Japanese
Non-Holic
Member:成瀬 Rin
Interviewer:秦 理絵
-ちなみに、8月からはヴォイス・トレーニングもスタートしたそうですけど、やってみてどうですか? お芝居でも発声練習はあると思いますけど。
Rin:びっくりしたのは、僕低い声で歌うことが多かったんですけど、先生に"高い声も出るんだよ"っていうのを教えてもらって。もともと音域は広いのに、自分では気づけなかったんですよ。それは発見でしたね。それから、毎日自宅でヴォイス・トレーニングをするようになったんですけど、3回ぐらい声が出なくなったんですよ。
-トレーニングのやりすぎで?
Rin:はい(笑)。ちょっと話が逸れるんですけど、僕がなぜ音楽活動をしたいのかっていう一番のところが、そもそも不器用だからなんです。
-一見、器用そうに見えますけど。
Rin:そうなんです。よく"器用そう"って言われるんですけど。歌も上手じゃないし、ダンスもまったくできない、みたいな状態からスタートしてるんです。でも、不器用な自分でも努力次第でいくらでも成長できるっていうのを、世の中に伝えていきたいんですよ。僕、小学校4年生から高校3年生までスポーツがすごく得意だったんですね。
-どんなスポーツをやってたんですか?
Rin:野球とサッカーを両立してやってて。中学校まで都内で一番人数が多い野球部でキャプテンをやってたんです。高校時代はお芝居をやってたので、スポーツはやれなかったんですけど。クラスで一番足も速かったですし。でも、小3まではずっと下のほうだったんですよ。それがなぜできたかっていうと、毎日のように家や公園の周りを走ってて。そういう成功体験を小さいころから積んできたんですよね。歌も自分の中では自信がないものなんです。でも、それも克服できることを世の中に伝えていきたいっていうのが強くあって。それで毎日自宅でヴォイス・トレーニングをやってるんです。不器用なので、見てないところで人よりもやらないといけない。負けず嫌いなんですよね。
-なるほど。......ここで遅れていた成瀬さんが到着しました。
成瀬:すみませんっ!!
Rin:髪ぼさぼさだよ(笑)。
-だいぶインタビューが進んだところなんですけど(笑)、改めて、成瀬さん側の想いで聞きたいところを質問させてください。Rinさんは、"ふたりは性格は違うけど、根底は似てる"と言ってたんですが、成瀬さんはどう思いますか?
成瀬:僕も感じますね。根っこが一緒なんですよ。今まで似たような苦しみ方をしてきたっていうのは喋ってるうちに感じてて。ただ、立ち振る舞いは真逆なんです。例えば、渋谷で(Non-Holicの)ビラ配りをしてたんですけど、Rin君はすごく積極的にいろいろな人に話し掛けてたんです。でも、僕は全然できなくて。あとは自撮りとか。僕はかっこつけたりするのが恥ずかしいんですけど、Rin君はガンガン決めにいったりしてて。人として真逆なのは面白いなと思いますね。
Rin:(笑)
-成瀬さんも、いつか音楽をやりたいという想いがずっとあったんですか?
成瀬:そうですね。昔から表現することがすごく好きで動画を始めたんですけど。今は音楽っていうかたちで自分の気持ちを表現することに挑戦したいなって。
-今までどんな音楽を好んで聴いてきたんですか?
成瀬:僕は、USのヒップホップが好きなんですよ。テンションを上げたいときはUSのヒップホップ。でも、悲しいときは日本の失恋ソングを聴いたりもしてます。どういうアーティストが好きっていうのはあんまりないんですけど。しいて言うなら、米津玄師さんとか。曲に気持ちの訴えをぶつけてる感じが伝わって好きなんですよね。
-USヒップホップはどのあたりを聴くんですか?
成瀬:一番好きなのはXXXTENTACIONですね。この人も過去につらい経験をしてて、誰にもわかってもらえない気持ちをひたすらリリックに綴る人なので。マイナスなことを音楽に消化して、プラスにするというのがかっこいいなって感じるんです。
-これはRinさんが、成瀬さんの気持ちも聞いてほしいって言ってたんですけど。9月から行ってきたライヴハウスのシークレット出演を通じて、どんなことを感じましたか?
成瀬:Rin君とふたりで頑張って作ったものを、みんなの前で披露するのがめちゃくちゃ気持ちいいんですよね。特に「Spotlight」っていう曲は、サビに歌詞がなくて自由に踊れるんですよ。それがめっちゃ気持ちいいんです。ステージで歌ってるときにふとRin君と目が合うんですけど、お互いに"イェイ!"みたいな感じで笑ってて、同じ楽しみを味わってるというか。絆をすごく感じるんです。そうやって自分たちが純粋に楽しむことで、それがお客さんにも伝わればいいなと思ってますね。
-それはRinさんも感じますか?
Rin:はい、もちろんです。
-というふたりによるデビュー・シングル『Play game/Spotlight』が、10月20日にリリースされました。楽曲制作はどんなふうに進めていったんですか?
