Japanese
ボンジュール鈴木
2020年01月号掲載
Interviewer:吉羽 さおり
多感な時期に植えつけられたものが、甘美で耽美な危うい世界のヨーロッパ文化だった
-このファンタジックでかわいいテイストは、いつ頃から自分の中に入ってきた感じですか?
Emilie Simonさんというフランス人のエレクトロ系のアーティストがいて、たぶん一番影響を受けている気がします。かわいらしいフレンチ・ロリータ的な衣装を着て作詞、作曲、編曲、弦アレンジもされていて映画音楽も手掛けるような方なんですけど、声もすごくかわいくてMVもファンタジックでとても素敵なんです。ドールのようなとてもかわいいルックスでクリエイティヴなことをいろいろ自分でやっていらっしゃると知ったときに、衝撃的でした。私も作曲、編曲ミックスなど自分で0から100まで表現することができたら、親に嫌々ながらやらされていた習い事やレッスンで身につけたことを少しずつ生かせられるんじゃないかって......彼女に出会わなかったら、今のスタイルじゃなかったかもしれないっていうくらい影響をされているのかもしれません。
-なるほど。
ヴァイオリンに関しては趣味でやっていたんですけど、ピアノとか、フランス語や英語とかは親にやらされてイヤイヤやっていた部分があったので。あとは和楽器とか、茶道、華道もやらされていたんです。だから、かわいいものでありつつも、日本人として何ができるかということで、お琴の音をトラックに埋め込んでみるとか、日本ならではの独自のメロディや音で表現していきたいと思いました。
-本当にこれまでやってきたことをここですべて生かしているんですね。
子供の頃から遊んだり人と関わったり話すのも得意じゃないというか......複雑な家庭環境の隔離された狭い世界で、あまり人と関わらないようにしていたので、その今までの鬱憤を作品にしている気がします(笑)。
-かわいいものっていうのはずっと好きだったんですか?
かわいいものばかり集めてきてましたね。
-そこでEmilie Simonさんがばっちりハマって、自分はこれだって引っ張ってもらった感覚なんですね。
そうですね、そこからフランス映画とかロリータ系のシネマも観るようになって。フランスに留学もしていたので、友達のお母さんに"このアーティストいいわよ"ってCDをいただいたりして教えていただきました。かわいいものが好きだって言ったら、かわいい感じのアーティストや昔のアーティストを教えてもらって、そこから掘っていったというのは結構ありました。
-日本の音楽よりもフレンチ・ポップスとかのほうがハマったんですか。
基本的にはポップスよりもクラシックが好きというか......カトリックの大学で勉強していたり、修道院的な寮に住んでいたこともあるので、教会音楽が一番の根底にある気がします。あとは、アイスランドの友達に影響されて知ったふわっとしたエレクトロ的なものや、ドリーム・ポップやシューゲイザーのようなものが幻想的な世界が好きになりました。子供の頃からテレビや漫画や雑誌などもあまり観させてもらえなくて、ファンタジーなアニメや映画がだけ許されていたので、常に現実逃避的なものを目指す偏った感覚のまま大人になってしまった気がします。
-純粋培養ですね。子供の頃触れるものって多くはテレビが中心だったりするから、文化にしてもそこからの影響が大きくて、音楽もJ-POPがまずあると思うんですけど、自分と同い年くらいの子たちとの分かち合いやズレを知ることもあまりなかったんですかね。
あまり友達がいなかったです(笑)。家に帰ったら、家庭教師がいて。その合間にピアノのレッスンやいろんなお稽古があってとかをずっとやってきたので。情報というと、その家庭教師の先生がこっそり貸してくれる異国のCDだったんです。それも父の仕事でもサポートできるようにということで、父と関わりのある国の作品を先生が貸してくれていたんですけどね。子供だったから、まず何言ってるかわからなかったんですけど(笑)、歌詞カードを見ると和訳が載っていて、自分が聴いて感じていた世界と、実際のフランス語の曲の内容がまったく違っていたんですよね。しかもそれが、子供が覗いてはいけないような官能的な大人の世界で、すごく衝撃だったんです。漫画とかにもあまり接してこなかった自分としては"先生これダメでしょう?"っていう。
-急に大人の世界を見せられてしまった。
甘美で耽美な官能的な世界観でというか......少しアブノーマルな要素もあって。
-フランス文学なども結構そういうイメージがありますね。
はい。洋書の詩集や小説、詩集の片方に翻訳が載っている本などで勉強をしてました。たぶん詞の勉強はそのあたりからというのがあったと思います。
-どういった作家が多かったですか?
昔のものが多かったですね、"星の王子様"もありましたが、ギヨーム・アポリネール、ポール・ヴェルレーヌ、ボードレール(シャルル・ボードレール)、スタンダールとか。難しすぎて、わからなすぎてつらかったです。先生が薦めてくれたのも、たぶん覗いてはいけないところを子供心に時々覗いてしまったようなものもあって。作品を聴いてくれた方がよく私のことを変態って書いてくれているんですけど(笑)、一番多感な時期に植えつけられたものが、甘美で耽美的なちょっぴりアブノーマルな世界観を表現したヨーロッパ文化だったんだと思うんです。
-家庭教師の先生もセレクトがいけなかったですね(笑)。
今もヨーロッパの文化が好きなお友達や、ヨーロッパ圏の子たちに薦められた映画を観ると、すごくしっくりくるんですよね。
-私の中にもあるものだ、と。
チェコの映画の"闇のバイブル 聖少女の詩"とか、宗教的なところも秘めつつ、ちょっとアブノーマルでロリータの世界があるものとか。ただ、私の思うヨーロッパ的なフレンチ・ロリータ的感覚は、エロティシズム的な魅力が大きい気がするので、日本のロリータ的な感覚とは大きく違う点かなと思います。
-そういうボンジュール鈴木さんを培ってきたものを、かといって音楽ですべて濃厚に出すっていうわけではないですよね。愛らしさ、ポップさでちゃんとくるんであって、毒々しく出さないというのは面白さでもあると思います。さじ加減として気をつけていることはあるんですか?
中にはそういう世界観を意識して作った曲もあるのですが、下品な表現にはならないように、絶対にファンタジーでくるむことを心掛けています。以前、フランス語を教えてくれていた先生に詩を見せたときに"はは(笑)。女の子がそんな言葉使っちゃだめだよ"って言われたのが今でも心に残っていて。わかりやすい表現にはしないで、美しさの中で、触れるか触れないかのエロティシズムみたいなものを表現することを好むようになりました。例えば、昔のフランスの音楽の作品でダブル・ミーニング的なものが多くあって、それが面白いなと思っていました。フランスの男の子の友達に"この歌詞見てよ"って言われた、すごく昔の曲があるんです。私もちょっと"あれ?"とは思ったんですけど、その子が詳しく説明をしてくれた歌詞がとんでもない内容で(笑)。しかも、それはアイドルが歌っていた曲みたいで(FRANCE GALL「Les Sucettes(邦題:アニーとボンボン)」)。
-アイドルがそんなこと歌うの? っていう内容なんですね。
はい、とてもこの場では言えないようなことで。しかも、女性アイドルが絶対に言っちゃいけないよねっていう世界観を、笑顔で歌っていたみたいです。
-そこには違う意味が隠されているんだよと。
よくからかわれていましたね。
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