですよね。その前はALEX GとかDUSTERとかのスロウコアを聴いていたんですけど、それはこのバンドだとちょっと合わないなっていう流れがありました。
-そのセッションや制作の中で、バンドの方向性、今の4人が向かう道筋をより明確にするという作業があったんですね。
秋山:そうですね。当時、みんな見てるところがバラバラなんじゃないかなって思ったので、あえて、いろんなバンドと比較するみたいなことはあったと思う。
加地:いろんなバンドのライヴを観たりしてね。こういうライヴの感じは親近感が湧くなとか。
秋山:スタジオで試した音をちゃんと言葉でフィードバックしたり。演奏しているときの気持ち良さとか納得具合とか、この曲はどうだったかをいろいろ試して分析してフィードバックして、また次を試してっていう。そのままにせずに、いいペースでできたというのがあって。EP以前のスロウコアっぽい時期のことを最近あまり考えてなかったですけど、今思うと、そこから短い期間でかなり急速に変化したんだなと。そんなに昔じゃないはずだけど、もうだいぶ昔に感じるくらいに。
-しっかりメンバーで向き合って話し合うということでは大人な面もありますが、こんなの好きなんだけどどう? って好きなものや興味を追求する姿勢はバンドを始めた頃のような純粋さもある。その両面の良さが出ていますね。
秋山:たしかにどちらもありますね。ようやくバンドらしいいいやりとりができるようになったというか。やってるつもりでできてないところが結構あったと思うし、以前は未熟すぎて何が足りてないのかも分かってないところがあったので、シンプルに好きな音楽の中でも4人で合わせたときに、一番芯食ってできるものは何かを時間をかけて考えることができたのかなって感じですかね。
下中:他のバンドもみんなこんな感じなんですかね? 自分たちのことってなかなか客観視できないけど、できるだけ客観視しないといけないじゃないですか。なおかつ、メンバーで4人それぞれやりたい音楽や好きな音楽がもし違った場合、他のバンドだと、もしかしたら我慢してやってるような人もいるのかなとかも想像しちゃったんですけど。
-DYGLは、その点では我慢をすることなく、その都度メンバーで向き合ってこられたなという感覚があると。
秋山:誰か1人でもしっくり来てないとそのしっくり来てないのが音に出ちゃう感じがありますからね。とことんみんなの中心を突き詰めるか、それでも違うならそれぞれの道を行くかどちらかがいいと思う。誰かが遠慮したり誤魔化したりして100パーセント行けていないと、それはやっぱり音に出る。1st、2ndアルバムの曲ももちろん好きなんですけど、当時全員が1つのアイディアにフルコミットできていたかって言われたら、そうじゃないところもあったと思うんです。僕等は常に4人で探りながら試行錯誤をしてきて、ある意味その蓄積が今の状態を強くしている感じがあって。なんで一緒にやっているのかを理解してやっている感覚があるし、しかも年月を重ねてある程度自信もついてきて、経験もあって。今ここで初期衝動みたいなものが生まれているのは、自分たちでも不思議ですけど、主観的にも客観的にも面白いことができるんじゃないかなと思ってます。
RELEASE INFORMATION
DYGL
DIGITAL EP
『Cut the Collar』
[Easy Enough]
NOW ON SALE
LIVE INFO
- 2025.09.03
-
YOASOBI
DIRTY LOOPS
WurtS × なとり
THE YELLOW MONKEY
- 2025.09.04
-
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
とまとくらぶ
マカロニえんぴつ
DIRTY LOOPS
ハンブレッダーズ
終活クラブ
a flood of circle × 金属バット
TOOBOE
神はサイコロを振らない
- 2025.09.05
-
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GOOD BYE APRIL
fox capture plan
水曜日のカンパネラ
大森靖子
セックスマシーン!!
YOASOBI
JYOCHO × 長瀬有花
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
KING BROTHERS
DIRTY LOOPS
EGO-WRAPPIN' / Original Love Acoustic Session
秋山黄色
ぜんぶ君のせいだ。
This is LAST
WtB
神はサイコロを振らない
PENGUIN RESEARCH
Bentham / Yobahi / WELL DONE SABOTAGE / Loojy
- 2025.09.06
-
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
Creepy Nuts
eastern youth
Broken my toybox
青木陽菜
9mm Parabellum Bullet / 眉村ちあき / 浪漫革命 / THE BOHEMIANS ほか
Appare!
