Japanese
BimBamBoom
2023年03月号掲載
Member:岡 愛子(Gt) Maryne(Ba)
Interviewer:石角 友香
もうこの5人体制のライヴは観られないから、初見でもなんでも、絶対来たほうがいい。いつも通りいいライヴをしますので
-全体的に久しぶりのオリジナル・アルバムっていうところで、基本的なファンクとかリズム・アンド・ブルースの部分もありながら、ご自身でBimBamBoom、さらに新しくなったなとか、たくましくなったなぁって部分はありますか?
岡:私が作った曲(「BEER DE GO」)とサックスの矢元(美沙樹)が作った曲(「ビガップ」)が初めて入ってて。それで(メンバーの内)4人で作った曲がこのアルバムに入ったっていうのが初めてなので、そのこと自体が進化かなと思いました。
-曲はいっぱい案を出したんですか?
岡:はい。
-作曲期間がコロナ禍でもあり?
岡:コロナ禍の前から実はやってて、やっててコロナ禍になっちゃったみたいな。
-それまでに吸収してきたことを曲に込めた感じなんですね。Maryneさんは今回4曲(「THE WOMAN」、「絶紅潮」、「AKKAN BEE」、「RollerCoaster」)作っていますが、バンドに持っていくときってわりと完成形に近いデモなんですか?
Maryne:いや、あんまりそうはしたくないんですよね。でもサックスのフレーズとか、例えば「THE WOMAN」のギターの最初のリフとか、ビートがこんなのがいいというのがあったら、ちゃんと伝わるようにデモにして持っていきます。でもバンドなんで、"この通りにやって"とかは嫌で、できればアレンジはみんなでしたいと思ってやってきていますね。
-4人で書くとなかなか楽しいですね、バリエーションも増えるし。
Maryne:そうですね。みんな好みがバラけてるんで、曲調もそれでバラけちゃうっていう長所があります。
-Maryneさんが書かれた「RollerCoaster」はちょっとダブテイストもありますね。
Maryne:実はなんですけど、さっきのGqomっぽい曲をっていう期間に作ったんです。だけど、どうしてもGqomっぽくならなくて"でもまぁいいや、このままなんかカッコいいから進めよう"と思って作りました。
-ライヴでやってみて"おっ!"ていう手応えとか、逆に"難しいぞ"って曲はどれですか?
Maryne:「RollerCoaster」が難しくて。
-作曲者にとっても難しい?
Maryne:ムズいですね、ライヴだと。
岡:「BB」とか、音源で結構さらっと聴けるんですけど、ライヴでやったらユニゾンのセクションが意外と真ん中で、そっからベース、ドラムになってラストのサビになって、そこの展開がめっちゃ上がります。
-ヴォーカル・バージョンは歌モノでやってる人の尺としては長いのもなるほどですね。なので、「Go to the Future」とか、インストとヴォーカル・バージョンを聴き比べたときに面白いですし。
岡&Maryne:うん。
-インストのほうがオリジナルだったいうことがあるから違和感がないんですね。ここで全部辻褄が合いました(笑)。
岡:良かったです。
-この"PILI PILI"に繋がるところだと思うんですけど、「Japanese Mustard」はアルバムをひとつまとめるようなニュアンスがあるんですかね? それともこれができたから"PILI PILI"になったとか?
Maryne:これは結構前にみんなでやろうとした曲で。やってて、でもアレンジがまとまらなくて、ずっと蓋されていたやつをまた引っ張り出してきてみたいな。で、歌詞を考えるのがみんな苦手で(笑)、そのなかでノリで出てきたのが"PILI PILI"。
-"PILI PILI"って辛子にかかってるんですか?
Maryne:辛子にかかってます。
-基本的にインスト・バンドがアルバム・タイトルを決めるときって、どうしてらっしゃるのかな? といつも思うんです。
Maryne:今までの3アルバムはリード曲からタイトルを付けてます。でも今回リード曲「THE WOMAN」をアルバム・タイトルにするのはちょっとどうか? と話し合いになって、代わりになんかっていうので、愛子案で"「PILI PILI」は?"って。"うわー、いい!"ってなって決まりました。
-岡さん、なんで"PILI PILI"だったんですか?
岡:今までの流れだとそう("THE WOMAN")だけど、私が正直反対したんですよ。でも反対するからには何か代替案をということで、代替案を考えないとと思ったんです。まぁ言うたらこのアルバム、コロナがなかったらたぶんできてなかったと思うんで、年号とかも言ったんですけど、"うーん......"ってなって。話が進むなかで"なんかもっといい代替案を!"って考えながらZoom会議してたんですよ。たまたまその会議中に"あっ、「PILI PILI」"と思いついたのがそれで。そしたらみんな"おぉ!"ってなって、良かった~って思いました。
-たしかにあんまり意味を持たせたくないっていうのはあるかもしれないですね。
岡:そうですね。私自身が抵抗ありました。私だけだと思います。
Maryne:いや、そのアルバムについての会議をしようってなってるとき、タイトルの話になって、今までの3アルバムからだったら"THE WOMAN"になるけど、私ももしみんながいいとか言ってたとしても、"本当にいいの?"とは言おうと思ったんですけど、(愛子が)すごくはっきりいろいろ意見言ってくれたから、練ることができたなと。
-岡さんってバンドの中で具体的にタイトルになるものとかを考えられるし、映像とかも大事な役割な気がするんで、脱退は残念ですわ。
岡&Maryne:ははは!
岡:アルバムのタイトルに関してはたまたまですけどね(笑)。
-思いついたとしても言える人ってね?
岡:いや、タイトルを反対するとき、めっちゃ勇気出したっすよ。もうその会議の前から震えてました。"どうしよ?"みたいな(笑)。
-たぶんBimBamBoomのバランサーというか、表に出るイメージとか、オルタナティヴな部分とかって、岡さんが担ってるとこが大きいんじゃないかなって思うんですよ。まぁ、そんなこと私が言っても仕方ないんですけど。
岡:いや、それはやっぱ他者から評価していただいたのが正解です。評価ってそういうことですから。
-はい。そしてこのアルバムのレコ発があるわけですね。
岡:4月26日のことですね。プレリリース・ツアー([BimBamBoom Tour "BILI BILI"])は11月もありましたけど、リリース・ツアーはやってないので、もう全部やるんじゃないですか。
-ゲストとかは迎えないんですか?
岡:はい。今のところは想定してないですね。
-4月だとみんな聴き込んでるから良さそうですよね。
Maryne:そうだと嬉しいな。宣伝しまくらないといけないですよね。
-4月はどこで?
Maryne:下北沢SHELTERです。
-すっかり"ぼっち・ざ・ろっく!"の聖地になってますね。
岡:この間サポートで、SHELTERで2日前ぐらいしましたけど、("ぼっち・ざ・ろっく!"ファンが)いっぱいいましたよ。それでSHELTERが賑わってくれるのは、私は嬉しいですけどね。
-アルバムからは全部やるとして、もちろんこれまでの楽曲とかもセットリストに含めながらですかね。
岡:うん。
-そのライヴで岡さんは最後なんですか?
岡:はい、最後です。一生懸命頑張ります。もうこの5人体制のライヴは観られないから、初見の人でもなんでもいいからとりあえず絶対来たほうがいいよっていう感じですね。いつも通りいいライヴをしますので。
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