Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

halca

2019年09月号掲載

halca

Interviewer:秦 理絵

もっと自分の歌の魅力で音楽を届ける力も手に入れたいなと思ってるんです


-では、ここからは『white disc +++』の話を聞かせてください。新しい挑戦もたくさんある作品だと思いますが、一番こだわりたいと思ったことはなんでしたか?

全部違う色の曲にしたいと思ってました。もともと収録されている3曲だけでも、まったく違うタイプの曲なんですけど、もっと違う味を出したかったんです。

-そういう思いで、コレサワさん、松隈ケンタさんに楽曲提供をお願いしたんですね。

はい。もともと私はコレサワさんの歌が好きだったんですけど、たまたまコレサワさんに「キミの隣」(2018年5月リリースのメジャー・デビュー・シングル表題曲)のTVスポットを見ていただいたらしく、夜中にTwitterのフォローがきたんです。"え!?"ってびっくりしたんですけど、それから少しずつやりとりをさせてもらって、ライヴも観せていただいたんです。そうしたらコレサワさんに"いつか一緒に曲を作れる機会があったら、連絡待ってます"みたいに言ってもらえて。"これはもう今しかない!"っていう感じでした。

-もともとhalcaさんは、コレサワさんのどんなところに魅力を感じていたんですか?

やっぱり声が好きなんですよね。歌い方も少女みたいにかわいくて。でも、歌詞はすごくパンチの効いたことを言ってるのに。「SSW」っていう曲の中に、"君にたくさん大好きと/伝えてたこの声で歌うの"っていう歌詞があるんですけど、"なんて衝撃的な歌詞なんだ"って、びっくりしました。

-コレサワさんの歌詞は普通の人とは視点が違っててユニークですよね。"あ、そこを歌詞にするんだ!?"って思わせてくれる。

そうなんですよ。今回の「君だけ」もそういう歌詞ですよね。

-「君だけ」を作るにあたって、コレサワさんに長文のLINEを送ったそうですね。そこから感じた面倒くささが歌詞になっているそうですけど、どんなことを送ったんですか?

私は、家族間でも友達間でもすごくヤキモチ焼きなんですとか、ワガママな感じなんです、みたいなことを妄想も含めてたくさん送りました。それが、"電話代はパパが払うから"みたいなところに出てるんですけど、実際にこういうワードは言ってないんです。私の面倒くさいエピソードの中から、"こういうことを考えてそうだな"っていうのを歌詞にしてくださって。実際、私も"電話代はパパが払うからいいもん"って思ってるところがあるし、"お化粧はママに借りるからいいもん"って思ってるんですよね(笑)。あと、今まで私の歌詞にはなかったような、"マジ"とか"無理"っていう言葉に、リアルな女の子の気持ちが出てるのもいいなと思いました。若い女の子が普通に言いそうなんですよね。

-とてもポップな曲調ですけど、そこもコレサワさんにリクエストしたんですか?

伝えました。最初は前向きな感じなのか、失恋系なのか、どうしよう? って悩んだんですけど、でも、全体のバランスを考えると、「キミの空」が悲しい歌だから、それに失恋の曲を入れると、大号泣のCDになってしまうと思ったんです。だから、かわいらしさもプラスしたくて、こういう曲にしてもらいました。最高の曲ですね。

-歌い方も、ちょっとワガママな女の子を意識したんですか?