カミナリグモ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
藤沢アユミ
大森靖子
なきごと
"TREASURE05X 2025"
ADAM at / TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍
セックスマシーン!!
ぜんぶ君のせいだ。
TOOBOE
YOASOBI
NANIMONO
KING BROTHERS
Victoria(MÅNESKIN)
Ryu Matsuyama
SIX LOUNGE / TENDRE / ハナレグミ / 日食なつこ ほか
WtB
SCOOBIE DO
NakamuraEmi
りぶ
優里
PIGGS
- 2025.09.07
-
Girls be bad
Broken my toybox
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
This is LAST
レイラ
WtB
ナナヲアカリ
豆柴の大群
TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍 ほか
ヨルシカ
eastern youth
大森靖子
GOOD ON THE REEL
Aooo
"TREASURE05X 2025"
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TOOBOE
the cabs
心愛 -KOKONA-
Keishi Tanaka
KING BROTHERS
Mellow Youth
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OAU / LOVE PSYCHEDELICO / 大橋トリオ ほか
"くさのねアイドルフェスティバル2025"
渡邊一丘(a flood of circle)
ぜんぶ君のせいだ。
りぶ
ART-SCHOOL
HY
優里
SILENT SIREN
[激ロックpresents"Burning Blue vol.5"]
- 2025.09.08
-
レイラ
JACK'S MANNEQUIN
fox capture plan
- 2025.09.09
-
Age Factory
THE GET UP KIDS
Hump Back
YOASOBI
打首獄門同好会
9mm Parabellum Bullet
JACK'S MANNEQUIN
"LIVEHOLIC 10th Anniversaryseries~奏・騒・壮!!!Vol.4~"
- 2025.09.10
-
Aooo
Hump Back
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The Birthday
パーカーズ × 浪漫派マシュマロ
とまとくらぶ
THE GET UP KIDS
打首獄門同好会
- 2025.09.11
-
Bye-Bye-Handの方程式
YOASOBI
The Birthday
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MONOEYES
THE GET UP KIDS
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鶴 × ONIGAWARA
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-
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神聖かまってちゃん
TOOBOE
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ビレッジマンズストア
YOASOBI
THE BOHEMIANS × the myeahns
the band apart (naked)
Rei
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"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~この声よ君の元まで!!〜"
- 2025.09.13
-
cinema staff
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / sumika ほか
神はサイコロを振らない
The Birthday
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神聖かまってちゃん
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佐々木亮介(a flood of circle)
四星球 / 藤巻亮太 / eastern youth / 踊ってばかりの国 ほか
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KING BROTHERS
崎山蒼志 / moon drop / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / ExWHYZ ほか
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WtB
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TOKYOてふてふ
LACCO TOWER
安藤裕子
GOOD BYE APRIL
The Biscats
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
wacci
- 2025.09.14
-
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THE BOHEMIANS × the myeahns
flumpool / 三浦大知 / コブクロ / C&K
ガガガSP / GOING UNDER GROUND / 日食なつこ / LOVE PSYCHEDELICO ほか
ナナヲアカリ
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Academic BANANA
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打首獄門同好会 / GLIM SPANKY / yama / bokula. ほか
KING BROTHERS
"ナガノアニエラフェスタ2025"
センチミリメンタル
mzsrz
ぼっちぼろまる
SIRUP
Maica_n
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
Mirror,Mirror
- 2025.09.15
-
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Bye-Bye-Handの方程式
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Kroi
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THE CHARM PARK
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緑黄色社会 / 04 Limited Sazabys / キュウソネコカミ / Hump Back ほか
羊文学
PIGGS
DYGL
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FOUR GET ME A NOTS
Bimi
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- 2025.09.16
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THE CHARM PARK
THE BOHEMIANS × the myeahns
MONOEYES
Aooo
コレサワ
Laughing Hick / アンと私 / つきみ
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series〜NEWIMAGE〜"
RELEASE INFO
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- 2025.10.10
FREE MAGAZINE
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Skream! 2025年08月号