成瀬:僕たちは音楽の素人で全部を作ることはできなかったので、まずプロの方に"こういうイメージで歌いたいです"っていうキーワードを伝えたんです。そこから歌詞のイメージも伝えて。本当に僕たちの気持ちそのままっていう曲になりましたね。
Rin:最初に想像してたのは、お酒飲みながら踊れるような曲とがっつりEDMとっていうイメージだったんです。作曲家さんたち3、4人と僕たちふたりで、ゼロからこの曲どう? この音どう? って丸3日ぐらい朝から終電までやってましたね。
-"お酒を飲みながら踊れるような"というのは「Play game」ですね。これは成瀬さんのルーツが反映された曲かなと思いますが。メロウなヒップホップで。
成瀬:24KGOLDNっていうラッパーの「Mood」っていう曲が好きで、すごい失恋の曲なんですけど、明るくライトな感じで歌ってて。そういう雰囲気を作りたかったんです。失恋の重い話だけど、それを乗り越えて酒飲んで楽しもうぜ、みたいな。メロディは自分で考えたんですけど、正解がないというか。難しさもあったんですけど、自分の頭の中にしかなかったものが少しずつかたちになったのはワクワクしました。
-失恋の歌だけど、悲壮感がないというのは面白いアプローチですよね。
成瀬:むちゃくちゃに振り回された女の子のことも俺ら気にしないから、みたいな歌なんですよね。ふたりの出会いには感謝してるっていうのが垣間見られるテーマにもなっていて。元カノに向けて歌うみたいな。ラッパーのC.Karterさんと、Netflixでアメリカの恋愛映画を観ながら、歌詞を考えたんです。
-「Spotlight」のほうは、"がっつりEDM"と表現していた曲ですね。アコースティックなアプローチも取り入れたメリハリのあるアレンジになっているなと。
Rin:この曲に関してはふたりとも"洋楽っぽく"というのを意識してました。歌詞は日本語だけど、洋楽感を強めに出していきたいっていう想いがあったので。間奏のところでEDMっぽい電子的な音が入るんですけど、あれなんかは、これも違うこれも違うっていろいろ試しながら、ゼロから作っていったんです。
-この曲の歌詞はまさにノンホリ(Non-Holic)のことを歌っていますよね。
成瀬:活動をしていて、最初はバカにされたり見下されたりしたんですけど、いつかもっと大きいスポットライトを浴びて、デカいステージに立って見返してやる、みたいな熱い気持ちをぶつけてますね。ラップのところはRin君の見せ場です。
Rin:僕のこだわりは、"この声が武器になる"ってところで。今ここで歌ってる自分の声を"君も好きになる"というのが、まさにNon-Holicかなって感覚なんです。"1人じゃ輝けないでしょ"というのは、僕の中では成瀬とって意味もあれば、みんなとって意味でもありますね。
-"照らした先にはサイコロ"という表現も面白いですね。
Rin:人生ってサイコロにたとえたら、1が出るか6が出るか、わからないんですよね。1の目がずっと出続けても、それを続けていれば、いずれゴールに辿り着く。そのサイコロを振る回数をどれだけ増やすかっていうイメージで僕は歌ってます。
-「Play game」と「Spotlight」の2曲に共通するものがあるとしたら、どちらも"覚めないでほしい夢"というのを歌っているのかなと思いました。
成瀬:あぁ、たしかに。僕がやってる動画コンテンツとか、Non-Holicみたいな音楽の活動って先が見えないものなんですよね。そのなかで僕らは努力するというか。夢を見続けて追いかけるしかないので。そういうのが表れてるのかなって思います。
-10月28日には、Zepp Tokyoで開催されるインフルエンサーのイベント"STEP NEO STEP #SNS"に出演します。どんな自分たちの姿を見せたいと思いますか?
成瀬:僕は普段ネタ動画を作ってるんですけど、そこでは本心を隠しながら活動をしているというか、明るい部分だけを見せてる感じはあるので。Zepp(Zepp Tokyo)では、実際に来てくれたお客さんたちの心に熱い僕の本心をバコンと訴えたいなと思いますね。
Rin:Zepp Tokyoは自分がやりたいこと、成し遂げたいものを叶えていくためのふたりの通過点なので。そこを楽しんでもらいたいと思います。
-今後、ふたりにとってNon-Holicをどういうものにしていきたいですか?
成瀬:まずZepp Tokyoを目標にしてたので、その先のことは全然考えてないんですけど。うーん......どうなりたいか。将来、やりたいことって、僕たちふたりはちょっと違うんですよ。Rin君は俳優業を頑張りたくて、僕は動画とか、楽曲作りを頑張りたいんです。そのスタート地点として、Non-Holicを捉えてるんですよね。
Rin:うん、そうだね。それぞれがアーティストとしてやっていくためのきっかけというか、スタートをふたりで切ったわけで。今回のZepp Tokyoを足掛かりに個人としての力もどんどん発揮していくと思うので。コンスタントにやっていけたらいいなって思います。そのスタートというか、自分たちの覚悟みたいなのがNon-Holicなんですよね。
成瀬:決意表明かもしれないですね。大きくなって売れるぞっていう。
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