意識しました。コレサワさんの仮歌がアコースティックの弾き語りだったんです。だから、最初は"もし私がシンガー・ソングライターだったら"っていうイメージで歌ったんです。あぐらをかいて、気だるげな暗い感じで。でも、コレサワさんがレコーディングに来てくださったときに、"ロリータ服を着て、ぬいぐるみをグサグサやってる感じで歌ってほしい"とものすごくわかりやすい具体的なイメージを伝えてくださって。本音をポロポロ歌えばいいんだと思ってからは歌いやすかったですね。

-へー、独特のディレクションですけど、それでイメージを掴めたんですね。

そうなんです。ただ、1ヶ所だけ歌いづらいところがあって、私、母のことはママって呼ぶんですけど、父のことはお父さんって呼んでるんです。だから、"パパ"が言い慣れてないから難しいんですよ。パパだけ何回も録り直しました。

-松隈(ケンタ)さんがプロデュースを手掛けた「GOING CRAZY NIGHT」はかっこいい曲になりましたね。halcaさんの歌い方もロックですし。

これは松隈さんに、"下北沢でギターを持って、ボロボロの服を着て歌ってるおじさんになって歌って"って言われました。

-古き良きロックンローラーみたいなイメージ?

そう! ハートを吐き出すみたいな歌い方をしたんです。

-もともと松隈さんは、いつか一緒にやりたいプロデューサーだったんですか?

BiSHの「My landscape」が好きなんですよ。普段アニメ以外はあんまりテレビを観ないから、アイドルさんとか芸能人とかは詳しくないんですけど。YouTubeのおすすめで出てきてたまたま再生したら、すごく好きな曲だったんです。当時、通学中にもよく聴いてたので、今回一緒にやれるってなって、"まさか!"って、びっくりしました。「My landscape」とは違った印象の曲ですけど、実は候補を3曲いただいてたんです。松隈さんっぽいダークな尖った感じの曲もあって、それと迷ったんですけど、何回も聴いてたら、「GOING CRAZY NIGHT」は景色が浮かぶのがいいなと思ったんです。

-どういう景色が浮かんだんですか?

最初のジャーン! から夕方が浮かんできたんです。それで、松隈さんに"どんなことを歌いたい?"って聞いてもらえたので、未練タラタラな失恋ソングか、悩んでる人に対して"おつかれさま"っていう曲か、松隈さんに書いていただけるなら、男性目線の曲も歌いたいですっていうことを伝えたんです。そしたら、"おつかれさま"っていうテーマを選んでくださって。これは、私の曲を聴いてくださるみなさんに向けて、"ありがとう、おつかれさま"を伝えられたらいいなと思って歌ってます。上司に怒られたとか、何か上手くいかなかったときに、帰り道に聴いて、ポロっとしてほしいです。

-今は"シンガー"として活動しているhalcaさんですけど、今作はいろんな枠を超えていけるような手応えも感じる1枚ですね。

たしかに、今回のミニ・アルバムは、アニメ作品のタイアップはひとつもないので、私にとっては挑戦だし、新しい可能性を見つけられたと思いますね。今はアニメのタイアップをメインで歌わせてもらってるんですけど、いつかはアニメのタイアップだけじゃなくて、幅広いシンガーになれるといいなと思っています。私がアニソンを歌うのが好きな人もいると思うから、誤解があるといけないんですけど......。歌うのが好きだから、この歌をもっともっとたくさんの人に聴いてもらうためには、括りのない世界に行かないといけないなとは思ってます。だから、アニソンを歌わせていただくのも嬉しいし、もっとアニメ作品にも関わっていきたいけど......なんて言ったらいいんだろう、それだけじゃなくて、もっと自分の歌の魅力で音楽を届ける力も手に入れたいなと思ってるんです。

-ええ、たぶんアニメのタイアップで作品の世界観に真摯に向き合うことと、コレサワさん、松隈さんのディレクションに答えて寄り添っていくことって、実はやってることは一緒じゃないですか。そこがブレない限り、この先、いろいろな挑戦もできると思います。

わー、そんなふうに言ってもらえると、嬉しいです。今回のミニ・アルバムは楽曲の幅が本当に広いから、どれか1曲は心に響くんじゃないかな、そうだといいなと思うんです。これを聴いたうえで、これから先、"こういう曲を歌ってほしいな"とか、もっと想像していただけたらすごく嬉しいですね。そして、次の作品が出た際には、また聴いてくれる人を驚かせたいです。