Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

JASPĘR

 

JASPĘR

Interviewer:吉羽 さおり

思うように生きてほしいし、苦しいときは苦しいと言って、泣きたいときは泣いて、自分を大切に


-そして10月16日には2ndシングル『Heal』がリリースとなります。こちらは、ゲームがモチーフになっていますが、もし進んでいくなかでつまづいてしまったり、うまく流れに乗れなかったりするときに、こういう道もあるよとか、肩の力を抜かせてくれる曲で。自分の方法を肯定してくれるような曲ですね。

まずこういった曲を作りたい、こんなメッセージを伝えたいというところから作っていくんですけど。それができてから、自分の好きな要素も足したくて。この曲の場合だったら、自分はゲームが好きなので、そういったものをうまくメッセージと絡められたらいいなってところでしたね。

-歌詞に出てくる"メインストーリーを忘れて"の"メインストーリー"というのは、みんなが思う王道的な道であるとか、人が敷いたレールみたいなイメージですかね。

そうですね。ゲームだとメイン・ストーリーしか進めないっていうのもありますし、例えば、社会に出て働くにしても、会社員になりたくなくてもみんなが進んでいく王道にいかないととか、その道をなんとなく選んでしまうことは多いと思うんです。でも、別にみんながやっているからそっちにというのでなくて、自分が思うようにやればいいんだよってのをゲームになぞらえながら書いた曲で。

-それは自分の経験というのももとになっているんですか?

「Heal」に対しては、もちろん自分もそんな考えでもあるし、好きなことをやっていけばいいというのもあるんですけど。今の状況、このご時世で、まず伝えたいメッセージという感じでしたね。思うように生きてほしいし、苦しいときは苦しいと言って、泣きたいときは泣いて、自分を大切に――そういうことを伝えたいなと思ったんです。SNSとかを見ていても、ファンの方のツイートや友人のツイートでもそういうことを感じますし。コロナの影響もあって、より普段通り生活ができなかったり、周りの人だったら活動やライヴができなかったり、それでグループが終わっちゃったりもありますしね。あとは、何十年と続いていたお店がなくなってしまったり......そういった、自分が今見ていること、感じていることから影響は受けているのかなと思います。

-これからもそういうリアルな思いが音楽に封じ込められていくんですね。

これからも一番は自分の気持ち――その時々で感じること、伝えたいことは変わると思うので、そのときに自分が思っているそのままを、このJASPĘRの歌で伝えていきたいと思っていますね。

-JASPĘRとしてはヴィジュアルのイメージも大事にされていますが、メインのヴィジュアルや、それぞれのシングルのアートワークにはどのようなものを盛り込んでいるんですか?

僕はホラー映画が好きなので、このアートワークにあるネオンの文字とかは、さりげなく全部ホラー映画のタイトルになっているんです(笑)。ヴィジュアルでは僕自身が本当に自分の好きな世界観、好きなものを詰め込んだという感じなんですよね。

-ホラーやゲームなど、結構ダークなものが好きなんですか?

ホラーはダークですけど、僕は海外に住んでいたこともあって、日本のカルチャーが大好きで。なので、日本ならではのもの──例えばカラオケだったりゲーセン、アニメだったりも絡ませながら、もっと海外の方に対しても発信していきたいし。逆に僕が海外に住んでいたこともあるので、海外の魅力も、例えばこのアートワークでだとアメリカのホラーになりますけど、ホラーとかスケボーとか、そういうカルチャーを日本で広めるのもできたらいいなって。今は日本語で曲を作っていますけど、今後は全部英語の曲もどんどん作っていきたいと思っています。

-海外で思春期を送っていると、今は逆に海外のものやカルチャーが恋しくなったりしませんか?

それも日本に来てから感じますね。向こうのお菓子とかを見ると懐かしいなって思いますし、英語は喋る機会が減ってしまっていますけど、街で外国人を見かけたら話したいってなるし(笑)。あとは向こうの友人と今でも連絡をとっているので。こういう状況じゃなかったら、向こうに行きたいですしね。

-それこそ海外でもライヴができますしね。

海外でもいつかできたらいいなと思っています。

-ライヴについては、10月28日にZepp Tokyoで初ライヴ("STEP NEO STEP #SNS")の開催が決定しました。いきなりZeppというのもすごいですね。

本当ですね(笑)。まず、JASPĘRの活動ではライヴをやる予定ではなかったんです。僕としては、自分の伝えたいことを発信できればいいと思っていたので、それって今はデジタル、ネット上でもできるじゃないですか。顔出しも今は考えていないですし、人前に出るとかも考えていなくて、ライヴはいつかできたらいいなくらいに思っていたんです。まさかこんな早くできるとは考えていなかったですけどね(笑)。でも今回、こうして機会をいただけたので、ぜひやりたいなと思っています。今リリースしているのは2曲ですが、ライヴをする頃にはまた新しい曲も増えていると思うので、楽しみにしていただければと。

-1stシングル「Lune」はリリース1週間でTikTok MVが10万再生を突破して、人気Tik Tokerの"ルーンダンス"の投稿もあって高い注目度になっています。曲が自分の手を離れて、誰かに届いて、"ルーンダンス"のように新しい展開をしていることはどう見ているんですか?

TikTokでたくさん聴いてもらったり、TikTokerさんに"ルーンダンス"をやっていただいたりしているのはすごくありがたいし。ちゃんと自分がこだわった部分を聴いてくれた方が取り上げてくれて、"ここめっちゃいいよね"とか"ここの感じすごい伝わる"とか共感してくれているのは、一番嬉しいことですね。